2021.01.31 プレミアリーグ観戦記プレミアリーグ観戦記2020-21
【MAN.CITY×Sheff.UTD】堅守健在で8連勝!モデルチェンジに成功したペップがめざすのは…!?
2002年にローマでガブリエル・バティストゥータに出会わなかったら、ペップはこれほどの戦術家になっていたでしょうか。「監督になるなら、ビエルサの話を聞くべきだ」。ベテランストライカーのアドバイスを忘れなかったペップは、バルサで指揮を執る前に、故郷ロサリオで浪人生活を送っていた奇才を訪ねました。15歳も年下の若き指導者を快く迎えたビエルサは、11時間にも及ぶマンツーマンレッスンで戦術を伝授。ペップが持参したノートは最後のページまで埋まり、指揮官としてのノウハウに加えて、新しいノートまでもらったそうです。
絶対になくせない宝物のようなノートを携え、2008年にバルセロナで監督としてのキャリアをスタートさせたペップは、現在、何冊めを使っているのでしょうか。バルサで築き上げたポゼッションサッカーは一世を風靡したものの、2011-12シーズンに速攻主体だったモウリーニョのレアル・マドリードに敗れ、CL準決勝でもベタ引きのチェルシーに2試合トータル3-2で敗退。パスをつないで押し込むサッカーに限界を感じたのか、2013年から率いたバイエルンでは最後方のボアテングがレヴァンドフスキにロングフィードを通すシーンが目立ち、中盤を制圧する戦い方と速攻をミックスしたチームを創り上げました。
ドイツではCLを制覇できず、2016年2月にマンチェスター・シティと契約すると、プレミアリーグでもポゼッションとカウンターを使い分ける戦術を踏襲。2017-18シーズンは32勝4分2敗という圧倒的な強さで独走優勝を果たし、プレミアリーグ史上初の100ポイントと106ゴールという空前絶後のレコードを残しました。これだけの成果が出たら、一流といわれる監督でも「自分のスタイルは正しい」と確信し、新たなスタイルを追い求めたりはしなくなるでしょう。しかし、ペップはよくみかける一流ではありませんでした。
アグエロを使えない2020-21シーズン。ルベン・ディアスとジョン・ストーンズを最終ラインに据えた指揮官は、それまでとは打って変わって堅守のチームを仕上げて首位を走っています。「CBがいなければ、MFを下げればいい」とうそぶいていた男が、CBを5人も揃え、ゼロトップで戦うとは…。ルベン・ディアスの相棒に、ジョン・ストーンズを指名したのもサプライズ。昨季まで絶対的な存在だったラポルテは、プレミアリーグ出場6試合に留まっています。
SBのジョアン・カンセロがアンカー、トップ下とめまぐるしくポジションを変え、デブライネ、マフレズ、スターリング、ベルナルド・シウヴァと、時間帯によってトップが入れ替わる変態サッカー。エティハドのドレッシングルームには、コンビニのトイレのように最前線当番のシフト表が貼ってあるのかもしれません。
ヴィラ戦もWBA戦もアグエロがいないのに、フェラン・トーレスとガブリエウ・ジェズスはベンチスタート。昨日行われた最下位シェフィールド・ユナイテッドとのゲームでは、ガブリエウ・ジェズス、ラポルテ、フェルナンジーニョ、フェラン・トーレスを起用しておりましたが、その意図はサブの選手のコンディショニングだったのかもしれません。開始9分、ボックス右に走り込んだフェラン・トーレスが転倒しながらもボールをキープし、ボーグルとアンパドゥを強引に抜き去ってラストパス。完全にフリーだったガブリエウ・ジェズスのミスタッチはGKラムズデールに対するフェイントとなり、すぐさま体勢を立て直したストライカーがゴール右に蹴り込みました。
プレミアリーグの直近10試合のうち、8試合をクリーンシートで終えているチームが、最弱の攻撃陣に失点を喫するわけがないと思いました。この日のマン・シティは、体力の消耗とつまらないミスを回避することを優先しているようでした。前半は、これといってチャンスなし。55分のフェラン・トーレスのアーリークロスは、ガブリエウ・ジェズスの前に出たラムズデールがキャッチしました。67分に右から突破を図ったフェラン・トーレスがボーグルと接触して倒れたシーンは、笛は鳴らず。71分にフォーデンの落としを叩いたジンチェンコのミドルは、ラムズデールが左に弾き出しました。
87分、ロングフィードをビリー・シャープが胸で落とすと、フレックがダイレクトで打った左足シュートが右隅へ。唯一、ヒヤリとさせられたシーンでしたが、ボールはポストの右に切れていきました。93分にフォーデンがドリブルで仕掛けたカウンターは、ラストパスを左でもらったガブリエウ・ジェズスの一撃をラムズデールが左に弾き出すビッグセーブ。マンチェスター・シティは、オンターゲットを1本しか許さず、プレミアリーグ8連勝で首位をキープしました。
