デ・ヘア、アキンフェエフ、スバシッチ、シュマイケル…激闘のPK戦プレイバック!
ダヴィド・デ・ヘアは、いわずと知れたわがマンチェスター・ユナイテッドの絶対的守護神。プレミアリーグのみならず、世界でもNo.1を争うショットストッパーです。対して、アップセットの主役となったアキンフェエフは、CSKAモスクワのベテランGK。2017-18シーズンのCLではマンチェスター・ユナイテッド相手にダブルを喰らい、ELにまわってベスト8でアーセナルに完敗。プレミアリーグファンにもおなじみのGKは、CLで11年連続クリーンシートゼロという不名誉な記録も持っており、デ・ヘアとの一騎打ちは明らかに分が悪そうでした(といいつつ、実はデ・ヘアがPK止めたのをあまり見たことないんですが…)。
しかし、ここはロシア。雨が降りしきるルジニキ・スタジアムは、開幕戦でサウジアラビアを5-0で一蹴した開催国にとっては、サポーターに囲まれた勝手知ったる庭です。大会を通じて力を発揮したとはいえなかったデ・ヘアは、2本のキックに触るのが精一杯。ゴロビンとチェリシェフには連続でど真ん中に決められ、1本も止められないまま大会を終えることになりました。昨季のCLで、デ・ヘアのチームに6発を許したアキンフェエフは、コケのキックをセーブした後、5人めのイアゴ・アスパスを足でストップする大活躍。FIFAランキング70位と参加国中いちばん下のホームチームは、優勝候補を下してクロアチアとの準々決勝に臨むことになりました。
開始1分のロングスローからヨルゲンセンが押し込み、4分にはクリアミスに反応したマンジュキッチがボレーを決めて同点。乱打戦かと思われたクロアチアVSデンマークは、この後の2時間がゴールレスで流れ、PKに決着を委ねることになりました。クロアチアのGKはスバシッチ。2014-15シーズンのアーセナルと、2016-17シーズンのマンチェスター・シティは、有利といわれていたCLでモナコに敗れており、クロアチア代表GKを覚えているプレミアリーグファンも多いでしょう。レスターの守護神シュマイケルが、PKストッパーとして欧州に名を轟かせたのは、2016-17シーズンのCLでした。セヴィージャとの2試合でいずれもPKを止め、岡崎やヴァーディをベスト8に連れていった立役者は、今回のゲームでも116分にモドリッチの中途半端なキックを咎めたばかりで、心理的に優位なのではないかと思われました。
シュマイケルは、最初のバデリのキックを足で止め、4人めのビバリッチも右と読んでセーブしました。普通なら、MVPです。しかし相手のスバシッチが、エリクセン、シェーネ、ヨルゲンセンと3発ストップする離れ業を見せ、ワールドカップ史上初のトータル5本ストップというバトルを制しました。スタンドで見ていたピーター・シュマイケルは能面のような表情で敗戦の悔しさをかみしめています。弱小高校でGKをやっていた者として、2本止めて敗れたGKにかける言葉は見当たりません。ああ、シュマイケル。ここまで自陣を崩されてゴールを許したことがなかったデンマークは、1発のクリアミスが命取りとなり、ベスト8には届きませんでした。
ドイツがいいところなく敗れ、メッシとクリスティアーノ・ロナウドも既に去り、スペインまで散った予測不能のワールドカップ。ラウンド16の3日めは、ドイツをカウンターで沈めたメキシコがブラジルに胸を借り、コロンビアを倒した日本がベルギーと激突します。さらなるアップセットはあるのか、優勝候補が順当に駒を進めるのか。川島とクルトワのPK戦となると、勝てる気がしませんが、デ・ヘアが敗れた今日の結果を見ると存外…いや、その前にベルギーの猛攻を抑えられるかどうかですね。弱者と強者のギャップが埋まった感がある今回は、これまでにも増しておもしろい!あと12試合しかないといわれても、現実感はありません。
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モドリッチは危うく戦犯になるところをスバシッチやラキティッチらに救われました。なんか今大会のダークホースで優勝まで行ったりして。逆にカスパーは残念でしたが、よくやったと思います。日本はベルギーにどう戦うのでしょうか。原口と乾、そして大迫に柴崎がパスを通せれば・・・