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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプールの3人めの新戦力はロバートソンの後継者!ケルケズの獲得がスムーズに決まった理由。

「本当にハッピー。世界最大のクラブのひとつであり、イングランド最大のクラブでプレイできるのは、とても光栄なことで、特権です。本当に、本当にうれしくてワクワクしています。この後、家に帰って地元で数日過ごします。それから戻ってきて、トレーニングキットを着てシーズンに備えるのですが、今からその日を待ち切れません」

リヴァプールの公式サイトが、ボーンマスに所属していたミロシュ・ケルケズの入団を発表しました。AXAトレーニングセンターでメディカルチェックを終えたセルビア生まれのハンガリー代表DFは、オフシーズンになると山奥でスマホの電源を切って渓流釣りを愉しむそうですが、今年の夏はいつもと違うせわしない時間を過ごすことになりそうです。

ハンガリーのジェールでトップチームデビューを果たしたのは、2020年8月。16歳だった左のフルバックは、初年度からクラブの最優秀若手プレーヤーに選ばれる逸材でした。しかしACミランとAZアルクマールではリーグ戦に出場できず、2023年7月にボーンマスへ。トップリーグでプレイしたのは、サウスコーストで過ごした2シーズンのみです。

2023-24シーズンはプレミアリーグ28戦で2アシスト、昨シーズンは38戦2ゴール5アシスト。リーグ屈指のレフトバックと称えられるようになったのは、11月のマンチェスター・シティ戦でカイル・ウォーカーを翻弄して鮮やかなアシストを2つ重ねてからでした。ウインガーの内側から追い越していくアンダーラッピングランが特徴的で、昨季の131回はぶっちぎりのリーグ1位です。

クロスからのチャンスクリエイト22回もリーグTOPで、ケルケズの5アシストを上回るSBはラヤン・アイ=ヌーリ、トレント・アレクサンダー=アーノルド、ペドロ・ポロ、アントニー・ロビンソンの4人だけでした。陰りが見えたアンディ・ロバートソンの後継者を探していたリヴァプールにとっては、うってつけの人材といえるでしょう。

ここまで読んだ方は、リヴァプールがケルケズに注目し始めたのは、マン・シティ戦をはじめとする序盤戦のパフォーマンスに感銘を受けてからと思うのではないでしょうか。実はリチャード・ヒューズSDは、マージーサイドに来る前はエディ・ハウとともにボーンマスの強化を推進しており、AZアルクマールからケルケズを連れてきた張本人です。

今回のディールが順調に進んだのは、代理人を務める父親のセバスティアン・ケルケズがレッズのSDに恩義を感じているからです。「彼がボーンマスに連れてきてくれたんだ。彼にインドに行ってくれといわれたら、インドに向かう」。移籍金が4000万ポンドに決まるまでに数ヵ月を要したものの、そこからは若きSBがピッチで見せるオーバーラップのように一直線でした。

右サイドにジェレミー・フリンポンを加えたリヴァプールは、最重要ターゲットのフロリアン・ヴィルツを押さえ、ケルケズまで獲得しました。さらに補強すべきポジションは、クアンサーの移籍で層が薄くなったCB、ダルウィン・ヌニェスが去るといわれている最前線、フラーフェンベルフがいなくなるとパスワークがスローになりがちなアンカーでしょう。

3つのポジションを強化できれば、盤石のスカッドで新シーズンに臨めます。攻撃力が格段に高まりそうなリヴァプールは、連覇をめざすプレミアリーグもさることながら、パリに競り負けたチャンピオンズリーグのリベンジも楽しみです。これまでの新戦力獲得に難色を示すサポーターはいないでしょう。2025-26シーズンは、顔ぶれが変わった左右のサイドに注目しましょう。


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