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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014】本命ドイツに死角あり!? アルゼンチンがドイツに勝つ4つの理由

昼間は働きながら、2時間睡眠を小分けにとって試合を見続けるのはかなり大変でしたが、2014FIFAワールドカップブラジル大会も、残すところあと2試合。いやー、こうなると寂しいですね。「プレミアリーグ勢の多いベルギーやイングランドをもっと観たかった」「直近、唯一コスタリカに勝っている日本代表が、決勝トーナメントで5バックを攻略している姿に盛り上がりたかった」など、さまざまな思い残しや無念はあるものの、われわれの気持ちなどは勘案せずに時間は流れ、とにかくあと2試合です。

精神的にボロボロなチームと身体的に限界のチームが当たる3位決定戦は、フィギュアスケートのエキジビションのような緩い試合になりそうですが、過去の因縁がいろいろ詰まった決勝は、おもしろいゲームになりそうです。ドイツVSアルゼンチン。1986年に「マラドーナのチーム」がメキシコでドイツを翻弄すると、4年後のイタリアでは、マテウス、リトバルスキ、クリンスマンの西ドイツが、ブレーメのPK一発でリベンジ。3度めの決勝で勝ち越すのはどちらか。大方の予想は「ドイツ順当勝ち」なのでしょう。昨年の世界一クラブ、バイエルン・ミュンヘンがベースでコンビネーションは申し分なし。ブラジルを7-1で粉砕した破壊力。ナンバーワンGKノイアー。相手は前回延長戦。それでなくとも1日多い休養日。イギリスのブックメーカー、ウイリアムヒルのオッズはドイツ1.67倍、アルゼンチン2.2倍です。

しかし、私の予想は、大会開幕前から一貫して「アルゼンチン優勝1点」です。この稿では、アルゼンチンがなぜドイツに勝てるのか、その理由をいくつか挙げてみたいと思います。最初にお断りしておきますが、「大会前の予想」を、「大会が始まってからの出来事で語る」という、時制を無視したお話ですので、半ば後付けです。では、さっそく。

1)侮れない南米の地の利
アルゼンチンよりも1日、休息が多いドイツが優位にみえますが、アルゼンチンは開催国ブラジルと気候が近い隣国です。涼しい欧州から来て、慣れない高温に苦しんでいるドイツは相当、疲れがたまっているのではないかと想像します。そしてもうひとつ、ドイツはブラジルから7点も奪ってしまったがために、開催国敗退の大騒ぎに巻き込まれてマスコミ対応も多く、精神的にも休まらなかったのではないでしょうか。一方のアルゼンチンは、試合前の記者会見に参加しなければいけない選手を2試合連続で欠席させ、FIFAから多額の罰金を喰らうぐらいの体調重視シフト。決勝の後半、アルゼンチンが運動量で勝っていても何の不思議もありません。

2)過去、大会中に調子を上げてきたスロースターターの優勝が多い
1次リーグはからきしだった1982年の番狂わせイタリア。アメリカに引き分け、オーストラリアに苦戦した2006年のイタリア。初戦に敗れた前回のスペインなど、大会中に調子を上げてきたチームの優勝が多いワールドカップ。今回のアルゼンチンが大会中によくなったのはディフェンスです。初戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で、あのマスチェラーノですらお手上げだった守備の大混乱が嘘のように、オランダ戦では素晴らしい守りでまともにシュートを打たせませんでした。攻撃面でも、決勝の舞台ではアグエロが調子を上げてくるはず。ディ・マリアも戻ってくれば、今大会でいちばんの状態で戦える可能性があります。

3)左SBヘヴェデスというドイツの弱点
ドイツがアルジェリア戦で敗戦寸前に追い込まれたのは、攻め上がれず、サイドならではのディフェンスができなかったムスタフィ、ヘヴェデスの両SBがウィークポイントとなったから。その後、右の穴はラームが埋めましたが、左のヘヴェデスは相変わらず。ブラジルは、マッチアップするフッキとマイコンの攻撃に工夫がなく、ドイツの嫌がることをできませんでしたが、次戦はアグエロとサバレタのマンチェスター・シティコンビが、本職はCBであるヘヴェデスを、左の後方に釘付けにするはずです。プレミアリーグで最も怖い攻撃陣が、右サイドからプレイを始めることが多いメッシと一緒に右を完全に崩したら…フィニッシュを決めるのは、逆サイドに入るであろうラベッシやディ・マリアかもしれません。

