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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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絶対に諦めないリヴァプール、逃げられないニューカッスル…イサク獲得のオファーは1億1000万ポンド!

リヴァプールは絶対に諦めず、ニューカッスルは逃れられないでしょう。アレクサンデル・イサクの移籍を巡る攻防が新たなステージを迎えています。ニューカッスルは、プレミアリーグ通算86試合54ゴールのエースに対する1億1000万ポンドの正式オファーを拒否しました。しかしこれは、結末が見えている戦いが始まった合図でしかないでしょう。

イサクは既に退団したいとクラブに申し出ており、アジアプレシーズンツアーから離脱して古巣のレアル・ソシエダで単独のトレーニングを行っています。現状について、マグパイズは「太ももの軽傷でリハビリ中」と説明していますが、現地メディアの記者たちは「本人の意思でリタイアした」と伝えています。この状況から、エディ・ハウのチームに復帰するとは思えません。

リヴァプールは以前からイサクにアプローチしており、1億5000万ポンドという情報が流れてからも足を止めませんでした。今回の1億1000万ポンドを断られるのは織り込み済みで、次なるオファーで仕留めようと考えているはずです。ニューカッスルは、来年の夏に移籍しやすくなるリリース条項を含む新契約を提示したのですが、イサクと代理人の姿勢が変わる気配はありません

近年のトランスファーマーケットで、これほど用意周到で盤石なシナリオはなかったのではないでしょうか。ニューカッスルは、完全に外堀を埋められています。フロリアン・ヴィルツの獲得で1億1600万ポンドを投じたリヴァプールは、アレクサンダー=アーノルド、ケレハー、ルイス・ディアス、クアンサーの売却益でチャラにしてしまいました。

ウーゴ・エキティケに費やした7900万ポンドも、ダルウィン・ヌニェスやエリオットを売れば消し込むことができます。そもそも昨夏のマーケットでファデリコ・キエーザしか獲得しなかったクラブは、ファビオ・カルヴァーリョやセップ・ファン・デン・ベルフを手離して6000万ポンドを得ており、悠々と貯金を崩しているだけです。

ニューカッスルが1億5000万ポンドと連呼しても、マージーサイドの関係者たちは顔色を変えないでしょう。逆転勝利への道はイサクを口説くのみですが、「プレミアリーグとチャンピオンズリーグで優勝がめざせる」「週給25万〜30万ポンドという要望を汲んでくれる」「自分の強みを活かせるポジションと戦術がある」という魅力的な条件を覆す殺し文句は見当たりません。

独走となったリヴァプールの進撃を遮るハードルは、「ない」といい切っていいでしょう。アーセナルはヴィクトル・ギョケレスを獲得し、チェルシーはジョアン・ペドロとリアム・デラップを押さえています。ハーランドとマルムシュを擁するマンチェスター・シティは横槍を入れる動機がなく、マンチェスター・ユナイテッドは1億ポンドを出せるクラブではありません。

1億3000万ポンドとアドオンといわれれば、バンザイするしかないニューカッスルの最後の抵抗は、「代役の目処が立つまではサインしない」という1点です。最有力候補は、マンチェスター・ユナイテッドとの争奪戦になっているライプツィヒのベンヤミン・シェシュコではなく、ブレントフォードに退団したいと告げたヨアネ・ウィサでしょう。

エンベウモとノアゴーアを引き抜かれたロンドンのクラブは、ウィサに対する2500万ポンドのオファーを拒否したようですが、イサクが残したキャッシュを積まれたら応じざるを得なくなるはずです。プレミアリーグ4シーズンで137試合45ゴール13アシストのコンゴ代表FWは、2024-25シーズンはイサクと4ゴール差の19ゴールを決めており、穴はすんなり埋まるかもしれません。

カラム・ウィルソンに続いてイサクを失おうとしているマグパイズは、もしかするとシェシュコとウィサのダブルを狙っているのでしょうか。リアム・デラップ、ジョアン・ペドロ、ウーゴ・エキティケをことごとく獲り逃したものの、プレミアリーグの経験豊富な28歳とポテンシャルが高い22歳を押さえて3000万ポンドが手元に残ったら、むしろ成功といえそうです。

売るほうにも買うほうにも注目のビッグディールは、間もなく第2ラウンドが始まります。ゴングがなるとすぐに、チャンピオンがチャレンジャーをロープに追い詰め、クリンチで逃げるしかない厳しい戦いになるでしょう。セコンドはタオルを投げ入れるタイミングを計り、プロモーターはリングに目を向けずに次の挑戦者を物色中…観客の興味は「いつKOとなるか」だけです。


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