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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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マン・シティが獲得確実といわれるウルヴスのアイ・ヌーリは、ペップとうまくやっていけるのか?

プレミアリーグ2024-25シーズンをTOP10で終えたブレントフォードは、チェルシーやスパーズを上回るリーグ4位の66ゴールを決めています。しかし今、20ゴールのエンベウモと19ゴールのウィサがビッグクラブに引き抜かれるといわれており、彼らの数字を除くと27ゴール。最下位サウサンプトンより、ひとつ多いだけとなってしまいます。

ウルヴスも似たような状況で、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したマテウス・クーニャが15ゴールで、アイ・ヌーリは4ゴール。攻撃の主軸だった2人が去れば、トータル35ゴールは19位のイプスウィッチに及びません。「安く仕入れて高く売る」中小クラブの宿命ですが、両者ともに新たなアタッカーを獲得しなければなりません。もちろん、できるだけお金をかけずに。

さりげなくアイ・ヌーリを入れてしまいましたが、どうやら彼はペップのチームと相思相愛のようです。ファブリツィオ・ロマーノさんは、「左SBは既にマンチェスター・シティにイエスと伝えたようだ。間もなくウルブズとの具体的な交渉が始まると予想されており、リストのトップに名前がある」とポストしています。

「アスレティック」のデヴィッド・オーンスタイン記者も、「マンチェスター・シティは、ウルヴスからラヤン・アイ・ヌーリを獲得しようとしている。これから両クラブと選手が合意に達する必要があるが、既に関係者全員が移籍は実現すると見ている」と報じています。記事に具体的な条件が添えられていないのに「当確」なのは、ハードルが見当たらないからでしょう。

2020年10月、アンジェからウェスト・ミッドランズのクラブにローン移籍したときは19歳。プレミアリーグで21試合に出場したSBは、980万ポンドの買い取りオプションで完全移籍となり、現在に至るまでウルヴスの左サイドで体を張っています。プレミアリーグ5シーズンで、135試合10ゴール11アシスト。昨季の素晴らしいパフォーマンスが、ペップの目に留まったようです。

プレミアリーグ37試合4ゴール7アシスト。DFのアシストランキングでは、フラムのアントニー・ロビンソンの10アシストに次ぐ2位で、リヴァプールのターゲットといわれるケルケズやSBとして歴代TOPのアレクサンダー=アーノルドを上回っています。SBとWBに加えて、2列めもこなせるユーティリティーも、彼の強みのひとつといえるでしょう。

ペップがアイ・ヌーリに注目し始めた背景には、CBの世代交代があるのだと思われます。31歳のジョン・ストーンズと30歳のナタン・アケは負傷が増えており、28歳になったルベン・ディアスはイージーなミスが目立つようになっています。23歳のグヴァルディオルをCBに配し、24歳のアルジェリア代表にサイドを任せるという布陣を想定しているのでしょう。

そうなると、懸念点が浮かび上がります。左右両足が使えて自在性があり、中央に絞ってプレイできるアイ・ヌーリは、ジョアン・カンセロを思い出させるキャラクターです。背後をドーソンやブエノがカバーしてくれるWBなら、カットインや意外性のあるクロスが武器になりますが、4バックとなると粗削りな守備が弱点になりえます。

「アスレティック」でウルヴスの特派員を務めるスティーブ・マデリー記者は、「圧倒的な才能を持つ未熟な選手」と評し、「アイ・ヌーリは、ときにコーチたちをイライラさせるほど、多彩なトリックとテクニックを披露するのが好きだ。ウルヴスが残留を確定させた昨シーズンの最終盤には、ショーリールモードに突入し、効果的なプレイができなくなった」といっています。

ショーリールとは、役者やクリエイターが自分のスキルやポートフォリオをアピールするためのショートムービーのこと。ペップの前でダンスに興じて背後を突かれたら、センスあふれるポルトガル代表のSBと同じ運命を辿ることになりそうです。トランスファーマーケットの動向に詳しい2人が同じことをいっており、交渉は順調に進みそうですが…。(ラヤン・アイ・ヌーリ 写真著作者/Æthelred)


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