4)FK、ミドルシュート
バイエルンのグアルディオラ戦術と、アーセナルのヴェンゲルスタイルの融合のようなドイツの攻撃。ブラジル戦の2点めとなったクローゼのゴールシーンは、プレミアリーグで何度も観た、ジルー、ラムジー、カソルラの崩しのような見事な連携でした。彼らは相手守備陣を完全に崩しきってからゴールを奪おうとすることが多く、ミドルレンジからは意外とシュートを打ってきません。対するアルゼンチンは、メッシやディ・マリアが、どんな状況でも虎視眈々とシュートチャンスを狙っています。メッシのFKという武器もあり、双方最終ラインを崩せない拮抗した展開になれば、飛び道具の魅力はアルゼンチンに分があるのではないかと思います。

いかがでしょうか。ドイツが勝つ理由を挙げれば、この倍くらいは軽く出てきそうではありますが、これはこれでなかなか説得力があると思いませんか?プレミアリーグファンとしては、マンチェスター・ユナイテッドのチャンピオンズリーグ優勝を決勝で2度も阻み、アーセナルの野望をつぶして歩くメッシを応援する気には到底なりません。ましてやドイツには、エジルやメルテザッカー、ポドルスキ、シュールレというプレミアリーグで活躍する面々がいます。こんな記事を書くと、決勝の応援のスタンスが難しくなりますね。予想はアルゼンチン、心情的にはドイツ。やはり、フラットに観ましょうか。いやいやそれも…あと1日で、試合に臨む態勢もしっかり固めないといけません。

最後に、ゴール数まで予想してしまいましょう。2-0でアルゼンチン。得点者はメッシ、ラベッシ。もし当たったら、最大級の賛辞をお願いいたします。外れたときは…いや、もとい、的中しても賛辞はいりませんので、外れたときは笑って許してやってください。

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“【Brazil2014】本命ドイツに死角あり!? アルゼンチンがドイツに勝つ4つの理由” への6件のフィードバック

  1. por より:

    アルゼンチンvsボスニアの試合を観たときはアルゼンチンが決勝まで来るとは思いませんでした…

    ディフェンス本当良くなりましたよね〜アルゼンチン

  2. makoto より:

    porさん>
    そうなんです。サベージャ監督はよく立て直しましたね。侮れません。

  3. ちくちく より:

    もうずいぶん長いことマラドーナと比較されてきたメッシですが、明後日ハットトリックを決めて優勝すれば神様マラドーナに肩を並べたと言えるのかなーと、勝手に思ってます。第二の神様が降臨する瞬間を見たいなと思ってます。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    こちらとしては開幕前からドイツ一本予想、もっと言えば四年前のW杯からドイツが強くなる予想をしてた僕からすると、
    筆者様とは真逆を期待しています。
    だからこそフットボールは面白いと思うんです。
    ついでに言えばグーナーである故、どうしても「プレミアはとれなかったけどW杯は軽くいけたわ」とうそぶくガナーズ三人も見てみたい。
    楽しみですね。

  5. オーファーマネスル より:

    私もグーナーのため、アルゼンチンを応援するのは癪なのですが、アルゼンチンが優勝すると思って来ました。
    アルゼンチンはメッシのチームに見えますが、私にとっての最近のアルゼンチンは、五輪の決勝で完璧にピルロを殺し、ゲームコントロールしたマスチェラーノのチームなのです。
    オランダに勝ったのもマスチェラーノの貢献です。恐らくは、今回の決勝もマスチェラーノがミュラーを潰して勝つのではないでしょうか。
    それが面白いとは全く思いませんが、アルゼンチンはそういうチームだと思います。

  6. makoto より:

    ちくちくさん>
    そうですね。ワールドカップ獲得+得点王となれば、「マラドーナ超え」ですね。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    私は、アルゼンチンの優勝に期待しているわけではなく、勝つのではないかと「推理」「予想」しているだけです。ドイツが勝てば、現在最強のバイエルン・ミュンヘンとドイツ代表が現代サッカーの最先端であると証明されたことになり、サッカー界の秩序という意味ではこの着地が健全だと思います。

    オーファーマネスルさん>
    賛成です。特に決勝トーナメント以降は、「マスチェラーノとその他10人」ですね。

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