偏愛的プレミアリーグ見聞録

「われわれはブカヨ・サカとガブリエル・ジェズスという非常に重要な選手を失った。ゴールも人材も、前線のオプションも足りなくなっている。理想的には、彼らがいない間に何らかのヘルプが必要だ。ただでさえ人手不足なのに、さらに減ってしまったのだから。チームはこれまで、何とか対処してきたけど、クラブにとって適切であらねばならない」

ウルヴス戦を控えたプレスカンファレンスで、「スカイスポーツ」のジェイミー・ウィア記者にストライカー獲得について問われたアルテタ監督は、新たな人材を探していると認めました。「特定のターゲットはいるのか」という質問には、「イエス」。現地メディアは争うように、アーセナルの最新の獲得候補を挙げています。

1億5000万ポンドともいわれるアレクサンデル・イサクの可能性は限りなくゼロに近く、ヴィクトル・ギョケレスの優先順位は高くないようです。「スカイスポーツ」と「フットボールロンドン」が本命視しているのは、ライプツィヒのベンヤミン・シェシュコとウォルバーハンプトンのマテウス・クーニャ。両者ともに、直近の実績は申し分なしです。

ライプツィヒのエースは、今季公式戦で26試合14ゴール3アシスト。ブンデスリーガでは5試合連続ゴールで、敗退が決まったチャンピオンズリーグでも4ゴールを決めています。ウルヴスの10番は、22試合10ゴール4アシスト。最前線に加えて、左右のウイングとトップ下もこなすユーティリティーも魅力です。ただし彼らの獲得も、イサクに負けず劣らずハードルは高そうです。

ライプツィヒのマルコ・ローゼ監督は、「シェシュコが1月にクラブを離れるのは許されないこと」と主張しています。夏のマーケットでも、アーセナルのターゲットといわれていた21歳のスロベニア代表FWは、残留を決断した際に2029年まで契約を延長。7000万ポンドといわれる移籍金は、スビメンディのために5000万ポンドを用意と報じられたクラブにとって厳しい条件です。

ウルヴスのヴィトール・ペレイラ監督も、「マテウス・クーニャは売り物ではない」といっています。「彼はわれわれのために力を発揮し、われわれは彼の要望のために尽力している。クラブを去りたいといわれたことは一度もない」。こちらも7000万ポンドという報道がありますが、契約延長の話がこじれており、ドイツのクラブより付け入る隙があるといわれています。

本命はマテウス・クーニャか。高額の移籍金は、指揮官がいう「クラブにとって適切」に当てはまるのか。「シェシュコとギョケレスは、財政を考えると可能性は低い」という「フットボールロンドン」のキーラン・ホーン記者は、第3の選択肢についてレポートしています。レヴァークーゼンのヴィクター・ボニフェイスは、4230万ポンドで獲得できるようです。

ドイツの「スカイスポーツ」が、24歳のナイジェリア代表に複数のクラブが興味を示していると伝えています。今季公式戦で15試合8ゴール1アシストのストライカーは、フィジカル、空中戦、スピードが強みで、プレミアリーグにもすぐにフィットしそうです。昨季ブンデスリーガでは14ゴール9アシスト。味方に決めさせるプレイも、魅力のひとつといえるでしょう。

ミハイロ・ムドリクをチェルシーにハイジャックされた2年前、2700万ポンドで獲得したレアンドロ・トロサールは100試合23ゴール17アシストで、ブライトンに支払った移籍金はバーゲン価格でした。デクラン・ライスのような目いっぱいの投資で本命を獲るのか、次なるトロサールを発掘するのか。国内調達なら、ブレントフォードの2人も大いに気になるのですが…。