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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

イサク、ジョナサン・デイヴィッド、ハリー・ケイン…最前線の強化を目論むリヴァプールの決断は?

チャンピオンズリーグとカラバオカップ決勝で敗れてから、アルネ・スロット監督に対する風当たりが強くなっているようです。一部のサポーターからの「クロップのレガシーのおかげ」「戦術に独自性が感じられない」といった声を聞くと、初年度の監督に対してオーダーが厳しすぎるのではないかとモヤモヤします。

サー・アレックス・ファーガソンの後を継いだデヴィッド・モイーズはELの出場権にも届かず、2年連続でCLを逃したアーセン・ヴェンゲルのチームを引き受けたウナイ・エメリは5位でフィニッシュ。ユルゲン・クロップの最初のシーズンは、ヨーロッパリーグとカラバオカップの決勝で敗れ、プレミアリーグは8位で終わっています。

ペップ・グアルディオラですら1年めは無冠で、CL出場権を確保するのが精一杯でした。クロップの後釜という危険な役割を引き受けたスロット監督は、前年は3位だったチームをトロフィーに導こうとしているのです。長期政権の後に苦しんだマンチェスター・ユナイテッドやアーセナルと同じルートを辿らなかっただけでも、称賛に値するのではないでしょうか。

次世代につながるチーム作りをしたうえで去っていった前任者、継続性を重視した指揮官選びを行った経営ボード、与えられたスカッドとこれまでのベース踏襲しながら、より安定的な戦い方をインストールした新監督と、関係者全員によって成し遂げたスムーズなバトンタッチでした。フェデリコ・キエーザのみの補強でリーグを制したら、快挙というべきでしょう。

むしろ今、気になるのは2年めです。ファン・ダイクの入団以降、ツィミカスとコナテしか目立った補強をしていない最終ラインは、アーノルドが退団となれば変革が必要となります。中盤のバックアッパーも、遠藤航とエリオットでは足りないのでしょう。最大の強化ポイントは9番で、サラー依存のフィニッシュを改善しようとしたスロット監督の試みは空転しています。

ダルウィン・ヌニェスは、2月以降の11試合で1ゴール。ジョッタは10試合ノーゴールです。「アスレティック」のアンディ・ジョーンズ記者とマーク・ケアリー記者がまとめた昨シーズンとのスタッツ比較を見ると、両者ともに90分あたりのパス本数と敵陣でのボールタッチ、シュートにつながるアクションが減っています

フェイエノールト時代にスロット監督の要求に応えていたストライカーは、ミランに移籍したサンティアゴ・ヒメネス。21歳だった2022年にオランダに渡ったメキシコ代表FWは、2シーズンで86試合49ゴールという素晴らしい数字を残しています。最前線にシーズン20ゴールを期待するなら、新戦力を加えたほうがよさそうです。

「アスレティック」の記者たちは、ヒメネスと同じような活躍が期待できるフィニッシャーとして、5人の候補を挙げています。ニューカッスルのアレクサンデル・イサク、ライプツィヒのベンヤミン・シェシュコ&ロイス・オペンダ、アトレティコ・マドリードのフリアン・アルバレス、リールのジョナサン・デイヴィッドは、いずれも移籍の可能性があるといわれている面々です。

ウルヴスのマテウス・クーニャは、ルイス・ディアスが退団した際の後釜候補でしょう。イサクは1億5000万ポンドといわれる高額の額籍金がネックで、DFとMFも補強するなら優先順位を下げざるを得なくなりそうです。フリアン・アルバレスは、アトレティコ・マドリードでゼネラルディレクターを務めるカルロス・ブセロが完全否定で、可能性はゼロに近いといえるでしょう。

現実的な候補は、移籍金ゼロで獲れるジョナサン・デイヴィッドと、5800万ポンド以上なら交渉可能なシェシュコです。シェシュコの移籍を容認といわれているライプツィヒは、オペンタは守ろうとするでしょう。ダルウィン・ヌニェスと同じ香りが漂うシェシュコより、両足を同じように使えるジョナサン・デイヴィッドのほうが、スロットが求めるタイプに近そうです。

そしてもうひとり、いずれはプレミアリーグに戻るといわれるハリー・ケインも、可能性は充分あるようです。「トッテナムが買い戻しを検討しているが、争奪戦をリードしているのはリヴァプール」と報じたのは「ミラー」。アラン・シアラーのプレミアリーグ260ゴールまで残り47発のストライカーに衰える気配はなく、バイアウト条項の6700万ポンドは問題にならないでしょう。

「バイエルンで幸せ」といっているイングランド代表のエースを口説くのか、フリーエージェントのカナダ代表をさらうのか。あるいはイサクというサプライズはあるのか。マイケル・エドワーズCEOとリチャード・ヒューズSDが、選択を間違えるとは思えません。左右のSBを先に押さえるのでしょうか。続報を待ちましょう。


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