楽勝ムード一転!一度緩んだ中盤は元に戻らず、マンチェスター・シティ、まさかのドロー!
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前半は、ムサやトシッチのミドルシュートにもDFがついてコースの半分を消し、点を獲られる気配はなかったマンチェスター・シティ。CSKAモスクワがラインを下げて守ってきたので、なかなかゴールには届かなかったものの、29分、DFラインの背後にできたスペースを狙ってダヴィド・シルヴァがスルーパス。ラインを上げてオフサイドを狙ったCSKAモスクワの選手のなかで、ひとり集中力を欠いたマリオ・フェルナンデスが残ってしまい、旗は上がらず。背番号2が慌てて上がった瞬間にパスが通るという最悪の展開で2人対0人となっては、GKアキンフェイフはお手上げです。ドリブルで持ち込んだジェコが右を並走していたアグエロに流して0-1。ゴールを割ったサバレタのシュートが認められず、嫌なムードだったマンチェスター・シティはこれで楽になり、さらに攻勢を強めます。
追加点は38分。中盤でボールを持っていたヤヤ・トゥレが、右サイドでDFラインの裏に走り込んだサバレタを見つけて、すかさずロングフィード。サバレタのヘディングの落としを受けたアグエロのシュートはうまく当たらず、ファーサイドに向かって転がりますが、これが最高のラストパスとなって、走り込んだミルナーがスライディングシュート。前半のマン・シティは、プレミアリーグと同じ、いつもの強いマン・シティでした。しかし…。ハーフタイムのペジェグリーニさんは、どんな指示を出したのでしょうか。後半になると、マンチェスター・シティの中盤に運動量と緊張感がなくなり、CSKAのパスを簡単に通すようになってしまいます。
今季のプレミアリーグで、チェルシーのモウリーニョ監督が「1点、2店では危ないから3点めを獲りにいって試合を終わらせろ」という指示をしたと語るのを何回か耳にしましたが、ペジェグリーニ監督は、もう1点とはいわず、「現状維持でチェックを徹底」というようなニュアンスの話をしたのではないでしょうか。ゴールを奪うという明確な意志もなく、かといって「ボールをまわして時間をつぶす」「後ろでカットしたら速攻」という共通認識もないようにみえたマンチェスター・シティは、何となく受けに回り、ミドルシュートしかなかったCSKAモスクワに付け入るスキを与えてしまいます。
特に厳しかったのが、ヤヤ・トゥレとマンガラ。前者はパスミスとチェックの緩さが目立ち、後者は自分がマークするべき相手をときどき見失っていました。彼らが蓄積していた膿がいっぺんに出たのが、64分のドゥンビアのゴールでした。
このシーンで、CSKAが中盤でつないだ4本のパスに、マンチェスター・シティの中盤は誰もプレスをかけようとせず、ヤヤ・トゥレはジョグに終始。ノープレッシャーでベブラス・ナチョのスルーパスを許します。最終ラインのマンガラが、縦に走り込んだムサを完全に見失い、グラウンダーのラストパスが出ると、素早く反応したドゥンビアにサバレタが追いつけません。1-2となり、試合はわからなくなりました。どうする?マンチェスター・シティ。ペジェグリーニ監督の最初のカードは、ジェコをヘスス・ナバスでしたが、もし1-2でしっかり守りきるというゲームプランだったのであれば、フェルナンジーニョを先に出し、さらにクリシーあたりを入れたほうが明確だったかもしれません。
CSKAが追いついたのは、86分。コラロフが取られたPKは厳しいジャッジでしたが、問題はその手前で、サバレタが左SBシェニコフを完全にフリーにしていたことでしょう。2-2になると、ペジェグリーニ監督はヨヴェティッチを投入して勝ち越しを狙いますが、一度緩んだチームは元に戻らず、シュートどころかチャンスすら創れません。短い追加タイムはあっという間になくなり、スコアはそのまま。マンチェスター・シティは勝ちゲームをドローにしてしまいました。
いや、痛かったですね。前半、コラロフの2本のきわどいアーリークロスに、ジェコとアグエロがそれぞれあと一歩のところで触れず、ミルナーがファーからシュートをポストに当てたシーンがありましたが、あの攻撃を後半にもできていれば、0-3で試合は終わっていたでしょう。CSKAモスクワの守備は、右のマリオ・フェルナンデスが完全に穴だったので、徹底して左サイドを突けなかったのが悔やまれてなりません。マンチェスター・シティに、ここ4年で3回めのグループステージ敗退が見えてきました。プレミアリーグで優勝と2位という結果を出しながら、欧州で勝てなかったためにクラブを追われたロベルト・マンチーニは、今のマンチェスター・シティをみて「やっぱり解任は不当だった」とでも思っているかもしれません。それにしても、プレミアリーグで無敵の彼らは、なぜ…。
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