2025.02.06 移籍ニュース2024-25移籍ニュース
開幕から6ヵ月、未だレギュラーはゼロ。チェルシーの2024年夏の投資は失敗だったのか?
マンチェスター・シティとアストン・ヴィラが大型補強を敢行する一方で、リヴァプールとアーセナルは沈黙。「動」と「静」のコントラストが鮮やかな冬のトランスファーマーケットで、チェルシーも穏やかな1ヵ月となりました。唯一のサインは、サンテティエンヌのマティス・アムグ。1250万ポンドの移籍金は、明らかに将来を見据えた先行投資です。
今期のリーグアンで17試合出場、先発9試合。19歳のMFは8年半の長期契約で、来季はストラスブールに貸し出されるそうです。完全移籍の売却もひとりで、トリノから1250万ポンドを得たチェーザレ・カサディのみ。冬のアクションの大半は人員整理で、アンセルミーノ、スロニナ、トレヴォ・チャロバー、ダヴィド・ダトロ・フォファナはロンドンに戻ってきています。
ローン移籍でチームを離れたのは、ジョアン・フェリックス、レナト・ヴェイガ、チュクエメカ、チルウェル、ディサシ。このうちの何人かは、シーズンが終われば買い取られるでしょう。出場機会を求めて、出ていくといわれていたデューズバリー=ホールは残留。夏のマーケットでも話題になっていたストライカーの強化は、見送りとなりました。
静かな冬を過ごせたのは、エンツォ・マレスカ監督のチーム作りが順調だからでしょう。プレミアリーグは12勝7分5敗で4位。ヨーロッパカンファレンスリーグのリーグフェーズは6連勝で、トロフィーの大本命です。ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー、カイセド、エンソ・フェルナンデス、コルウィルでセンターの軸が定まり、攻守ともに格段に向上しています。
とはいえ、スカッドを眺めていると、気になることがひとつあります。2億ポンドを投じた2024年の夏の新戦力で、レギュラーといえる選手はひとりもいません。ヨルゲンセンは第2GKで、デューズバリー=ホールはプレミアリーグの先発が1試合のみ。オマル・ケリーマンとマルク・ギウは成長途上で、ジェイドン・サンチョとペドロ・ネトは期待通りとはいえません。
ただし見方を変えると、昨夏の投資は悪くなかったともいえます。現在の主力の多くは2023年に獲得した選手で、最初から絶大な評価を得ていたのはコール・パルマーだけです。カイセドとノニ・マドゥエケは、2年めを迎えてフィット感を高めており、ニコラス・ジャクソンとエンソ・フェルナンデスも結果を出しているといっていいでしょう。
思うように出番を得られずストレスを溜めているエンクンクは、プレミアリーグでは20試合2ゴールですが、欧州と国内カップでは10戦11発と猛威を振るっています。入団から1年半でプレミアリーグの先発が9試合のラヴィアは心配ですが、21歳の若手に白黒を付けるのを急ぐ必要はありません。高額の移籍金の回収に悩まされそうなのは、将来不透明のムドリクぐらいです。
2024年に加わったニューフェイスのなかにも、来季からパフォーマンスが向上する選手がいるはずです。投資対効果を評価するのは、2026年になってからでいいでしょう。経済的な観点でも、彼らの運用は合理的です。長期契約、基本給の抑制、ローン移籍の際のサラリーは相手が全額支払いという考え方を徹底し、高額の移籍金のリスクを軽減しています。
大量の投資のなかには、ギャンブルもあります。最たる例は、ミランに貸し出すことになったジョアン・フェリックスです。最初の入団はアトレティコ・マドリードからのローン移籍で、レンタルフィーは900万ポンド。2024年夏には完全移籍で4450万ポンドを支払っています。今季の公式戦で20戦7ゴールはまずまずですが、プレミアリーグは12戦1ゴールと微妙なスタッツです。
「わずか半年でミラン?」という声もありますが、今回のローンはサラリーを支払ってもらったうえに、450万ポンドのレンタルフィーで期間中の移籍金の減価償却費を相殺しています。イタリアで進化を発揮し、来季のチェルシーで重要な役割を担うという道は残されており、2年で売却やむなしとなっても、3000万ポンドなら初期投資を回収できる計算です。
買取義務付きのローンとなっているジェイドン・サンチョは、最大2500万ポンドの出費で、安いお買い物となる可能性が高そうです。レナト・ヴェイガはユーヴェ移籍となれば黒字になる見通しで、5100万ポンドのペドロ・ネトと3000万ポンドのデューズバリー=ホールが投げ売りにならなければ、収支は問題ないでしょう。
