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マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

スターリングとサンチョがローン移籍!「BBC」のトランスファーデッドラインLIVEレポート!【後編】

スコット・マクトミネイのナポリ行きが発表されたのは20時過ぎ。プレミアリーグの夏のトランスファーマーケットは、3時間後にシャッターが下ろされます。【前編】に引き続き、「BBC」の「トランスファーデッドラインデーLIVE」をチェックし、各クラブの補強と注目選手の去就をレポートしていきます。

リヴァプールのナット・フィリップスがダービー・カウンティにローン移籍と報じられたのは、20時30分。27歳になったCBは、レンタル先のクラブで96試合に出場しているのに対して、リヴァプールでは29試合に留まっています。「リアム・ギャラガーの娘の彼氏」と話題になったCBは、来年の今頃は、腰を落ち着けて戦えるクラブに出会えているでしょうか。

21時になり、いよいよ残り2時間。ローマのタミー・アブラハムがACミランにレンタルというニュースが話題になっています。おお、ボーンマスのGKネトのアーセナル入団が正式に決まったようです。35歳のベテランGKは、「子どもの頃から憧れていたクラブ。サポーターのみなさんに、自分もファンのひとりだと伝えたい。人生の夢が叶った。とても幸せ」と熱く語っています。

21時30分、パリ・サンジェルマンのMFマヌエル・ウガルテが、マンチェスター・ユナイテッドに入団決定!移籍金4200万ポンド、アドオン850万ポンド、セルオン条項10%は、クラブ間合意と伝えられてから変わっていません。満面の笑顔で5年契約にサインした23歳のMFは、昨季プレミアリーグで58失点を喫した守備を落ち着かせてくれるでしょうか。

「こんなに大きなクラブ、世界中で称賛されているクラブに加われるなんて、信じられない。指導者たちと話し合ったプロジェクトは、とてもエキサイティングだった。マンチェスター・ユナイテッドは野心的なクラブで、自分もそうだ。 サポーターの情熱はとても大事。ユナイテッドのファンの素晴らしさは知っている。オールド・トラフォードを体験できるのを待ちきれない」(マヌエル・ウガルテ/マンチェスター・ユナイテッド公式サイトより)

22時になる直前に、ニューカッスルを退団してフリーになっていたライアン・フレイザーが、サウサンプトンと2年契約を締結。昨シーズンは、ローンでセインツに加わって公式戦44試合8ゴール3アシストという数字を残しており、チームにフィットするための時間は不要です。残り1時間。サイモン・ストーン記者が、「サンチョ移籍の可能性が高まっている」と配信しています。

22時6分、ナポリとの交渉を再開していたブライトンが、ビリー・ギルモアを売却しました。移籍金は1200万ポンド、アドオンが400万ポンド。カイセドに1億ポンドを超えるタグを付けたクラブにしては良心的なお値段ですが、既にマッツ・ヴィーファーとマット・オライリーを押さえており、プランに沿ったスカッドにしたかったのでしょう。

22時30分には、ウルブスがフルミネンセのブラジル人MFアンドレをゲット。23歳ながら、公式戦197試合出場のセントラルMFは、1年前にリヴァプールのオファーを断っており、この夏もフラムが破談になっています。ポルトガル人とブラジル人を足すと11人のクラブなら、コミュニケーションはスムーズでしょう。移籍金2100万ポンドは、数年後に爆上がりするかもしれません。

そしてついに、エディ・エンケティアのクリスタル・パレス移籍が決まりました。締切り15分前に報じられたディールは、5年契約で移籍金総額3000万ポンド。最初に2500万ポンドが支払われ、条件を満たせば500万ポンドが追加されます。子どもの頃、サウスロンドンのヒリーフィルダーズでプレイしていた25歳のストライカーは、「家に帰ってこられてうれしい」といっています。

念願の9番を獲得したクリスタル・パレスは、チェルシーで戦力外となったトレヴォ・チャロバーも押さえるようで、「グエイ、チャロバー、ラクロワを並べる3バックの可能性がある」という声が挙がっています。23時の最新情報は、ロ・チェルソがレアル・ベティスに総額840万ポンドで完全移籍、ウォード=プラウズがフォレストにローン移籍。これにてマーケットは終了です。

ウェストハムが追いかけていたパリのMFカルロス・ソレルのレンタルと、エヴァートンが買い取りオプション付きのローンで契約したアルマンド・ブロヤも間に合ったようです。ここからは、締め切り前に書類を通過させた件のみが対象となり、2時間後の深夜1時までにすべてを完了させればセーフです。プレミアリーグは「提出は9件」といっています。

サイモン・ストーン記者が「サンチョの書類が届いた」といっているということは、チェルシーは諦めていないのか。「アーセナルのトレーニング施設にいる」と報じられたスターリングは、どうなるのでしょうか。エンケティアを獲ったクリスタル・パレスが、オドソンヌ・エドゥアールをレスターに貸し出したと報じられたとき、既に日付が変わっていました。

ハマーズのマクスウェル・コルネはセインツへ。「アヤックスのウィンガー、カルロス・ボルジェスがウルヴス」「フォレストのGKマット・ターナーがクリスタル・パレス」という2つの「DONE DEAL」もローンです。0時48分、イヴァン・トニーが4000万ポンドでアル・アハリに入団決定!ブレントフォードで141試合72ゴールのストライカーは、納得しているのでしょうか?

