スポンサーを失い、8人との移籍交渉が決裂し、FIFAに叱られ…踏んだり蹴ったりウェストハム!
ウェストハムは、6年前にも胸のスポンサーだった旅行会社に飛ばれています。これは偶然か、あるいは悪い男に引っかかりやすい体質なのか。とはいえ、来季のプレミアリーグが始まるまでにはまだ時間があります。アルパリ社よりも条件のいいスポンサーを見つけてくればいい話なのですが、2月2日、第2の災難がイーストロンドンを襲います。この日は冬の移籍市場のデッドライン・デイ。ウェストハムは、トッテナムのアデバヨルやマンチェスター・ユナイテッドのダレン・フレッチャーなど、8人の選手の獲得交渉をパラレルで進めていました。
イギリスメディア「BBC」のインターネットLIVEが「Time for a panic signing?」 と打ち出したのは締め切り2時間前の現地時間21時。このとき、8件の交渉がすべて生きていたウェストハムは、マスコミからパニックバイだといわれようと、どれか1件は決めたかったでしょう。今季プレミアリーグで先発出場わずか4試合のストライカー、カールトン・コールは、クラブがFWを獲得したら、既にメディカルチェックまで終えていたWBAとの契約書にサインできます。しかし、結果は残酷でした。アデバヨルいわく、トッテナムのレヴィ会長はロンドンのライバルクラブに塩を贈るのを嫌がったそうです。ウェストハム、8戦全敗、オール破談。イギリス紙「デイリー・ミラー」によると、50万ポンドの移籍金でクラブを離れるはずだったカールトン・コールは、アラダイス監督に移籍話はフリーズだと聞いた瞬間、WBAの関係者の前で「おまえは俺のキャリアを台なしにしやがった!」と、聞くに堪えない4文字の罵詈雑言を浴びせながら絶叫したそうです。いやいやいや、心中お察ししますが、悲劇と喜劇は紙一重、まるでマンガです。
新戦力を得られず、プランが狂ったアラダイス監督とデイヴィッド・サリヴァンオーナー。それでもウェストハムは、欧州へのチケットまで6勝ち点差につけており、FAカップも5回戦進出決定。オフィスはトラブル続きでも、ピッチの上では元気です。しかし、2月4日に飛んできた第3の災難は、ピッチでの出来事に対するツッコミだったのです。
文句をつけてきたのは、FIFAの懲戒委員会。問題は、1月25日に開催されたFAカップ4回戦のブリストル戦に、アフリカネーションズカップを辞退したセネガル代表FWディアフラ・サコが出場していたことです。サコは、1月上旬に負傷のために代表を辞退。件の試合の日は、大会不参加を発表してから18日めでした。うーん、微妙。FIFAは「国際大会への参加が義務づけられた選手は、原則、クラブの試合に出場できない」と定めていますが、「全治2~3週間」という診断ならフツーにアフリカには行かないでしょうし、早めに治れば試合で使いたいところ。同じくセネガル代表を辞退したサウサンプトンのサディオ・マネは、2月1日のプレミアリーグに出場しています。ちなみに、セネガルが大会を去ったのは1月27日。これより前はアウト、後ろならセーフという仕切りなのでしょう。間が悪いことに、ブリストル戦はサコの決勝ゴールで勝ってしまったのです。
この件でウェストハムに課されたペナルティは、7万1000ポンド(約1250万円)の罰金。これだけなら、FAカップ5回戦進出で入ってくるお金を考えればややプラスです。ところがFIFAは、FAにウェストハムのFAカップ追放を要請しているとのこと。チェルシーやマンチェスター・シティ、サウサンプトンが次々と敗れたFAカップ4回戦に、さらにもうひとつ「ピッチの外から逆転ゴールが飛んできたジャイアントキリング」が加わるかもしれません。「脇が甘かったウェストハム」という話なのでしょうが、何しろ3発めの災難。理屈ではわかるものの、同情を禁じえません。
めげずにがんばれウェストハム!といってあげたいところなのですが、今週末のプレミアリーグでアップトンパークに乗り込むのはマンチェスター・ユナイテッドなんですよね。「FAカップ追放となるなら、その発表は試合前日の土曜日までに…」という意地の悪い考えが、頭の隅を駆け抜けていったのは事実です。すみません。自分の応援しているクラブの利害に関わるとなると、ついつい。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
更新ご苦労様です。
ハマーズ泣きっ面に蜂ですね、、、。
ディールの失敗は相手のある話ですからまだ分かりますが、FA Cupの失態はいただけないですね。FIFAからの制裁が一番堪えそうですね。。。
Mackiさん>
よりによって決勝ゴールですからね…。どんでん返しの4回戦敗退などあれば、選手たちは相当ショックでしょうね。