危なかった…!終了間際に追いつかれたイングランドが、苦手のPK戦を制してベスト8進出!
ノックアウトラウンドらしく、両者とも慎重な立ち上がり。5分までに最もボールを触っているのは、ジョン・ストーンズかピックフォードか。6分、左サイドからのFKをアシュリー・ヤングが直接狙うと、オスピナが余裕をもってパンチングでクリア。セットプレーを防いだコロンビアが再三カウンターを仕掛けますが、イングランド守備陣は落ち着いて対応しています。13分、バイタルエリアでミスパスを拾ったスターリングが右足を振り抜くと、ダヴィンソン・サンチェスがブロック。プレミアリーグファンのテンションが上がるシーンです。
16分、クロス職人トリッピアーがコンビネーションで右サイドを突破し、ファーのハリー・ケインに合わせると、ボールはやや高く、キャプテンのヘディングは浮いてしまいます。20分過ぎからコロンビアが攻めに転じ、中央に斬り込んだクアドラードがシュートを放つと、こぼれ球に反応したファルカオは打ち切れず。この後は両者ともパスの精度を欠き、中盤でせめぎ合う時間が続きます。38分のFKは、壁に入っていたバリオスがヘンダーソンを頭で小突き、イエローカード。左隅を狙ったトリッピアーのキックはポストの外に逸れました。
45分、右から上がったハリー・ケインがボックス手前から打ったシュートは、ファーポストの外。直後、キンテーロがDFの間を抜いたミドルは、ピックフォードががっちりキャッチします。スターリングがゴール前で競り合い、こぼれ球に走り込んだリンガードのボレーは、マーカーを気にして大きく上にアウト。小競り合いが多かった前半は、ゴールレスで終わりました。昨季プレミアリーグでひと皮剥けた感のあるスターリングが、スピードを活かすシーンがありません。後半も両者ともパスミスが目立ち、スパルタク・スタジアムには弛緩した空気が流れています。
トリッピアーとアシュリー・ヤングのポジションが低く、縦にボールが出てもサイドに展開できないイングランドと、ハメス・ロドリゲス不在で決定的なパスが出ないコロンビア。盛り上がった日本VSベルギーと比べると、明らかに退屈です。しかし53分、右からのCKにファーから走り込んだハリー・ケインが、日本戦でレッドカードのカルロス・サンチェスに倒されてPK。スパーズのエースがガナーズGKオスピナの逆を突き、大会6ゴールめをゲットしました。ペケルマン監督は、61分にレルマを下げてバッカを投入。CKの流れから、ボックス右でキープしたマグワイアがトリッピアーに落とすと、クロスに飛び込んだデル・アリのヘッドはバーすれすれを越えていきます。
残り20分を切っても、イングランドペースは変わらず。71分にスルーパスでボックス左に抜け出したリンガードは、中でフリーだったハリー・ケインにラストパスを通せず。CKに競り勝ったマグワイアのヘッドは、オスピナの頭上を越えていきます。76分にスターリングが仕掛けたカウンターは、右から上がったリンガードがボックスで転倒するも、レフェリーもVARもスルー。79分にカルロス・サンチェスが下がり、ウリベが中盤に入ります。1分後、ゲート監督の最初のカードは、デル・アリをエリック・ダイアー。センターライン付近でバッカがカイル・ウォーカーから奪ったショートカウンターは、ラストパスをフリーでもらったクアドラードが右に外してしまいました。
86分、モヒカのクロスを叩いたファルカオのヘッドは枠にいかず、2分後のファルカオのミドルはピックフォードが正面でキャッチ。直後、スターリングはジェイミー・ヴァーディに後を譲ります。このまま終わるかと思われた92分、ムリエルが目の覚めるようなロングシュートでCKをゲットし、世界が変わります。右から上がったボールをヘッドで叩き込んだのはミナ。3大会ぶりのベスト8を目前にしていたサッカーの母国は、延長戦に引きずり込まれました。最初の15分は、コロンビアペース。バッカやミナのヘディングシュートにヒヤリとさせられ、足を気にしていたアシュリー・ヤングは、102分にダニー・ローズに後を譲ります。
サイドが変わり、ラスト15分の攻防。開始直後から攻めるイングランド。ヴァーディーとハリー・ケインにシンプルにボールを集めるのが、可能性が高いのではないでしょうか。112分にボックス左を突破したダニー・ローズのシュートは、惜しくもファーポストの外。イングランドの4枚めは、足がつったカイル・ウォーカーに代えてラシュフォードです。右に流れたヴァーディーのクロスをニアで触ったリンガードの一撃は、DFがカット。CKをフリーで合わせたエリック・ダイアーは、バーの上に浮かしてしまいます。120分を過ぎてもゴールは決まらず、勝負はPK戦に持ち越されました。
オスピナがヘンダーソンを止め、ウリベがバーに当てて3-3の5人め。バッカのキックをピックフォードがセーブし、エリック・ダイアーはオスピナに触られながらも左隅に沈めました。プレミアリーグのGK対決は、エヴァートンの24歳が勝利。90分で勝ち切る流れだったイングランドが、苦しみながらベスト8進出を決めました。ハメス・ロドリゲスがいなかったのは、ラッキーでした。創造力も連動性もなかったサウスゲート監督のチームは、WBが下がると攻め手を失い、デル・アリに預けるしかなくなってしまいます。ハリー・ケインは下がって来ずに、前線に張っていたほうがいいでしょう。若き指揮官は、次戦までに軌道修正できるでしょうか。スウェーデン、クロアチア、ロシアと同じブロックなら、ファイナル進出の可能性は充分にあるはずですが…。
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90年大会、PKを失敗して決勝進出を逃し呆然とするクリス・ワドルの姿が痛々しかったです。PKに弱いイングランドのジンクスを打ち破り、決勝進出も見えてきました。ただ、プレーの創造性がちょっと足りないのが気懸り。マン・シティやレッズの魅惑的な攻撃は他国のプレーヤーにより創出されているのが逆によくわかります。デリ・アリ頑張れ!
ハリーケイン、良かったですね
イングランドの攻撃の中心がこの人だということを改めて感じさせられる試合でした
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なんのかんの言っても、PKを貰いきっちり決めて、ボールが回ってこないなら下がって受けてファールを誘い、PK戦の1番手で難なく成功させるケインは凄いでしょう。ただ、この先いつまでもアリやスターリングが低調のままでは、優勝はきついですね。