プレミアリーグ9月MVPは、「苦労人ストライカー&経験豊富な監督」のセインツが独り占め!
「とてもハッピーだ。自分自身を誇りに思っている。しかし、この賞は僕だけのものではなく、僕らがチームとして団結した結果。クラブのスタッフ、チームメイト、全てのサポーターに感謝している」(グラツィアーノ・ペッレ)
「この賞は監督に対する個人的な賞だが、選手たちに感謝しなければならない。なぜなら、ピッチで勝利を手にするのは選手たちだからだ」(ロナルド・クーマン監督)
…オトナです。プレミアリーグ首位クラブの監督が、疲労蓄積のジエゴ・コスタをフルで使ったスペイン代表や、処分がなかったヴェンゲル監督に皮肉を飛ばしまくっているなか、こちらは出過ぎず控えすぎずの完璧なコメントです。クーマン監督のセインツは10月に入っても絶好調で、土曜日のプレミアリーグではサンダーランドに8-0という信じられないスコアで大勝を飾っているのですが、試合後のオランダ人監督のコメントは冷静で、敵の将であるグスタポ・ポジェ監督に気遣い満点でした。
「(試合が終わっても)まだ少しショックだよ。我々は非常にいいプレイをし、素晴らしいゴールも決めたけど、最初の20分にはあまり満足していない。それにしても、ポジェ監督は気の毒だと思うよ。最初はサンダーランドがいいプレーをしており、チャンスを創っていたのだから。不運なオウンゴールもあったし、2-0のときに彼らにPKが与えられていてもおかしくなかった。それでも、そこから先はわれわれが勝利に値した。最後までゴールを挙げようと戦い続けたチームを、ベンチのメンバーも含めて誇りに思う。シーズンは長いし、全員が必要だね」(ロナルド・クーマン監督)
…やはり、オトナです。前任者であるトッテナム監督のポチェッティーノさんについて、直接対決で敗れた直後、「マウリシオをとてもリスペクトしている」「サポーターは、こういうゲームで(ポチェッティーノ監督を)ブーイングすべきではない」と語った人格者。主力を大量に引き抜かれたにも関わらず、セインツがなぜプレミアリーグ3位に踏ん張っていられるのかを考えると、的確な補強もさることながら、クーマン采配によるチームワークの向上という要素が大きいのではないかと思います。チャンピオンズリーグ出場権獲得までは厳しいかもしれませんが、セインツがヨーロッパリーグで外国クラブと戦っているところを観てみたいものです。あ、すみません。シーズンはまだ5分の1が終わったばかり、いささか気が早過ぎましたね。
一方、母国イタリアで伸び悩み、都落ちのようにエールディヴィジに活動の拠点を移しながら、フェイエノールトで覚醒して今季からクーマン監督の元でプレイすることが決まったグラツィアーノ・ペッレの受賞は、3ゴールという数よりも、あのスーパーゴールのインパクトが大きかったのではないかと思います。9月27日、本拠地セント・メリーズ。QPRのチャーリー・オースティンが、自分の後ろに来たボールを足に引っ掛け、浮いたボールを振り向きざまにボレーで叩き込むという美しい同点ゴールを決めた直後の68分。ペッレは、敵のストライカーの上をいく見事なゴールでセインツを勝利に導きました。
右からのクロスをタディッチがヘッドで折り返すと、ペッレはDFを背負った体勢から足元にきた浮き球を蹴り上げ、GKグリーンの左手の先を抜けてゴール右隅に突き刺さる驚愕のオーバーヘッド!このゴールは、既に今季プレミアリーグのベストゴール大本命でしょう。両足とも使えて高さもあり、ミドルも決められるという引き出しの多さがペッレの魅力。タディッチ、マネ、シュナイデルランに、ケガで休んでいるウォード=プラウズ、ジェイ・ロドリゲスと、アシスト役には事欠かないセインツだけに、土曜日のサンダーランド戦でも2つ決めて通算6ゴールとしたイタリア代表FWの量産体制は止まらないのではないかと思います。
クーマン監督とペッレが口を揃えていうように、セインツの強みは連携のよさと、そしてプレミアリーグ最少の5失点という堅実な守備でしょう。私は、11月30日から始まるマンチェスター・シティ、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドの3連戦に注目しています。ここで勝ち越すようなら、このクラブの強さは本物。選手層の薄さから、後半戦で息切れする可能性はあるものの、12月28日の今年最後のゲームであるチェルシー戦ぐらいまでは、プレミアリーグをおもしろくしてくれるでしょう。3連勝はともかく、あの2チームに2勝なら…。
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クーマンは本当にオトナなんですかねぇ笑
彼の人間性に良いイメージが全くないんで、セインツの躍進は驚きました。
バレンシアでの大暴れのイメージでしょうか。
もしかしたら、今は猫をかぶっているだけかもしれませんが、
その後の成功体験で老成したのではないかと思ってます。