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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マン・ユナイテッドにはメリットあり!「ガルナチョとエンクンクを相互に売却」は実現するのか?

パトリック・ドルグを獲得したいマンチェスター・ユナイテッドが、レッチェに提示したオファーは2530万ポンド。セリエAのクラブは3360万ポンドを要求しており、ギャップを埋めるための交渉が続いています。アントニーのレアル・ベティスへのローン移籍は、「スペインのクラブがサラリーの84%を負担。買取オプションはなし」という条件で決まりそうです。

プレミアリーグのPSR違反のリスクを認めたマンチェスター・ユナイテッドは、キャッシュフローが危機的な状況になっており、新戦力を獲得するためには余剰戦力の売却が必要です。トランスファーマーケットにおける目下の話題はアレハンドロ・ガルナチョの去就で、ナポリとチェルシーが獲得をめざしていると伝えられています。

マンチェスター・ユナイテッドで交渉を担当するディレクターのマット・ハーグリーヴス氏は、パトリック・ドルグの件でミランに足を運んだ際に、ナポリとも会談の場を設けています。セリエAの首位チームのオファーは4650万ポンド。当初は6000万ポンドを要求していたマン・ユナイテッドは、ボトムラインを5500万ポンドに減額したと報じられました。売るんかい!

「マンチェスター・ユナイテッドを離れるつもりはない」と語っていた20歳の成長株の放出は、健全経営のクラブなら「ありえない」のひとことで終わりです。しかし深刻な財政危機に陥っているクラブは、売却した額がそのまま利益になる話を無視できないのでしょう。イタリアとの交渉を注視していたチェルシーは、既に水面下でアプローチしている可能性があります。

というのは、マンデーナイトの開催となったスタンフォード・ブリッジのウルヴス戦に、ガルナチョの代理人を務めるカルロス・カンベイロとキケ・デ・ルーカスの両氏が顔を見せていたからです。ドーピング検査で陽性となったムドリクが長期のペナルティとなれば、チェルシーのサイドのスペシャリストはノニ・マドゥエケ、サンチョ、ペドロ・ネトの3枚となります。

4‐2‐3‐1のチームは、サイドにもう1枚足したいのでしょう。5500万ポンドなら、デューズバリー=ホールやチュクエメカ、チェーザレ・カサデイの売却で用意できるレベルです。本人の立場で、ナポリ、ロンドン、残留の三択をフラットに見ると、かつて同郷のマラドーナがキングとして君臨したセリエA首位の強豪が魅力的に映ります。

最大のポイントは、アントニオ・コンテ監督が獲得を熱望していることでしょう。マンチェスター・ユナイテッドより競争環境が厳しいチェルシーはリスキーです。いや、そもそもクラブ愛が強い生え抜きの逸材は、移籍を希望しているわけではありません。しかしこの話は、本人の意向をないがしろにして進んでしまう可能性が高まっているようです。

トランスファーマーケットの動向に詳しい「スカイスポーツ」の2トップ、カヴェ・ソルヘコル記者とメリッサ・レディ記者が「マン・ユナイテッドは、クリストファー・エンクンクをターゲットとしている」と伝えています。7000万ポンドのエンクンクと5500万ポンドのガルナチョを相互に売り合うというプランは、PSR違反を回避したいクラブにとって大きなメリットがあります。

今季プレミアリーグの先発はわずか3試合で、18試合2ゴール1アシストに留まっているエンクンクは、ヨーロッパカンファレンスリーグと国内カップでは10試合11ゴール3アシストと真価を発揮しています。得点力に加えて、ルーベン・アモリムの3‐4‐2‐1へのフィット感もガルナチョより上でしょう。最前線にホイルンド、その後ろにエンクンクとブルーノという布陣は迫力充分です。

エンクンクとの契約が4年半なら、移籍金の減価償却は年間1500万ポンド程度で、ガルナチョの5500万ポンドは今期の利益として組み込むことができます。チームの強化と利益創出を同時に実現できるとなれば、必死のリストラを続けるサー・ジム・ラトクリフと経営ボードは抗えないのではないでしょうか。

出場機会を増やしたいエンクンクが、アモリムによる巻き返しを野心あるプロジェクトと評価し、ウイングというポジションがないクラブで戦うガルナチョが「マレスカのチームのほうが自分を活かせる」と判断すれば、話は一気に進むかもしれません。ガルナチョを手離すという話が聞こえてきたときは、「10番の売却が先だろう」と憤っていたのですが…。

エンクンク、好きなんですよね。「BBC」「アスレティック」が触っていないこの話は「スカイスポーツ」の暴走かもしれず、チェルシーの補強について取材を続けている「テレグラフ」のマット・ロー記者は、「GKの強化を優先すべき」といっています。ロンドンは動くのか、マンチェスターは受けるのか。続報があるまでは、出来のいいゴシップとして脇に置いておきましょう。


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