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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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悔やまれる後半の決定機逃し…乾と本田が同点ゴールを決めた日本は、セネガルに2-2ドロー!

「乾と大島に体重を5キロ増やせ、身長を5センチ伸ばせというミッションを与えたが、彼らはコンディショニングに失敗した」「マネに3人付ければ抑えられる」。イギリスメディア「BBC」が、西野監督が会見で放ったジョークを紹介しておりましたが、指揮官からこんな発言があるのは、チームの状態がいい証拠でしょう。2018FIFAワールドカップグループH、初戦を制した日本とセネガルの一戦。プレミアリーグファンとしては、リヴァプールで最強3トップの一角を担うサディオ・マネや、エヴァートンのセントラルMFグイェがどんなプレイを見せるのかが気になります。西野監督の11人は、川島、酒井宏樹、昌子、吉田、長友、長谷部、柴崎、乾、原口、香川、大迫。コロンビア戦と同じ顔ぶれです。武藤や大島という予想もありましたが、マネのサイドには走れる原口元気を置きたかったのでしょう。

「僕に会いたいかと聞いたら、ノーといわれた」。セインツでチームメイトだった吉田麻也からの情報収集は叶わなかったマネは、ボックス左を主戦場とするプレミアリーグ対決を制することができるでしょうか。開始早々にワゲが入れたクロスがマネに通りますが、トラップしたボールは、酒井宏樹がスライディングでクリアします。6分、CKのクリアをサバリが遠めから狙うも、クロスバーの上。直後にマネがボックス左を突破すると、クロスは川島がキャッチします。サイドを執拗に突くセネガル。11分、ワゲのクロスのクリアが短くなり、ボックスの左コーナーからサバリがシュートを放つと、川島のパンチに飛び込んだマネが押し込み、早くもセネガルがリードします。明らかにGKの判断ミス。プレミアリーグ10ゴール&CL10ゴールの10番は、速いだけでなくクレバーなアタッカーです。

香川真司が左の乾に展開し、リターンを受けて長友を縦に走らせた15分のチャンスは、ボックスの外で落としを受けた長谷部の強烈なミドルが乾に当たってしまいます。20分に香川が酒井に展開したボールでCKを獲得すると、ショートコーナーをさらわれカウンター発動。最初のアタックは止めたものの、ワゲのクロスをサールにボレーで合わせられました。これは川島が左に飛んでキャッチしましたが、日本は簡単に入れさせてはいけません。26分の吉田麻也とマネのマッチアップは、長友が加勢してCKに逃れました。

34分、日本の同点ゴールは、柴崎のロングフィードから始まりました。ボックスに走り込み、トラップで2人をかわした長友が秀逸。SBからボールをもらった乾に、高い身長は必要ありませんでした。得意の左45度から右隅を狙ったコントロールショットがネットを揺らし、1-1。39分にニアンに右から突破を許すも、1対1は飛び出した川島がシュートをブロックします。前半はイーブン。柴崎の縦へのフィードが効いており、日本のサイドアタックには期待感が漂っています。

49分、長友のフィードを最前線に入った原口がヘッドで大迫に送るも、ヘディングシュートは威力がなく、カディム・エンディアイェがキャッチ。ニアンとパパ=アリウヌ・エンディアイェのシュートはいずれも枠にいかず、スコアは動きません。55分、長谷部をかわしたニアンの左足は、川島が正面でキャッチ。60分に敵陣でミスパスを拾った日本は、原口が右に出た柴崎にスルーパスを通し、7番のグラウンダーが大迫の足元に転がりますが、エースはボレーを空振りしてしまいました。

セネガルの運動量が落ち、日本がゲームを支配しています。63分、柴崎が右の酒井を走らせ、折り返しを大迫がニアで受けると、シュートコースが一瞬空いた香川は打ち切れず。ロングフィードを追った大迫がキープし、後ろから来た乾にヒールパスを通すと、右隅を狙った14番のシュートはクロスバーを叩きました。65分にアルフレッド・エンディアイェが下がり、プレミアリーグで活躍するクヤテが登場。セネガルが勝ち越したのは、71分でした。ボックス左を崩したサバリが柴崎の股間を抜くグラウンダーを入れると、ニアンがファーに流したボールをワゲが渾身のボレー!オーバーラップが大好きなSBは、乾がケアしなければいけませんでした。ここで香川が下がり、本田圭佑。CKをフリーで受けた大迫が左足シュートをDFにぶつけた直後、西野監督は原口に代えて岡崎で勝負です。

