偏愛的プレミアリーグ見聞録

え？これはどういうことですか？もしかして、3バック…！ジョン・ストーンズ、ルベン・ディアス、ラポルテが全員スタメンで、バンジャマン・メンディとジョアン・カンセロがサイドということは、3-4-3でしょう。プレミアリーグ28節、フラムVSマンチェスター・シティ。このタイミングでのペップのフォーメーション変更は、「CLのボルシアMG戦をにらんで」と理解すればいいのでしょうか。中盤センターはベルナルド・シウヴァとロドリ、前線はアグエロ、ガブリエウ・ジェズス、フェラン・トーレス。どんな戦い方になるのか、まずは見てみましょう。

キックオフから、フラムが攻勢。マンチェスター・シティは、いつになく低い位置からビルドアップを始めています。4分にボックス右でラポルテと対峙したルックマンは、2度めの切り返しが余計で、角度を失ったシュートをCBにぶつけてCKです。プレミアリーグ18位のフラムは、リヴァプールに1-0で勝ったばかりで、首位相手にひるむ気配はありません。12分にフェラン・トーレスが中央から上がったショートカウンターは、レミナが戻ってつぶしました。

相変わらずジョアン・カンセロが中央に絞るシーンが多く、サイドでプレイしようとしているのはバンジャマン・メンディのみです。18分、サイドにいたジョアン・カンセロがボックス右に斜めのラストパス。走り込んだフェラン・トーレスがダイレクトで叩くと、GKアレオラが足でブロックしました。26分、CKのクリアをボックスの外で拾ったフェラン・トーレスのミドルは、右にアウト。30分のフラムの波状攻撃はラストパスが通らず、エデルソンを脅かすには至りません。

33分に右からドリブルで勝負したベルナルド・シウヴァは、3人かわして放ったシュートに力が入らず、アレオラがキャッチ。フラムのアタックはクロスの精度が低く、41分に久々にボックスに入ったテテも、CKをゲットするのが精一杯です。45分に右から突破を図ったアグエロのシュートは、アレオラの正面。前半のシュート数は1対4で、両者ともにうまくいっていないのは明らかです。後半開始直後の46分、左から蹴ったジョアン・カンセロのFKはゴール前に落ちる完璧な弾道。走り込んだジョン・ストーンズが右足でうまく合わせ、プレミアリーグ首位チームが先制しました。

攻めるしかなくなったフラムは、ペップが築き上げた堅守を崩せるでしょうか。53分、右サイドのベルナルド・シウヴァがハリソン・リードとアイナを次々に抜き去り、折り返しを受けたロドリがダイレクトショットを放ちますが、飛んだコースはアレオラの守備範囲です。勝負が決したのは56分。自陣左から中央に進んだカヴァレイロがアンデルセンに落としたパスが厳しく、苦しい体勢で蹴ったボールがカヴァレイロに当たってガブリエウ・ジェズスの前にこぼれます。GKを抜き去った9番が右隅に突き刺し、0‐2。この一撃で、ホームチームは集中力を切らしてしまいました。

59分、自陣左でアダラビオヨがフェラン・トーレスに奪われると、ボックスに入ったところで後ろから引っかけてしまい、ジャッジはPK。ゴール左に決めたアグエロは、今季プレミアリーグ初ゴールです。67分、ベルナルド・シウヴァが下がってフェルナンジーニョがセンターへ。セットピースと相手のミス2回でセーフティリードとなったマンチェスター・シティは、アクセルを踏むことなく試合を畳むモードに突入しています。

ボルシアMG戦で活躍してほしいルベン・ディアスが75分で退き、11月のバーンリー戦以来のプレミアリーグとなるエリック・ガルシアが最終ラインへ。82分にミトロヴィッチがポストに入り、ボックスにスルーパスを転がすと、抜け出したオノマーのシュートは必死に戻ったラポルテがブロックしました。アンフィールドでシュート10本を放ったチームは3本しか打てず、オンターゲットゼロのままタイムアップを迎えました。

デブライネ、フォーデン、ギュンドアン、マフレズは最後までベンチ。チャンピオンズリーグのボルシアMG戦と、FAカップ準々決勝のエヴァートン戦を見据えた起用で0‐3完勝なら、オープンプレーからのファインゴールがなくても納得でしょう。残り8試合を5勝3敗か4勝2分2敗ならOK。プレミアリーグのトロフィー獲得を確実にしたペップと選手たちの目標は、4冠ゲットです。