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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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アーセナル危なげなし、マンチェスター勢は大苦戦~FAカップ3回戦結果速報!

1月3日・4日の両日、イングランド各地でFAカップ3回戦が開催されました。3日のプレミアリーグ勢は波乱なし。トニー・ピューリス監督のデビュー戦となったWBAは、ベラヒーノの4発含む7ゴールで圧勝。スウォンジーは、ボニーの陰にかくれがちなバフェティンビ・ゴミスの2発でトレンメアに2-6で完勝しています。パーデュー監督がクラブを去ったニューカッスルがアウェイでレスターに敗れましたが、プレミアリーグでリヴァプールを苦しめたばかりの「元気な最下位」にやられた敗戦は、サプライズとはいえないでしょう。

そして、4日にはトップクラブが続々と登場。こちらも、サウサンプトンが本拠地セント・メアリーズでイプスウィッチ相手にドローゲームを演じてしまった以外は無風。とはいえ、マンチェスター勢は大苦戦でした。負傷者が多いためにターンオーバーできず、ボヤタとカバジェロ以外は現状のベストメンバーといっていい布陣だったマンチェスター・シティ。本拠地エティハドのゲームにも関わらず、キャピタルワンカップで7-0と圧勝したシェフィールド・ウェンズデーに、14分にメイからヌヒューとつながれたカウンターで先制点を許します。昨季プレミアリーグ王者が同点に追いつくには、50分という長い時間が必要でした。

チームを救ったのは、絶好調ミルナーと途中出場のダヴィド・シルヴァ。66分、ナスリのパスを受けたスペイン代表MFがダイレクトでミルナーにつないだ同点ゴールと、ヘスス・ナバスのグラウンダーにダヴィド・シルヴァが飛び込み、こぼれ球にミルナーが詰めた終了間際の決勝ゴールは、いずれも完璧な崩し。ただでさえ厳しいスケジュールのなか、アウェイで再試合をしなくてはならないところまで追いつめられていたマン・シティにとって、最後のゴールはプレミアリーグを戦いやすくする値千金の一発でした。

このほか、私が観戦したのは、ヨーヴィルVSマンチェスター・ユナイテッドと、アーセナルVSハル・シティの2試合でしたが、同じ2-0勝利でも中身は大違い。ファン・ハール監督は、キャピタルワンカップでミルトン・キーンズ・ドンズに惨敗した苦い記憶を消去してしまったのでしょうか。ブラケットとマクネアを最終ラインに並べ、調子が上がらないエレーラとフレッチャーを中盤に置いたスタメンには苦戦の予感が漂っておりましたが、いざ試合が始まってみると予想通り。前半を0-0で終えたマン・ユナイテッドは、再三ポジショニングを間違えていたマクネアが、54分にゴール前でマークを離してムーアにきわどいシュートを放たれます。

中盤がスカスカで、パスはつながるもののコンビネーションは皆無だったアウェイチームが先制したのは64分。中央のフレッチャーのパスをペナルティエリア手前で受けたエレーラが、ダイレクトで目が覚めるようなミドルを叩き込みます。出会い頭のような一発という、この日の出来にふさわしいゴールで優位に立ったものの、マン・ユナイテッドの攻撃は依然として遠めからのシュートしかありません。唯一の収穫は、ファルカオに代わってピッチに入ったディ・マリアの復帰といきなりのゴール。89分、自陣からの縦パス1本で独走態勢に入った背番号7が、余裕をもってGKの脇を抜くダメ押しの一発を決め、マンチェスター・ユナイテッドは真夏の悪夢を繰り返すことなく4回戦に歩を進めました。

エミレーツで行われた昨季FAカップ決勝の再戦は、アーセナルの完勝。ヴェンゲル監督のチームの強さより、ハル・シティの元気のなさが気になるゲームでした。20分のCKで、メルテザッカーが文句なしのヘッドを叩き込むと、ゲームは完全にガナーズペース。直後にロシツキのパスを受けたアレクシス・サンチェスが、GKまでかわしてシュート。このピンチはDFが戻ってクリアしますが、ハル・シティは追加点を奪われないのが精一杯です。

この日のガナーズは、オスピナ、ベジェリン、ジョエル・キャンベルに加えて、ウォルコットが久々のスタメン。66分にカソルラのスルーパスに反応しながら大きく外してしまったウォルコットは、トップフォームには程遠い状態でしたが、キレキレだったカソルラと落ち着いたロシツキが中盤を制圧し、不調選手の存在を感じさせません。82分、DF3人を引きつけたカソルラが、アレクシス・サンチェスにラストパスを通すと、エースがゴール右隅にきれいなシュートを沈めて勝負あり。構想外となったベナルファがプレミアリーグを離れ、空回りが続くガストン・ラミレスも不在だったハル・シティは、前線と後ろをつなぐ選手がおらず、危険なシュートすら打てないままに土俵を割りました。やはり、アレクシス・サンチェスの1対1の強さと運動量は素晴らしいですね。次戦のプレミアリーグ、ストーク戦は、アーセナルの最前線にジルーが戻ってきます。

【FAカップ3回戦・プレミアリーグ勢の結果&今後の予定】
■1月3日結果
WBA 7-0 ゲーツヘッド
レスター 1-0 ニューカッスル
トレンメア 2-6 スウォンジー
■1月4日結果
アーセナル 2-0 ハル・シティ
サウサンプトン 1-1 イプスウィッチ
ストーク 3-1 レックスハム
ドーバー・アスレティック 0-4 クリスタル・パレス
マンチェスター・シティ 2-1 シェフィールド・ウェンズデー
アストン・ビラ 1-0 ブラックプール
サンダーランド 1-0 リーズ
チェルシー 3-0 ワトフォード
QPR 0-3 シェフィールド・ユナイテッド
ヨーヴィル 0-2 マンチェスター・ユナイテッド
■1月5日開催
バーンリー VS トッテナム
ウィンブルドン VS リバプール
■1月6日開催
エヴァートン VS ウェストハム

5日と6日で、残り3試合。リヴァプール、トッテナム、エヴァートンが登場します。最近調子を上げているトッテナムですが、プレミアリーグ勢対決となったアウェイのバーンリー戦は要注意です。リヴァプールは、リーグ2(4部相当)のウィンブルドンにはさすがに負けないでしょう。相手関係がいちばんきついのは、好調ウェストハムと戦うエヴァートン。守備に不安があるロベルト・マルティネス監督のチームが、サコ、キャロル、エネル・バレンシアを完封できるとは思えません。

ドローに終わったセインツは、1月14日の再戦が決まりました。マネや吉田麻也がチームを離れ、やりくりが大変になったクーマン監督にとっては、やりたくない試合でしょう。FAカップが年明けに加わると、今までにもましてタイトなスケジュールを強いられます。今月末には4回戦が開催されますが、すべての強者が順当に勝ち上がった年などないのがFAカップ。次のラウンドでは、ジャイアントキリングがあるはずです。

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“アーセナル危なげなし、マンチェスター勢は大苦戦~FAカップ3回戦結果速報!” への1件のコメント

  1. 1月14日の再戦が決まりました

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