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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【EL結果】プレミアリーグを忘れるな!チェルシー、トッテナムは敗退危機からの生還

チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘンもそうでしたが、初戦で絶対的有利な立場に立ったチームのセカンドレグは、それはそれで難しいものがあるんでしょうね。昨季、アーセナルにホームで4-0で勝ったACミランが第2戦、前半で3-0まで追いつめられたように。ミランは後半、あと1点で振り出しに戻ってしまうとなったら、見違えるようにディフェンスラインの集中力が高まり、サイドからドリブルで巧妙にファールを誘って時間を使い、結局逃げ切り。「3点獲られても大丈夫」な状況と、「1点もやれない」という緊張感のなかではこうも人が変わるのか、と思いました。

ヨーロッパリーグ決勝トーナメント2回戦は、結果からいえばチェルシー、トッテナム、ニューカッスルのプレミアリーグ勢は、3チームともベスト8進出を決めました。しかしそれぞれ、苦戦の末の勝利。ファーストレグでインテルを3-0で圧倒したトッテナムが、セカンドレグで延長戦を戦うと誰が想像したでしょうか。0-3とされた追加タイムで、カンビアッソがフリーで放ったシュートがわずかに外れ、トッテナムが命拾いをしているくらいのきわどい決着。初戦を3-0で勝ったとき「ベイルの次戦出場停止はベスト8進出決定のごほうび。インテルのELは終わり」と書きましたが、すみませんでした。何度も予想を外しているのに、また軽々に楽勝予報など出して、お恥ずかしい限りです。

決して一方的に押されたわけではなく、ゲームをコントロールしていた時間はトッテナムのほうが長かったくらいなのですが、ベイルの不在で攻撃の脅威が薄らいだことと、カウンターを志向していたチームにスペースを与えたこと、インテルのこのゲームに賭ける気持ちが並々ならぬものだったことが重なって、結果がワンサイドになったのでしょう。おもしろいのは、状況によって主導権の在り処が激しく揺れ動くこと。2-0になってからは、サポーターとともにインテルがより活気づき、ギャラスが中途半端に出した足に当たってFKが決まり、タイスコアになるとトッテナムはパニック、完全にインテルペース。ところが90分を終え、休憩が入っていったん冷静になれる時間ができるとトッテナムは落ち着きを取り戻し、開き直って攻めモードに突入、一方でインテルは絶対追わなくてはならない状況から解放されたためか、疲れからか出足が鈍り、トッテナムペース。シュートの集中砲火を浴びせ、延長前半のうちにトッテナムが貴重なアウェイゴールを挙げると、またも追いかける必要が生じたインテルが巻き返して、延長後半にゴール。激戦の結末は4-1、トータル4-4ながらもアウェイゴールルールでトッテナムが勝ち抜けましたが、両チームの心理とそのぶつかり具合が試合運びに如実に表れ、興味深いゲームでした。

チェルシーもステアウア・ブクレシュティに苦戦を強いられます。前半、マタが先制ゴールを挙げ、トータルイーブンに戻したものの、前半終了間際、CKのこぼれ球からゴールを許し、1-1。初戦を0-1で落としているので、もう1点獲ってもアウェイゴールを許してしまったチェルシーは勝ち抜けできません。あと45分で2点を獲らなければならない。、状況は前日のアーセナルと一緒です。ただしガナーズになくてブルーズにあったのは、ベストメンバーであったこと、相手とのレベル差、そして自信でしょう。先日のFAカップ準々決勝、マンチェスター・ユナイテッド相手に敵地オールド・トラフォードで2点差を追いついた勢いそのままに、後半攻勢をかけたチェルシーはテリー、F.トーレスが文句なしのゴールを決め、最後にF.トーレスがPKを外すおまけまでつけてブクレシュティの進撃をストップしました。

ニューカッスルも、危ないといえば危ない勝ち方。ロシアのアンジ・マハチカラ相手に初戦を0-0で終え、セント・ジェームズ・パークで迎え撃つこの日はとにかく勝てばOK。結局1-0で勝ちましたが、シセが決勝点を挙げたのは後半の後半、追加タイム4分です。「われわれはELを勝てるクオリティがある」というアラン・パーデュー監督の自信はどこから来るのでしょうか。ひと頃のザルのような守備は改善されましたが、ヨーロッパを勝つには攻撃力がなさすぎると思うのですが…。

大変な試合ばかりでしたが、かくしてめでたく3チームともベスト8に進みました。CLがスペイン3チーム、ドイツが2チームでイングランドがゼロなのに対し、ELは逆にイングランドが3チーム、スペインとドイツはゼロです。他5チームの顔ぶれを見ると、最近調子を落としているものの地力のあるラツィオ、ポルトガルでリーグトップを走るベンフィカ以外は取り立てて強いクラブがなく、プレミアリーグ勢は充分、優勝を狙える位置にいます(って、こんなこと書くとまた外れてダークホースがきそうですね。ルビン・カザンに危ない香りがします)。ベスト8の組み合わせはどうなるのでしょうか。抽選は日本時間で本日20時から。楽しみです。

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