偏愛的プレミアリーグ見聞録

「マンチェスター・シティは、ウインガーのポジションの選択肢のひとつとして、セルティックの古橋亨梧の獲得を検討している。最初の交渉は今週行われた。ヒュー・マレーとサム・リーが報じている。シティはイルカイ・ギュンドアンの獲得交渉が最優先で、その後ウイングを決めたいようだ」（ファブリツィオ・ロマーノ）

「シティは、8200万ポンドでアトレティコ・マドリードに移籍したフリアン・アルバレスの後釜として、エティハドでチームの役割を引き受ける覚悟のある選手を狙っている。彼らは既に、29歳の古橋と、もうひとりの若手FWに絞り込んだ。日本代表FWは、シティへの移籍を望んでいると考えられており、最終的に選ばれた際の個人条件は問題ないだろう」（サム・リー/アスレティック）

プレミアリーグ制覇を果たしたクラブにいた日本人といえば、岡崎慎司、香川真司、南野拓実ですが、前シーズンのプレミアリーグ王者から声がかかった即戦力は未だゼロです。香川のマンチェスター・ユナイテッドと、南野を獲ったリヴァプールはいずれも2位で、岡崎のレスターは奇跡的な巻き返しで降格を逃れたチーム。稲本潤一と板倉滉は、リーグでプレイせずに退団しています。

古橋亨梧がマン・シティに移籍するとなれば、否応なくテンションが上がります。ヴェンゲル、ファーガソン、クロップが、わが国のトップクラスを獲得しようとしていると報じられたとき、誇らしい気持ちになったのを思い出します。今回は何と、ペップ・グアルディオラ！世界一の指揮官が君臨するクラブからの誘いと聞くと、ファーガソンを凌駕する恍惚感を覚えます。

さらにもうひとつ、どうしてもワクワク感を抑えられない理由があります。ニュースソースが、トランスファーマーケットのスペシャリストと、必ずネタの裏を取るといわれている「アスレティック」であるということ。久保建英のリヴァプール移籍をバッサリ否定したファブリツィオ・ロマーノが「検討中」と明言している話は、よくあるゴシップの類ではないはずです。

2021年7月にヴィッセル神戸からセルティックに移籍した古橋亨梧は、デビュー2戦めのダンディとのホームゲームでいきなりハットトリックを達成。初年度から公式戦33試合20ゴール5アシストという結果を残すと、続く2022-23シーズンのスコティッシュプレミアシップで36試合27ゴール3アシストとブレイクし、得点王に輝きました。

昨シーズンは、公式戦50試合19ゴール5アシストとややおとなしくなったものの、スコットランドの3シーズンで133試合75ゴール15アシストは出色のスタッツです。キックの精度はフリアン・アルバレスが上ですが、タイミングよくゴール前に飛び出して決めるワンタッチゴールは、アグエロが大好きだったシティズンを熱狂させるのではないでしょうか。

いや、すみません。テンションが上がりすぎて、既に入団が決まったかのように書いてしまいました。プレミアリーグチャンピオンは、ギュンドアンの復帰に集中しており、今週末以降にアタッカ―獲得にシフトする見通しです。「アスレティック」のサム・リー記者は、とある若手もターゲットといっており、現時点ではディールが成立する可能性は高いとはいえません。

とはいえ、ピッチサイドでペップの指示を受ける姿や、デブライネの高速グラウンダーをニアで押し込むシーンを想像すると眠れなくなりそうです。ポステコグルー監督が狙っていると報じられたときも前のめりになったのですが、5連覇をめざす絶対王者から正式なオファーという見出しを目にしたら、それだけでも絶叫してしまうでしょう。どうなるか、見てみましょう！