偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシーが、メディアの見出しを賑わしている夏のトランスファーマーケット。しかし、最も強化されるのはアストン・ヴィラかもしれません。ドゥグラス・ルイスとムサ・ディアビを失ったのは痛手ですが、中盤センターはアマドゥ・オナナとロス・バークリーで穴埋めできています。

次なるターゲットは、オリー・ワトキンスのパートナー。ウナイ・エメリ監督は、ジョアン・ファリックスの獲得を熱望しているようです。とはいえ、ファブリツィオ・ロマーノさんによると、「アトレティコへの正式なオファーはまだない。強い関心はあるものの、初期段階」。ムサ・ディアビの売却で得た5050万ポンド以内で収まる目処が立てば、動き出すはずです。

より具体的に現状をレポートしているのは「90MIN」です。ショーン・ウォルシュ記者とベン・ジェイコブズ記者は、「アトレティコは、2019年のフェリックス獲得で投じた1億1100万ポンドをできる限り回収しようとしている」「ヴィラは、移籍金次第でフェリックスの買取オプションか、買取義務付きのローン移籍を実現させる可能性もある」と報じています。

シメオネ監督との確執をきっかけに、クラブとの関係も冷え切ってしまったアタッカーの残留はないでしょう。放出は必至ですが、やはり問題は移籍金の額です。2029年まで契約が残っているため、売値が6350万ユーロ（5350万ポンド）を超えないと減価償却費をゼロにできず、ヴィラの希望額とはギャップがあります。

「90MIN」の記事によると、「ヴィラは獲得の条件を把握したいと考えており、アトレティコは要求額を引き下げる用意がある」とのこと。噂になっていたサウジのクラブが動かず、バルセロナがニコ・ウィリアムズにシフトしたら、リアリティのあるオファーがスペインに届くのではないでしょうか。

現地メディアは、ヴィラのさらなるターゲットとして、ロ・チェルソ、コナー・ギャラガー、ミケル・メリノを挙げていますが、ブバカル・カマラの負傷が癒えれば中盤の枚数は揃います。セカンドストライカーの次の補強ポイントは、マティ・キャッシュに退団の噂がある右のフルバックか、ジエゴ・カルロスが不安なCBでしょう。

まずはジョアン・フェリックスの獲得に全力を尽くし、ジョン・デュランがウェストハムに移籍となれば、前線にもう1枚をプラス。最終ラインの右サイドを強化する際には、アレックス・モレノかディーニュを売却するものと思われます。ここまでいけば、ウナイ・エメリ監督も満足でしょう。積極的な強化を続けるヴィラの選択に注目しましょう。