偏愛的プレミアリーグ見聞録

アーセナルがセインツに負けただけでなく、マージーサイド勢も大苦戦！キャピタルワンカップ3回戦初日は、昨季のプレミアリーグ上位勢受難の1日となりました。

リヴァプールは、本拠地アンフィールドでチャンピオンシップ所属のミドルスブラと対戦。コロ・トゥレとホセ・エンリケを最終ラインに入れて、17歳のロシターを中盤、トップにリッキー・リー・ランバートを据えたロジャース監督は、メンバーを落としながらも苦戦するとは考えていなかったでしょう。10分には、スターリング、ランバートのシュートが連続でブロックされたところを、抜擢したロシターが前に出ていたGKの足元を抜いて幸先いい先制点。後半、リーチのヘッドで追いつかれるまでは、負けるシーンが頭をちらつくことなどなかったと思われます。

ところが、1-1となってからリヴァプールは勝ち越しゴールを決められず、ゲームは延長戦にもつれ込みます。苦戦のホームチームがようやく勝ち越したのは109分。ララナとホセ・エンリケで左サイドを完全に崩し、中に入れたボールを途中出場のバロテッリが体を張って競ると、中央にこぼれたボールを10分前に入ったばかりのスソがきれいに叩き込みます。さすがに、選手もサポーターも「これで大丈夫」と思ったのではないでしょうか。しかし、土壇場で試合はまたも振り出しに戻されます。延長後半追加タイム2分、スターリングが信じられないミスパスをFWバンフォードにプレゼントしてしまい、縦に抜けた23番をコロ・トゥレが倒してPK。バンフォードはこれを自ら決め、2-2、何とPK戦です。

こうなると、どちらが勝つかまったくわかりませんが、リヴァプールはバロテッリ、ルーカス、ララナ、スソと成功。ミドルスブラが1本外したため、5人めのスターリングが決めれば勝ちです。今度こそ終わると誰もが思った瞬間、最後のパスミスを引きずっていたのか、スターリングの中途半端なシュートがストップされてサドンデス突入。リヴァプールがやっと勝利を確定させたのは、両チーム通算30本めとなるミドルスブラのシュートが左に大きく外れたのを見届けたときでした。ミドルスブラは、バンフォード、リーチと、PK戦にもつれこませた立役者がPKを外してしまい、ジャイアントキリングを目前にして涙をのむ結果となりました。

アウェイとはいえ、好調スウォンジーに3-0とひねられたエヴァートンの守備は厳しいですね。1点めは右SBヒバートがモンテーロに簡単にかわされ、優しいラストパスをダイアーがゲット。2点めはディスタンのクリアミスがバーを直撃してこぼれ球をシグルズソン。最後は、エムネスにノープレッシャーでミドルを打たせてしまい、3-0完敗です。週末のマージーサイドダービーをにらんでターンオーバーを選んだマルティネス監督にとっては、半ばやむなしの敗戦だったかもしれませんが、それにしても予想外の大敗。昨季は名勝負だった週末のダービーは、大味な打ち合いかリヴァプールのワンサイドになるような気がします。

以下、3回戦初日の結果です。2回戦のマンチェスター・ユナイテッド戦でジャイアントキリングを演じたMKドンズが勝利。昨季は決勝まで進出したサンダーランドが、ホームでストークに敗れています。

【9月23日　キャピタルワンカップ3回戦結果】
アーセナル 1-2 サウサンプトン
スウォンジー 3-0 エヴァートン
サンダーランド 1-2 ストーク
シューズベリー 1-0 ノリッジ
カーディフ 0-3 バーンマウス
ダービー 2-0 レディング
バートン・アルビオン vs ブライトン＆ホーブ・アルビオン
フラム 2-1 ドンカスター
ミルトン・キーンズ・ドンズ 2-0 ブラッドフォード
リヴァプール 2-2（PK14-13） ミドルスブラ
レイトン・オリエント 0-1 シェフィールド・ユナイテッド

明日のカードは、チェルシーVSボルトン、トッテナムVSノッティンガム・フォレスト、マンチェスター・シティVSシェフィールド・ウエンズデー、クリスタル・パレスVSニューカッスル、ウエスト・ブロムウィッチVSハル・シティ。バートンVSブライトンを除いてすべてプレミアリーグ勢が戦うゲームとなります。普通に予想すれば、WBAとニューカッスルが負けて、他は勝ち抜けそうですが、今日の結果を見る限り、ジャイアントキリングがゼロというのも考えづらいですね。トッテナムに危険な香りを感じているのは、私だけでしょうか。失うもののない2部・3部のクラブ相手にどこまでメンバーを落としても大丈夫なのか。リヴァプールの壮絶なPK戦をチェックしたであろうモウリーニョ監督、ペジェグリーニ監督、ポチェッティーノ監督は、今頃ベッドのなかで頭を悩ませていることでしょう。