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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Fulham】 ベイルの不調…トッテナム、打開策なき戦い

試合開始から、明らかにいつもの彼ではありませんでした。足の裏でボールを引けずにラインの外に出してしまったり、シュートを大きく天に向けてふかしてしまったり…ガレス・ベイルの話です。ただでさえ、エースがいつもどおりではないうえに、右サイドの超特急アーロン・レノンがいないからか、左偏重の攻撃。フラムも右サイドからの突破で仕掛けることが多いため、ピッチの片側は緊張感の高い戦場と化す一方で、トッテナムの右サイドは中に合わなかったクロスのこぼれが時折、流れてくるだけ。狭いピッチで試合が展開されているので、当然、両チームのディフェンダーは守りやすく、チャンスらしいチャンスがありません。それでもひたすら繰り返される、同じサイドからのクロスと距離のあるミドルシュート。結局これといった打ち手がなく、0-0で前半が終了。あれ?べイルが足を引きずっていますが…。

後半からトッテナムはデンプシーが登場。ベイル交代か?と思いきや、下がったのはドーソン。どうやら、大事には至らなかったようです。後半開始直後、ベイルは右サイドにポジションをとって、中に切れ込むそぶりを見せながら、クロスを入れていきます。おそらく、左に偏った攻撃を是正すべく、ヴィラス・ボアス監督が指示したのでしょう。これはいいアイデアだな、と思ったのもつかの間、先制は何とフラム!52分、リーターが右サイドから裏に完全に抜け出し正確なグラウンダーを出すと、中に走り込んできたのは王様、ベルバトフ!後半になってから守備に全く参加せず、ふらふら歩いていただけのエースが、ここ一時で最高のポジションに入っていきます。どんな球でもピタリと足元に収めてしまうテクニシャンが、触ればOKのボールを外すわけはありません。アシスタントがセッティングしたカメラのシャッターを押して悠々と帰っていく大御所写真家のように、この日のベルバトフの仕事はこれで終わり。それにしても、予想外の展開となりました。

さあ、負けるわけにはいかない、追わないといけないトッテナムですが、外からのロングクロスが中に合ったのはアデバヨルのヘッド1回のみ。ラストパスが不正確で、フラムに楽に守られてしまいます。やはり、ベイルはいつものベイルではありません。ドリブルで仕掛けることもなく、切れ味鋭いパスを出すこともなく。それでも時折、シュートを打つシーンはあるのですが、そこにはGKシュワルツァーが立ちはだかります。70分を過ぎるとフラムは完全にゴール前を固め、逃げ切りを図ります。そのまま無情にも時間は過ぎ、試合が終わろうとしていた87分、ここでようやく初めてベイルらしいプレイ。右サイドを抜け、左足アウトサイドでデフォーに完璧なグラウンダー。デフォーが合わせ、これは決まった、と思った瞬間、またもやシュワルツァーがブロック!追加タイムの4分は、ノーチャンス。トッテナム、連敗。

ノースロンドンダービーでアーセナルを叩き、引き離した勝ち点差をすべて吐きだし逆に詰め寄られ、1試合消化が少ないアーセナルが勝てば、もはや勝ち点差は1しかありません。アーセナルが上位対決をほぼ終え、ホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦しかないのに対し、チェルシー、マンチェスター・シティ戦を残すトッテナム。いよいよ、お尻に火がつきました。次戦スウォンジー、その次がエヴァートン。嫌らしい相手が続きます。

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