トッド・ベイリーとクリアレイク・キャピタルの買収当初は、乱暴に見えたチェルシーの投資は、チームの強化と経済的なメリットをダブルで取れるモデルになりつつあります。その大前提は、「指揮官がスカッドを活かしきること」。マレスカ監督は、クラブの収益という観点でも功労者になるかもしれません。CL出場権と欧州制覇をめざす後半戦の戦い方に注目しましょう。
今期のリーグアンで17試合出場、先発9試合。19歳のMFは8年半の長期契約で、来季はストラスブールに貸し出されるそうです。完全移籍の売却もひとりで、トリノから1250万ポンドを得たチェーザレ・カサディのみ。冬のアクションの大半は人員整理で、アンセルミーノ、スロニナ、トレヴォ・チャロバー、ダヴィド・ダトロ・フォファナはロンドンに戻ってきています。
ローン移籍でチームを離れたのは、ジョアン・フェリックス、レナト・ヴェイガ、チュクエメカ、チルウェル、ディサシ。このうちの何人かは、シーズンが終われば買い取られるでしょう。出場機会を求めて、出ていくといわれていたデューズバリー=ホールは残留。夏のマーケットでも話題になっていたストライカーの強化は、見送りとなりました。
静かな冬を過ごせたのは、エンツォ・マレスカ監督のチーム作りが順調だからでしょう。プレミアリーグは12勝7分5敗で4位。ヨーロッパカンファレンスリーグのリーグフェーズは6連勝で、トロフィーの大本命です。ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー、カイセド、エンソ・フェルナンデス、コルウィルでセンターの軸が定まり、攻守ともに格段に向上しています。
とはいえ、スカッドを眺めていると、気になることがひとつあります。2億ポンドを投じた2024年の夏の新戦力で、レギュラーといえる選手はひとりもいません。ヨルゲンセンは第2GKで、デューズバリー=ホールはプレミアリーグの先発が1試合のみ。オマル・ケリーマンとマルク・ギウは成長途上で、ジェイドン・サンチョとペドロ・ネトは期待通りとはいえません。
ただし見方を変えると、昨夏の投資は悪くなかったともいえます。現在の主力の多くは2023年に獲得した選手で、最初から絶大な評価を得ていたのはコール・パルマーだけです。カイセドとノニ・マドゥエケは、2年めを迎えてフィット感を高めており、ニコラス・ジャクソンとエンソ・フェルナンデスも結果を出しているといっていいでしょう。
思うように出番を得られずストレスを溜めているエンクンクは、プレミアリーグでは20試合2ゴールですが、欧州と国内カップでは10戦11発と猛威を振るっています。入団から1年半でプレミアリーグの先発が9試合のラヴィアは心配ですが、21歳の若手に白黒を付けるのを急ぐ必要はありません。高額の移籍金の回収に悩まされそうなのは、将来不透明のムドリクぐらいです。
2024年に加わったニューフェイスのなかにも、来季からパフォーマンスが向上する選手がいるはずです。投資対効果を評価するのは、2026年になってからでいいでしょう。経済的な観点でも、彼らの運用は合理的です。長期契約、基本給の抑制、ローン移籍の際のサラリーは相手が全額支払いという考え方を徹底し、高額の移籍金のリスクを軽減しています。
大量の投資のなかには、ギャンブルもあります。最たる例は、ミランに貸し出すことになったジョアン・フェリックスです。最初の入団はアトレティコ・マドリードからのローン移籍で、レンタルフィーは900万ポンド。2024年夏には完全移籍で4450万ポンドを支払っています。今季の公式戦で20戦7ゴールはまずまずですが、プレミアリーグは12戦1ゴールと微妙なスタッツです。
「わずか半年でミラン?」という声もありますが、今回のローンはサラリーを支払ってもらったうえに、450万ポンドのレンタルフィーで期間中の移籍金の減価償却費を相殺しています。イタリアで進化を発揮し、来季のチェルシーで重要な役割を担うという道は残されており、2年で売却やむなしとなっても、3000万ポンドなら初期投資を回収できる計算です。
買取義務付きのローンとなっているジェイドン・サンチョは、最大2500万ポンドの出費で、安いお買い物となる可能性が高そうです。レナト・ヴェイガはユーヴェ移籍となれば黒字になる見通しで、5100万ポンドのペドロ・ネトと3000万ポンドのデューズバリー=ホールが投げ売りにならなければ、収支は問題ないでしょう。
トッド・ベイリーとクリアレイク・キャピタルの買収当初は、乱暴に見えたチェルシーの投資は、チームの強化と経済的なメリットをダブルで取れるモデルになりつつあります。その大前提は、「指揮官がスカッドを活かしきること」。マレスカ監督は、クラブの収益という観点でも功労者になるかもしれません。CL出場権と欧州制覇をめざす後半戦の戦い方に注目しましょう。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す