ペップが堅守を志向したのは、プレミアリーグのトロフィー奪還よりも、クラブにとって悲願のチャンピオンズリーグ制覇を実現するためなのかもしれません。マンチェスターに来てからの過去4シーズンは、すべての大会で1試合3失点を喫したのが命取りとなり、ベスト4進出すら果たせていません。ルベン・ディアスとジョン・ストーンズが最終ラインに君臨する2020-21シーズンは、アウェイゴールを許さずビッグイヤーを手にすることができるでしょうか。いや、それにしても、本職のセンターフォワード2人合わせてたった3ゴールで首位とは…。
絶対になくせない宝物のようなノートを携え、2008年にバルセロナで監督としてのキャリアをスタートさせたペップは、現在、何冊めを使っているのでしょうか。バルサで築き上げたポゼッションサッカーは一世を風靡したものの、2011-12シーズンに速攻主体だったモウリーニョのレアル・マドリードに敗れ、CL準決勝でもベタ引きのチェルシーに2試合トータル3-2で敗退。パスをつないで押し込むサッカーに限界を感じたのか、2013年から率いたバイエルンでは最後方のボアテングがレヴァンドフスキにロングフィードを通すシーンが目立ち、中盤を制圧する戦い方と速攻をミックスしたチームを創り上げました。
ドイツではCLを制覇できず、2016年2月にマンチェスター・シティと契約すると、プレミアリーグでもポゼッションとカウンターを使い分ける戦術を踏襲。2017-18シーズンは32勝4分2敗という圧倒的な強さで独走優勝を果たし、プレミアリーグ史上初の100ポイントと106ゴールという空前絶後のレコードを残しました。これだけの成果が出たら、一流といわれる監督でも「自分のスタイルは正しい」と確信し、新たなスタイルを追い求めたりはしなくなるでしょう。しかし、ペップはよくみかける一流ではありませんでした。
アグエロを使えない2020-21シーズン。ルベン・ディアスとジョン・ストーンズを最終ラインに据えた指揮官は、それまでとは打って変わって堅守のチームを仕上げて首位を走っています。「CBがいなければ、MFを下げればいい」とうそぶいていた男が、CBを5人も揃え、ゼロトップで戦うとは…。ルベン・ディアスの相棒に、ジョン・ストーンズを指名したのもサプライズ。昨季まで絶対的な存在だったラポルテは、プレミアリーグ出場6試合に留まっています。
SBのジョアン・カンセロがアンカー、トップ下とめまぐるしくポジションを変え、デブライネ、マフレズ、スターリング、ベルナルド・シウヴァと、時間帯によってトップが入れ替わる変態サッカー。エティハドのドレッシングルームには、コンビニのトイレのように最前線当番のシフト表が貼ってあるのかもしれません。
ヴィラ戦もWBA戦もアグエロがいないのに、フェラン・トーレスとガブリエウ・ジェズスはベンチスタート。昨日行われた最下位シェフィールド・ユナイテッドとのゲームでは、ガブリエウ・ジェズス、ラポルテ、フェルナンジーニョ、フェラン・トーレスを起用しておりましたが、その意図はサブの選手のコンディショニングだったのかもしれません。開始9分、ボックス右に走り込んだフェラン・トーレスが転倒しながらもボールをキープし、ボーグルとアンパドゥを強引に抜き去ってラストパス。完全にフリーだったガブリエウ・ジェズスのミスタッチはGKラムズデールに対するフェイントとなり、すぐさま体勢を立て直したストライカーがゴール右に蹴り込みました。
プレミアリーグの直近10試合のうち、8試合をクリーンシートで終えているチームが、最弱の攻撃陣に失点を喫するわけがないと思いました。この日のマン・シティは、体力の消耗とつまらないミスを回避することを優先しているようでした。前半は、これといってチャンスなし。55分のフェラン・トーレスのアーリークロスは、ガブリエウ・ジェズスの前に出たラムズデールがキャッチしました。67分に右から突破を図ったフェラン・トーレスがボーグルと接触して倒れたシーンは、笛は鳴らず。71分にフォーデンの落としを叩いたジンチェンコのミドルは、ラムズデールが左に弾き出しました。
87分、ロングフィードをビリー・シャープが胸で落とすと、フレックがダイレクトで打った左足シュートが右隅へ。唯一、ヒヤリとさせられたシーンでしたが、ボールはポストの右に切れていきました。93分にフォーデンがドリブルで仕掛けたカウンターは、ラストパスを左でもらったガブリエウ・ジェズスの一撃をラムズデールが左に弾き出すビッグセーブ。マンチェスター・シティは、オンターゲットを1本しか許さず、プレミアリーグ8連勝で首位をキープしました。
ペップが堅守を志向したのは、プレミアリーグのトロフィー奪還よりも、クラブにとって悲願のチャンピオンズリーグ制覇を実現するためなのかもしれません。マンチェスターに来てからの過去4シーズンは、すべての大会で1試合3失点を喫したのが命取りとなり、ベスト4進出すら果たせていません。ルベン・ディアスとジョン・ストーンズが最終ラインに君臨する2020-21シーズンは、アウェイゴールを許さずビッグイヤーを手にすることができるでしょうか。いや、それにしても、本職のセンターフォワード2人合わせてたった3ゴールで首位とは…。
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