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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベナルファはニース、ポドルスキはインテル…「冬のプレミアリーグ離脱組」に勝算はあるか⁉

レンタル先のハル・シティでは8試合ノーゴール。スティーブ・ブルース監督に完全に嫌われ、所属するニュー・カッスルは、グフラン、アヨゼ・ペレス、ムサ・シソコにリヴィエールまでおり、居場所なし。中盤の選手が多いニースという選択肢がいいかどうかはともかく、少なくともプレミアリーグには彼の巻き返しに期待するクラブはなかったでしょう。以前はベンゼマと並び称されるほどの評価を受けていた天才、アテム・ベナルファは、過去所属したリヨン、マルセイユ、ニューカッスルで、「1シーズン輝きをみせるとその後失速、最後は揉めてクラブを去る」というサイクルを繰り返してきました。3日に、リーグ・アン中位のニースとの基本合意が発表され、メディカルチェックを通れば移籍決定となる元フランス代表MFは、かつての輝きを取り戻せるのでしょうか。

ベナルファがハル・シティで機能しなかったのは、守備をしないことと、ともするとそのテクニックがシンプルにゴールに向かわず、攻撃を遅くしてしまうことが原因だったのではないかと思います。プレミアリーグの中堅以下のクラブが残留を果たそうと思えば、速くシンプルにゴール前にボールを届けるのは絶対命題。松井大輔がいなくなってからのリーグ・アンは、ほとんど観る機会がありませんでしたが、プレミアリーグのように直線的ではなく、一定パスをつないで攻めるスタイルが今もって主流だとすれば、ベナルファが活躍できる余地はより大きくなるでしょう。

とはいえ、まずは彼自身が意識を変えないと難しいでしょうね。いいときのドリブルや鋭いパスは、一発で試合を変えるほどのインパクトがあるものの、ムラがあって消える時間帯が多い選手でもありました。これを解決するのは、球離れをよくすることと、運動量でしょう。そういえば、彼がニューカッスルでいちばん活躍したシーズンは、クラブがプレミアリーグ5位にジャンプアップして、アラン・パーデュー監督がリーグ最優秀監督に選ばれたシーズンでもありました。当時の監督と主力が同時にクラブを離れた2015年1月は、ニューカッスルにとって、ひとつの時代の終わりなのかもしれません。

失意のベナルファに対して、同様に出場機会に恵まれないながらも「フォルツァ、インテル!」と明るくイタリアに乗り込んできたのは、ルカス・ポドルスキ。移籍金が払えないといわれるインテルは、レンタルという形をとりましたが、「年俸が半分になるのをポドルスキが了承した」という噂もあり、活躍しさえすれば片道切符になるのではないかと思われます。ポドルスキもまた、アーセナルでは守備と連携に難があるといわれておりましたが、さほど難しい戦術を持ち込まないマンチーニ監督ならいいのではないでしょうか。

ポジションは、どこになるのでしょう。4-3-1-2の1に入るのか、4-3-3の左か。あるいは、ゴールが奪えないパラシオに代わって、2トップの一角を担う可能性もあります。ポドルスキは、ビッグクラブでプレイするより、プレミアリーグやブンデスリーガの中堅以下のクラブで王様扱いされたほうがいいのではないかと思っておりました。しかし、マンチーニ監督が2トップのひとりに固定し、プレイエリアを制限せずに使ってくれれば、得意のミドルシュートをかませながらゴールを量産してくれるかもしれません。何より率直で明るいキャラは、イタリア向きでしょう。クラブOBのローター・マテウス氏からは、「プレイよりもツイートのほうが多い」などと揶揄されていましたが、思い切りのいいシュートと縦への突破で、見返していただければと思います。

ベナルファは疑問、ポドルスキはいけそうというのが私の見立てですが、いかがでしょうか。この冬は、さらに数人、プレミアリーグを離れる選手が出るでしょう。気になっているのは、ヤヌザイ、バロテッリ、アデバヨル、レノンです。それぞれ力があり、プレミアリーグで観続けたい選手なので、大陸に新天地を求めることなく巻き返していただきたいのですが…。

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