偏愛的プレミアリーグ見聞録

ウェストハムはフェルクルク、サマーヴィル、ワン＝ビサカ、フラムはスミス・ロウ、クエンカ、マクトミネイ。ロンドンの東西で、新戦力獲得の話が続々と動いています。スミス・ロウとクエンカは、ほぼ決まりといっていいでしょう。スミス・ロウはメディカルチェックを終え、クエンカも詳細を詰めれば「Done Deal」です。

2021-22シーズンはプレミアリーグ33試合10ゴール2アシスト、直近2年は25試合ノーゴール4アシスト。ブカヨ・サカとともに将来を嘱望されていたアーセナルのプレーメイカーは、鼠径部の手術をきっかけに、プレゼンスを失ってしまいました。3年前は、4-2-3-1の左サイドとトップ下で主力でしたが、4-3-3の現在は、ウイングでもインサイドMFでも3番手以下に甘んじています。

復活を期す1年と目されていた2024-25シーズンは、キャリアを見直す踊り場に変貌を遂げたようです。フラムのオファーは、クラブレコードとなる2700万ポンドとアドオン700万ポンド。ミケル・メリノやファビアン・ルイスの獲得を目論むクラブに、断る理由はありませんでした。マルコ・シウヴァに口説かれ、移籍を決意した24歳のMFは、今週中に正式発表があるはずです。

ビジャレアルのCBクエンカは、マルセリーノ監督の構想から外れており、移籍は既定路線でした。バルサ時代はジェラール・ピケの後継者といわれていたのですが、2020年にビジャレアルに移籍してから伸び悩み、2020年からの2年はアルメリアとヘタフェにローン移籍。昨季はラ・リーガで29戦3ゴール1アシストと主力だったのですが、新チームには不要とされてしまいました。

スペインメディア「アス」によると、移籍金は560万ポンドで、アドオンが130万ポンド。ライアン・セセニョンの復帰が合図だったかのように、立て続けに2人を押さえたフラムは、マクトミネイにアプローチしていると伝えられています。1700万ポンドのオープニングオファーは拒否されましたが、パリのウガルテの獲得資金がほしいクラブは、次の提示で折れるでしょう。

一方、積極的に動き続けているハマーズは、リーズの快足ドリブラー、サマーヴィルがクラブ間合意に到達。メディカルで問題がなければ、すんなり決まるはずです。注目のワン＝ビサカは、「スカイスポーツ」のダルメシュ・シェス記者が「1500万ポンド程度で妥結する見通し」と伝えています。目下の問題はサラリーで、両者が呑めるラインが見つかるかどうかです。

サマーヴィルは決まりと伝えたファブリツィオ・ロマーノさんは、「ウェストハムとドルトムントは、ニクラス・フュルクルグ獲得に向けて新たな協議の予定。フュルクルクは、ウェストハムへの移籍を熱望。契約はクラブ次第 」と、ハマーズの最新の動向を配信しています。31歳のストライカーは、ヴィラのジョン・デュランを獲れなかったときの保険でしょうか。

昨季公式戦で46試合16ゴールという数字を残し、ユーロ2024のドイツ代表で2ゴールのフェルクルクは、計算できそうな選手ではあるものの、34歳になったマイケル・アントニオの後継者というコンセプトからは外れます。当面はベテランでつなぐか、将来性がある若手に投資するか。ハマーズのジャッジに注目です。

このほか、ロンドン関連では、「アーセナルのエンケティアがマルセイユ移籍に近づいている」「アトレティコ・マドリードとチェルシーがコナー・ギャラガーの移籍について、2900万ポンド～3400万ポンドで合意寸前。本人が決断すれば決まりそうだが、どうするスパーズ？」といったトピックスがあります。このあたりは、続報待ちですね。ああ、コナー・ギャラガー…！

プレミアリーグ開幕まで16日、デッドラインデーまで29日。シャディ・リアド、鎌田大地 、イスマイル・サールを獲得したクリスタル・パレスもさらに補強を進めるはずで、ルカクのナポリ移籍が決まれば、オシムヘンがスタンフォード・ブリッジに降臨する可能性が高まります。激動ロンドンのトランスファーマーケットは、これからも毎日、新たな話題を提供してくれそうです。