偏愛的プレミアリーグ見聞録

「コナー・ギャラガ―、ついにスペインか…」。金曜日の深夜、「スカイスポーツ」のトランスファーマーケットのライブブログを眺めていると、ロンドン発の新戦力獲得のニュースが続々と飛び込んできました。ニースのCBジャン・クレール＝トディボは、ウェストハムのメディカルチェックを受けるためにイーストロンドンに到着したと伝えられています。

水曜日には、ジャンルカ・ディ・マルツィオとファブリツィオ・ロマーノの両氏が「ユヴェントスと合意寸前」「トディボはユーヴェ以外はないといっている」とレポート。ハマーズはノーチャンスと見られていました。しかし木曜日、ティム・シュタイテンSDが急遽フランスへ。3400万ポンドのオファーに、イタリアの名門は対抗できなかったようです。

ロンドンからやってきたディレクターに説得されたトディボは気持ちを入れ替え、即座にロンドン行きを決断。夏の初めに、2700万ポンドの買取オプション付きのローンでニースと合意していたクラブは、ユーヴェに奪われかけながらも、最後にハイジャックに成功しました。700万ポンドを積み増した今回の提示も、1年後に完全移籍にスイッチできるローンです。

リーズの快足ウインガー、クリセンシオ・サマーヴィルを2500万ポンドとアドオンで獲得したのは8月3日。その2日後にドルトムントのベテランストライカー、ニクラス・フュルクルクを2750万ポンドで押さえると、6日にはレアル・ベティスのMFギド・ロドリゲスをフリーエージェントで引き入れています。

1週間で4人のディールを続々と決めたシュタイテンSDは、クル・ズマをアル・アハリに送り出す手続きも進めています。オグボンナとズマの後継者として、マックス・キルマンとトディボなら大満足でしょう。マイケル・アントニオに依存していた最前線にフュルクルクが加わり、リヨンに移籍したベンラーマの後釜はサマーヴィル。次なるチャレンジは、右のフルバックです。

インテルとの一騎打ちと化したワン＝ビサカも、必死の交渉が続いていると報じられています。ミランのターゲットだったフュルクルクを獲り、トディボをユーヴェから引き剥がしたプレミアリーグ9位のクラブは、セリエAのTOP3に全勝でマーケットを終えるのでしょうか。SB獲得に成功すれば、8人に総額1億5000万ポンド超え。本気でCL出場権をめざしているとしか思えません。

トディボのニュースでテンションが上がったところに、トッテナムがドミニク・ソランケ獲得でボーンマスと合意という速報が入ってきました。移籍金は5500万ポンドで、アドオンが1000万ポンド。「スカイスポーツ」のマイケル・ブリッジ記者と、「アスレティック」のデイヴィッド・オーンスタイン記者は、「週末にメディカルチェック」と伝えています。

昨季プレミアリーグで38試合19ゴール3アシストのストライカーは、アンジェ・ポステコグルー監督にとって「セルティック時代の古橋亨梧」。前線でプレスの先陣となり、CBを背負ってパスを引き出せる9番は理想のタイプでしょう。サウジプロリーグ参入を否定したリシャルリソンは、ガチンコのポジション争いを覚悟しているようです。

ソランケのクラブ間合意とほぼ同時に、チェルシーの最新ニュースが舞い込んできました。アトレティコ・マドリードから3450万ポンドでサム・オモロディオンを獲得し、ボカ・ジュニアーズのDFアーロン・アンセルミーノを1560万ポンドで押さえたばかりで、何とペドロ・ネト！ウルヴスのウインガーは、移籍金5140万ポンドとアドオン260万ポンドという高額のディールです。

8000万ポンドを超えるオシムヘンとギョケレスにいかず、一時はニコ・ウィリアムズのバイアウトの5000万ポンドも嫌ったといわれていたのですが…。カラフィオーリ、フリアン・アルバレスと並ぶこの夏の3大サプライズ。ソランケで上がり切っていたテンションはクエスチョンに変わりました。ペドロ・ネトについては、次の稿でもう少し掘り下げてみたいと思います。

「スカイスポーツ」の記者たちが「What a day」とつぶやいた週末のロンドンの喧騒を紹介しました。スパーズのエメルソン・ロイヤルは1200万ポンドでミランに移籍し、フラムはヴィラのCBジエゴ・カルロスを獲るべく交渉中。クリスタル・パレスは、マーク・グエイに対するニューカッスルの5000万ポンドを拒否したそうです。プレミアリーグ開幕まで1週間。3強の動向にも注目です。