シュコドラン・ムスタフィ~アルテタが蘇らせた男は、来季も必要とされるのか?
ミケル・アルテタ監督の就任による変化を選手名を添えて語るなら、メスト・エジルとシュコドラン・ムスタフィを挙げる方が多いのではないでしょうか。2019-20シーズンのエメリ体制では、プレミアリーグにおけるエジルの出番は4試合、ムスタフィはゼロだったのですが、12月にマン・シティから若き指揮官が帰還すると、エジルはレギュラーに復帰。23節のシェフィールド・ユナイテッド戦で久々のスタメンに名を連ねたムスタフィは、公式戦8試合連続で先発起用され、3つのクリーンシートに貢献しました。「ムスタフィはよくなったか?」と問われれば、ほとんどのグーナーが「イエス」と答えるでしょう。
2016年の夏にバレンシアからやってきたCBは、デビュー戦から20試合連続負けなしという記録を作り、果敢なインターセプトから前線を動かすアグレッシブなプレイを称賛されていました。昨年の10月にドイツメディア「Spiegel」のインタビューを受けたご本人が「2018年のクリスマスの後に、突然おかしくなった」と語っていますが、守備における綻びが目立つようになったのは、ヴェンゲル監督のラストイヤーの後半戦からだったと記憶しています。信頼してくれていたボスを失い、ビルドアップを重視する新監督の下でプレイし始めると、ムスタフィはさらにイージーなミスを繰り返すようになってしまいました。
SNSで容赦ない非難の声を浴び続けたドイツ代表は、2019年の夏に戦力外の烙印を押されました。彼に足りなかったのは、自信だったのだと思います。ヨーロッパリーグとカラバオカップを主戦場とした半年が過ぎ、チームの混乱を収束させるべくアルテタがやってくると、ムスタフィは以前の自分を取り戻せそうな感覚をつかみました。新監督の指導は理にかなっており、どのタイミングでどこにいて、何をすべきかを明確にしてくれたからです。
「彼は、自分のチームがボールをキープしている際に、それぞれの選手にどこにいてほしいという明確なアイデアがあるんだ。ボールを失ったときのリアクションについても同じだ。とても素晴らしい。今までは、パスを出そうとすると、いつもボールを失うことばかり気にしていた。しかし、彼は攻撃にどうつなげるかを考え、明快にオーダーしてくれる。ボールを持つと、常に複数の選択肢を確保することを考えるようになった」
「28歳まで、多くの国でさまざまな監督の下でプレイすると、何でもわかっているような気になってしまう。でも、彼が来てからは、初めて知ることばかりだ」(スカイスポーツのインタビューより)
若き指揮官をリスペクトするCBは、余裕のないパスミスが減り、3年前に見せていたアグレッシブな守備を取り戻しました。「普通は、25人いれば20人が監督に同意し、5人は違うプレイをするべきと考えるものだ。ところが彼は、25人全員の理解を得ており、不満をこぼす者はいない。メストも恩恵を受けたね」。アルテタ監督が率いるチームが、さらにクオリティを高めたとき、ムスタフィはチームに必要とされるでしょうか。これまでエジルとムスタフィを起用したのは、与えられた戦力を最大限活用しただけであり、選手の売買ができる夏になれば、指揮官は好みの選手にスイッチするという選択肢を手に入れることができます。ムスタフィはよくなったと声を揃えるグーナーも、2つめの問いの答えは分かれるのではないでしょうか。
私の答えは、「微妙」です。開幕時のレギュラー予想は、ダヴィド・ルイスとパブロ・マリ。新加入のウィリアム・サリバがプレミアリーグにフィットすれば、2人のどちらかに取って代わるかもしれません。ホールディングがトップフォームを取り戻せば、ムスタフィは5番めのCBになる可能性があります。パパスタソプーロスともども、売却候補となっても驚くファンは多くないでしょう。しかし…。