アーセナル、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッドのターゲットといわれていたイヴァン・トニーの行き先が決まらなかったのは、1億ポンドという高額のタグが嫌われたからでしょう。4000万まで下げてもOKなら、強気すぎたクラブのミスといわざるをえません。本人は、複数の選択肢から最適なクラブを選びたかったはずです。

駆け込みセーフをめざすディールは、残り5件。スターリング、サンチョ、トレヴォ・チャロバー…なるほど、アルマンド・ブロヤは完了となっていなかったようです。1時20分過ぎ、アーセナルが連発!リース・ネルソンはフラムに貸し出され、チェルシーからスターリングというサプライズが実現しました。イオビ、スミス・ロウ、レノ、ネルソン。フラムのガナーズコレクションはなかなかの充実度です。

「BBC」の記者たちは、アーセナルのスターリング獲得については賛否両論。素晴らしい契約という称賛の声と、タイトル獲得に影響を及ぼすのかという疑問が入り混じっています。マン・シティでアルテタ監督とともに戦ったアタッカーは、彼が何を望み、何をしてはいけないかはわかっているでしょう。最大の懸念は、次のゴールシーンでも見せるであろうトロサールの能面のような表情です。

「信じられない気分。とてもエキサイティングだ。時間がかかってしまったけど、これこそが望んでいたことだ。すべてを見た瞬間、今の自分にとってパーフェクトだと思った。エドゥと話した。真の一体感がある。少年たちが歩いてきた道が見える。ハングリー精神が伝わってくる。何度でもいいたい。この一体感を探し求めていた」(ラヒム・スターリング)

サカ、スターリング、カイ・ハヴェルツ、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリ、トロサールでプレミアリーグとチャンピオンズリーグの頂点をめざすとなれば、ターンオーバーがよりスムーズになり、サカに休息の日を与えられるでしょう。直後にアルマンド・ブロヤのエヴァートン入りが決定。「BBC」の精鋭たちは、サンチョの発表を待っています

現地時間2時28分、マンチェスター・ユナイテッドの希望通り、最後の契約は買取義務付きのローンです。ジェイドン・サンチョはチェルシーへ!この一報が配信されるや否や、「ありがとう、さようなら。これでトランスファーデッドラインデーの報道は終了です。素晴らしい一日でした」というメッセージが表示され、特設のタイムラインは幕を閉じました

雑というか大らかというべきか、きちんと伏線を回収しないイギリス人に対して、各論大好きな日本人としては、ツッコミを入れざるをえないのであります。「トレヴォ・チャロバーはどうなった!」と。「予定通り成立したと見られる」と書いて終わらせたニザール・キンサラ記者は、既にパソコンを切ってエールを煽っているのでしょう。もう1度、いいます。トレヴォ・チャロバーは…!

かくいう私も、「みなさんに早く情報をお届けするべきですよね」とつぶやき、最後のひとりを置き去りにして、この稿を締めようとしております。あれだけの人数をさばいたチェルシーの恐ろしさ、カラフィオーリ&ミケル・メリノをじっくり決めたクラブとは思えないアーセナルのスピード、5人の出入りを成立させたクリスタル・パレスの大立ち回りに心が震えた1日でした。

チルウェルは残留、オシムヘンは9月2日までマーケットが開いているサウジでしょう。以上、2回にわたってお届けした「トランスファーデッドラインデーLIVEレポート」は終了です。最後に、ひとつだけ。つい先ほど、ファブリツィオ・ロマーノさんが、「トレヴォ・チャロバーは時間内にコンプリート」とポストしています。ありがとうございます。これでゆっくり眠れそうです。


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“スターリングとサンチョがローン移籍!「BBC」のトランスファーデッドラインLIVEレポート!【後編】” への1件のコメント

  1. アイク より:

    デッドラインデーLIVE、いつも手に汗握りながら楽しませていただいています。
    ユナイテッドの躍進が楽しみになる移籍市場でした。
    スターリングはBIG6を制覇する勢いですね(次あたりユナイテッドもいかがでしょうか?) 。CLとニアミスしてきたキャリアを今度こそ断ち切れるのか、応援し続けます。
    レッズは…結局獲りませんでしたね… 薄いスカッドを見ると過去の負傷者トラブルを思い出します。どんどん強くなるライバル達と伍していけるのか。新しいボスに注目ですね。

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