2025.06.01 移籍ニュース2025-26移籍ニュース
敏腕SDの電撃辞任で孤独な夏を迎えるエディ・ハウ。ニューカッスルは3人の即戦力を獲れるのか?

2人の出会いは2014年。サウサンプトンからマウリシオ・ポチェッティーノを招聘したダレン・イールズは、セインツでスカウティングの責任者を務めていたミッチェルの手腕にも注目していました。指揮官との連携を期待され、11月にノースロンドンにやってきたスカウト部長は、デル・アリ、ソン・フンミン、トリッピアー、アルデルヴァイレルトらをチームに引き入れています。
タインウェアのクラブで、10年ぶりの再会。ダレン・イールズはCEOとしてクラブを統括し、ポール・ミッチェルはエディ・ハウとともに選手獲得の手腕を振るうはずでした。しかし新たなプロジェクトは、早々に頓挫しました。当時のマグパイズはPSR違反を回避しなければならず、就任早々に期待の若手を売却したSDと強化を求めた指揮官は対立してしまったのです。
ヤンクバ・ミンテはブライトン、エリオット・アンダーソンはクリスタル・パレス。2人のGKとロイド・ケリー、オスラしか獲得できなかったミッチェルは、ストレスを溜めていたようです。ニューカッスルが3月に制したカラバオカップは、SDのキャリアで初のタイトルですが、喜びはなかったのでしょう。シーズンが終わると、ミッチェルは6月末に退任すると表明しました。
自らを評価してくれたダレン・イールズが血液のがんを患い、シーズン終了後に辞任するというアクシデントがなければ、関係を修復していた2人はタッグを組んでチーム強化を進めていたかもしれません。「エディ・ハウが選手獲得の最終決定権を担う」というのは、イールズも関わった取り決めだったのですが、後ろ盾を失おうとしているSDに重くのしかかっていたようです。
外から見ると、「エディ・ハウが権力闘争に勝利した」と映るでしょう。しかし実態は、着任した際のミッチェルの傲慢な態度が軋轢を生み、指揮官が頭を下げてリレーションを改善したそうです。「テレグラフ」のマイク・マグラス記者とルーク・エドワーズ記者は、「CEOを失ったSDが、情報とデータを駆使する自らのスタイルを貫けない環境に絶望した」と伝えています。
「ニューカッスル・ユナイテッドは、ピッチ内外で素晴らしいリーダーシップの下にあり、さらなる発展を遂げられる絶好のポジションにいる」。退任を表明したポール・ミッチェルの言葉です。夏のマーケットに向けて準備を進めていたSDは、候補者リストと優先順位、予算をすべて策定し、準備万端の状態を築き上げていました。
クリスタル・パレスのマーク・グエイ、ブレントフォードのブライアン・エンベウモ、バーンリーの守護神トラフォード。SDとともに働いていたスタッフによると、「あとはボタンを押すだけ」だそうです。11ヵ月の間、フィッツジェラルドやサリア、コルデロなど若手の補強しかできなかったSDは、1年前に獲り逃したマーク・グエイを置き土産にしようとしているようです。
ダン・アシュワースがマンチェスターに向かった後、共同オーナーのアマンダ・ステイブリーとメヘルダッド・ゴドゥッシもクラブを離れ、ダレン・イールズとポール・ミッチェルもいなくなります。7月のトレーニングの開始時にCEOもSDも不在のニューカッスルは、チャンピオンズリーグで戦えるチームを築き上げることができるのでしょうか。
ミッチェルとエディ・ハウは、彼らの共同作業を「コラボレーション」と呼んでいたそうです。突如、目前に現れた孤独な夏。ブルーノ・ギマランイス、イサク、ポープ、トナーリ、アンソニー・ゴードンの獲得に貢献し、彼らの残留にも尽力した指揮官は、頼れるパートナーなきまま、最も重要な5年めのバトルに赴くことになります。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す