指揮官の信頼を受けて来季も起用されるとしても、他のクラブに活躍の場を求めることになったとしても、シュコドラン・ムスタフィは、「アルテタ監督と会えてよかった」と思うのではないでしょうか。彼と過ごした半年で、「どこへいっても、自分の力を発揮できるはず」というポジティブな手応えを得たのですから。2019-20シーズンの残り9試合は、生き残りを賭けた最終試験の場でもあるのかもしれません。クラブの混乱と歩調を合わせるようにスランプに陥ったCBが、クラブとともに新たな道を見出せるかどうかに注目したいと思います。
2016年の夏にバレンシアからやってきたCBは、デビュー戦から20試合連続負けなしという記録を作り、果敢なインターセプトから前線を動かすアグレッシブなプレイを称賛されていました。昨年の10月にドイツメディア「Spiegel」のインタビューを受けたご本人が「2018年のクリスマスの後に、突然おかしくなった」と語っていますが、守備における綻びが目立つようになったのは、ヴェンゲル監督のラストイヤーの後半戦からだったと記憶しています。信頼してくれていたボスを失い、ビルドアップを重視する新監督の下でプレイし始めると、ムスタフィはさらにイージーなミスを繰り返すようになってしまいました。
SNSで容赦ない非難の声を浴び続けたドイツ代表は、2019年の夏に戦力外の烙印を押されました。彼に足りなかったのは、自信だったのだと思います。ヨーロッパリーグとカラバオカップを主戦場とした半年が過ぎ、チームの混乱を収束させるべくアルテタがやってくると、ムスタフィは以前の自分を取り戻せそうな感覚をつかみました。新監督の指導は理にかなっており、どのタイミングでどこにいて、何をすべきかを明確にしてくれたからです。
「彼は、自分のチームがボールをキープしている際に、それぞれの選手にどこにいてほしいという明確なアイデアがあるんだ。ボールを失ったときのリアクションについても同じだ。とても素晴らしい。今までは、パスを出そうとすると、いつもボールを失うことばかり気にしていた。しかし、彼は攻撃にどうつなげるかを考え、明快にオーダーしてくれる。ボールを持つと、常に複数の選択肢を確保することを考えるようになった」
「28歳まで、多くの国でさまざまな監督の下でプレイすると、何でもわかっているような気になってしまう。でも、彼が来てからは、初めて知ることばかりだ」(スカイスポーツのインタビューより)
若き指揮官をリスペクトするCBは、余裕のないパスミスが減り、3年前に見せていたアグレッシブな守備を取り戻しました。「普通は、25人いれば20人が監督に同意し、5人は違うプレイをするべきと考えるものだ。ところが彼は、25人全員の理解を得ており、不満をこぼす者はいない。メストも恩恵を受けたね」。アルテタ監督が率いるチームが、さらにクオリティを高めたとき、ムスタフィはチームに必要とされるでしょうか。これまでエジルとムスタフィを起用したのは、与えられた戦力を最大限活用しただけであり、選手の売買ができる夏になれば、指揮官は好みの選手にスイッチするという選択肢を手に入れることができます。ムスタフィはよくなったと声を揃えるグーナーも、2つめの問いの答えは分かれるのではないでしょうか。
私の答えは、「微妙」です。開幕時のレギュラー予想は、ダヴィド・ルイスとパブロ・マリ。新加入のウィリアム・サリバがプレミアリーグにフィットすれば、2人のどちらかに取って代わるかもしれません。ホールディングがトップフォームを取り戻せば、ムスタフィは5番めのCBになる可能性があります。パパスタソプーロスともども、売却候補となっても驚くファンは多くないでしょう。しかし…。
指揮官の信頼を受けて来季も起用されるとしても、他のクラブに活躍の場を求めることになったとしても、シュコドラン・ムスタフィは、「アルテタ監督と会えてよかった」と思うのではないでしょうか。彼と過ごした半年で、「どこへいっても、自分の力を発揮できるはず」というポジティブな手応えを得たのですから。2019-20シーズンの残り9試合は、生き残りを賭けた最終試験の場でもあるのかもしれません。クラブの混乱と歩調を合わせるようにスランプに陥ったCBが、クラブとともに新たな道を見出せるかどうかに注目したいと思います。
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