偏愛的プレミアリーグ見聞録

移籍合意報道から、1日で撤退。バイエルンのヌサール・マズラウィの獲得に近づいていたウェストハムは、マンチェスター・ユナイテッドのアーロン・ワン＝ビサカにシフトしたようです。移籍金1350万ポンドとアドオン300万ポンドで握った後、何が起こったのでしょうか。「ザ・サン」のゲイリー・ストーンハウス記者は「代理人からNGが出た」といっています。

荒唐無稽なゴシップが多いタブロイドのレポートだけでは信じられないという人も、ドイツの「スカイスポーツ」でレポーターを務めるフロリアン・プレッテンベルクが発信源と聞けば、身を乗り出すのではないかと思われます。これが事実だとすると、デ・リフトの移籍についてラファエラ・ピメンタ氏と交渉していたマン・ユナイテッドがカットした可能性があります。

ドイツのジャーナリストは、「マンチェスター・ユナイテッドはマズラウィを獲るべくプッシュしており、話は進展している」「代理人の ラファエラ・ピメンタは、デ・リフトとマズラウイの移籍について直接交渉を続けている。両者ともに、マン・ユナイテッドに入団したがっている」と続報を配信しています。

いくつかの記事を読んで、デ・リフトもマズラウィもテン・ハフのアヤックスでプレイしていたことに気づきました。指揮官だけでなく、リサンドロ・マルティネス、エリクセン、アントニーとアヤックス出身が多いのも、彼らが来たがる理由のひとつでしょう。なるほど。それならマズラウィ獲得は「アントニー蘇生プラン」になりえるのではないでしょうか。

アントニーとマズラウィが一緒にプレイしていたのは、2020年からの2年です。同時にピッチにいた47試合をチェックしてみると、アントニーは13ゴール8アシスト、マズラウイは3ゴール4アシスト。オランダ時代の盟友が加われば、ワン＝ビサカのフォローがなく孤立したり、ダロトと連携が取れずに強引なドリブルをカットされたりしていたウインガーは、元気になりそうです。

ワン＝ビサカの移籍が決まれば、バイエルンのDFをダブルで獲得できるでしょう。ハマーズ入りに難色を示しているといわれるSBを口説き落とすのが、次なるタスクです。明るい未来に思いを馳せていると、さらにテンションが上がる話が飛び込んできました。パリがベンフィカのMFジョアン・ネヴェスの獲得間近！これが決まれば、マヌエル・ウガルテを売ってくれるはずです。

ファブリツィオ・ロマーノさんは、「PSGは来週にも契約を成立させたいようだ。移籍金7000万ユーロと、レナト・サンチェスのような選手の譲渡を含むパッケージの詳細が話し合われている」と伝え、得意の「Here we go」を解禁しています。契約が残り1年となっているリンデロフとエリクセンや、高値が付きそうなカゼミーロの売却が決まれば、中盤も強化できるでしょう。

ハマーズのSB獲得やパリの大型補強は、マン・ユナイテッドの計画になかったラッキーなイベントです。ウガルテまで加わったチームの先発メンバーを考えてみましょう。オナナの前にマズラウィ、デ・リフト、レニー・ヨロで、リサンドロ・マルティネスは偽SB。アンカーはウガルテ、2列めはザークツィー、メイヌー、ブルーノ、ガルナチョで、最前線はホイルンド…！

ラシュフォード、メイソン・マウント、サンチョ、アントニーがベンチというぜいたくな布陣にしてみましたが、マン・ユナイテッドの最大の強化は、不振に陥っていた彼らの復活でしょう。余剰戦力を整理しつつ、メディアが報じている3人の即戦力を加え、現有戦力も本領を発揮できるようにしてもらえればと思います。ファン・ニステルローイとレネ・ハケの仕事にも注目です。（マヌエル・ウガルテ　写真著作者/JoyaPalacio1）