ハリー・ケイン、感動なきハットトリック…イングランドが6発大勝でラウンド16進出決定!
いや、先の話はひとまず寝かせておいて、パナマ戦の11人をチェックしましょう。ピックフォード、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、トリッピアー、アシュリー・ヤング、ヘンダーソン、リンガード、ロフタス=チーク、スターリング、ハリー・ケイン。チュニジア戦で中盤を仕切ったデル・アリが外れ、プレミアリーグ出場43試合の22歳MFルベン・ロフタス=チークが抜擢されています。3-5-2のチームは、5分に左サイドで不用意なパスをインターセプトされ、ショートカウンターを喰らってしまいます。ボックス左でバルセナスからラストパスを受けたゴドイは、止めて打ったほうがよかったでしょう。フリーのボレーは左に大きく外れ、ワールドカップ初ゴールはお預けとなりました。
イングランドの大会3点めは8分、またもCKからです。トリッピアーの素晴らしいボールが、ノーマークのジョン・ストーンズの頭に届き、完璧な一撃がGKの左を抜けていきました。リードしたにも関わらず、自陣でのミスを拾われるシーンが目立つ最終ラインは、落ち着かなければなりません。16分、右サイドからのパスを受けたバルセナスが、ボックスの外で左足を振り抜きますが、GKピックフォードの指先を抜けたボールはポストの外に逸れていきます。20分、トリッピアーの浮き球で裏に抜けたリンガードが、エスコバルに倒されPK。プレミアリーグ30ゴールの主将ハリー・ケインが左隅に突き刺し、今大会3ゴールめです。
イングランドに速いアタックはなく、パナマはラストパスが不正確。エキサイティングなゲームが多い今大会で、最も弛緩した時間が流れています。ヘンダーソンは最終ラインまで下がり、左右にボールを散らしていますが、リンガードやロフタス=チークとの距離が空きすぎ、アップテンポなパスワークは望めません。しかし36分、左から上がったリンガードがスターリングをポストに使い、右隅に吸い込まれる見事なコントロールショットを決めました。40分の4点目は、トリッピアーのFKからのサインプレー。ボールに寄ったヘンダーソンが、ラインの裏にダイレクトで浮かすと、ハリー・ケインの折り返しをスターリングが頭でプッシュします。GKペネドが弾いたボールをヘッドで押し込んだのは、またもジョン・ストーンズ。プレミアリーグ5シーズンで1ゴールしか決めていないCBが、大舞台で2発もゲットしてしまいました。
4点差でハーフタイムかと思われた45分、右からのCKでハリー・ケインがゴドイに倒されました。エースが蹴った2本めのPKは、1本めとまったく同じコース。チュニジア戦ではCK、CK、パナマ戦でPK、PKと、イングランドのストライカーはワンタッチを4回重ねて、得点王争いのトップに並びました。後半のパナマに、勝負を争う雰囲気はありません。イングランドはペースをスローに落とし、体力を温存するような戦い方に徹しています。61分、右から中に斬り込んだロフタス=チークのシュートが、ハリー・ケインに当たってゴールイン。感動のないハットトリックの直後にエースとリンガードが下がり、ジェイミー・ヴァーディとデルフがピッチに入りました。
65分、スルーパスでムリージョが縦に抜け出すと、ラストパスはピックフォードがブロックし、DFがクリア。70分にトリッピアーが下がり、ダニー・ローズが左、アシュリー・ヤングが右となります。75分のパナマのCKは、ニアのクーペルがヘッドで流したボールを、フリーのロマン・トーレスがボレーで合わせますが、左に外してしまいました。しかし77分、アビラが左から入れたFKを、バロイがスライディングしながら蹴り込み、6-1。ワールドカップで初めてのメモリアルゴールは、サッカーの母国からの1発でした。盛り上がるパナマサポーター。最後までゴールを狙いにいった初出場国に、2度めの歓喜は訪れませんでした。イングランドが6-1で勝利し、ベルギーとともにラウンド16進出を決めました。
CK、PK、ミドル、FK、PK、ミドル。相手の守備陣を崩すシーンはほとんどなく、後半はスターリング以外のスプリントを見ることもなく、イングランドが低燃費な大勝を決めました。クオリティで劣るチームが、CKでの羽交い絞めやラフプレーを連発すれば、この結果もやむをえません。緩慢な守備や単調なアタックにツッコミを入れたくなる一戦でしたが、20分で勝負がついてしまったようなゲームで目くじらを立てなくてもいいでしょう。イングランドの得点8失点2はベルギーと同じ数字ですが、直接対決がドローなら、イエローカードが少ないサウスゲート監督のチームが上となります。2位がよさそうですが、いかがでしょうか。この後の試合で日本が勝てば、なおさら…。
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触らないで点を決める男と言われたりしてたら今度はシュート2本でハットトリックをする男にまでなってしまいましたね(笑)
地味にトリッピアーのキック精度が戦術兵器になるレベルで凄かったです。
パスミスとかでカウンター喰らってる辺りがちょっと気になったりしましたけどまぁいいでしょう
それにしてもストーンズのヘディングの強さとトリッピアーのクロス精度は半端ないですね
これさえあればセットプレーは期待が持てます
2本のPKはともに防ぐのが不可能なコース、スピードでありその時点ではケインも称賛されていたように記憶しているのですが、あの3点目によってハットトリックを達成してしまったばかりに史上最低のハットトリックなどと揶揄される始末……
そのような嘲笑を受けるならあれはチークのゴールとして記録してほしかったですね。
また、1タッチゴールに関しても1タッチゴールはポジショニングの良さから生まれるものであり、決してまぐれやラッキーといったものではないと思っているので、ケインの活躍があまり評価されていないことが悔しく感じました