78分、昌子の速いパスが前線の岡崎に通り、右にいた大迫につながると、柔らかいクロスが中央へ。岡崎とGKが競ったボールが左にいた乾に渡ると、マイナスの折り返しをゴール右に突き刺したのは本田圭佑でした。乾の冷静な判断と、GKに絡んだ岡崎の泥くさいプレイが光った同点劇。残り時間は、10分を切りました。足を引きずっていたニアンは、85分にディウフにチェンジ。西野監督の最後のカードは、乾に代わって宇佐美です。90分に柴崎からのパスをもらった宇佐美は、中に斬り込まずにラストパスではなかったか。セネガルの放り込みは実らず、2-2のままタイムアップの笛が鳴りました。

「勝てた試合だった」。多くの選手が語っていたとおり、勝ち点3で終えたいゲームでした。素晴らしかったのは、前線をコントロールした柴崎と1ゴール1アシストの乾です。セネガルのウィークポイントだった右サイドを的確に突いた柴崎の判断が1点めを呼び込み、左サイドで脅威となっていた乾は、岡崎がGKと競った後のボールを冷静に折り返してゴールにつなげました。岡崎と本田を入れて前線のポイントを強化した西野監督の采配は適切だったと思いますが、勝ちにいくなら最後の1枚は、よりゴールに向かう武藤でもよかったかもしれません。

大迫の空振りとCKからの1発、バーを叩いた乾のシュートなど、決定的なシーンが多かっただけに、悔やまれるドロー。とはいえ、ポーランド戦で引き分け以上なら、ノックアウトラウンドに進むチケットが手に入ります。次はぜひ、先にゴールを。そして、クリーンシートを!決戦は、日本時間の6月28日23時にキックオフです。(乾貴士 写真著作者/Felix König)

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“悔やまれる後半の決定機逃し…乾と本田が同点ゴールを決めた日本は、セネガルに2-2ドロー!” への3件のフィードバック

  1. タムコップ より:

    なかなかどうして我が代表やりますね!
    月並みながらも、ちょっとしたディテールが勝敗を分けると思って見てましたが、試合内容〜決定機も日本が上回ってただけに勝ちきれなかったのは悔やまれますが、追いつかれての勝ち点1より追いついての勝ち点1の方が雰囲気も良いでしょう。
    あとは、セネガルのプレミア勢、マネはあれはわざとなんだろうか?
    結果的にごっつぁん先制点をマークしつつ、スプリングを自重しつつ、左サイドからチャンスメイカーに徹していた感がありました。
    グィエはトフィーズで見せていたほどの存在感が無く、縦に速い日本のプレイをバイタルで潰すシーンはなかなか訪れずやや残念。
    クヤテは、単純にもうちょい早くから観たかったですね。
    それにしても柴崎のキック精度は素晴らしいですね。
    乾の同点ゴール時の長友へのフィードは、相手DFに数的優位を作られ、上背でも劣ってるにもにも関わらず、ハーフウェイライン手前からあそこにピンポイントで届けたキックは、あれだけでご飯おかわり3杯はいけるものでした。

    そしてたった今ポーランドがコロンビアに3発喰らってGL敗退決定。
    次戦ポーランド戦は引き分けで勝ち抜け決定となりますが、テンションに関係なく、ここまでの2戦同様ハイインテンシティで勝ちにいってもらいたいですね。

    …、その上で、決勝Tをイングランドと対峙してくれたらサイコーなんですが…笑

    ここ最近でもっともエキサイティングといっても過言ではない今大会。
    今日以降のGL3節決戦、トーナメント決勝まで仕事休むことに決めました!笑

  2. ペップの街 より:

    日本は十分にセネガルを分析してここしかないという弱点を突きましたし、選手も戦術理解が出来ていて献身的にプレーしました。次戦ポーランドをどう攻めるのか、相手が変にメンバーを落としてくると却って戦術が狂ったりして。

  3. おはむ より:

    ハリルが温めておいた分析を西野監督も参考にしているそうですね
    解任の形はどうあれ、前監督が日本にリスペクトと応援を送ってくれていることも含め。
    西野監督に勝ち進んでもらいたいですね。

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