イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

2014-15シーズン現地観戦記~(2)「アラダイス出て行け!」愛と怒りのアップトンパーク

「2014-15シーズン現地観戦記~(1)チケットが届かない!? かなりアバウトなアップトンパーク」より続きます。

入場ゲートはチケットにTURNSTILE9-15と記載。TURNSTILEというのは回転ドア式のゲートで、イングランドのスタジアムではおなじみです。指定された番号のゲートに行き、入り口の読み取り機にバーコード部分をかざすと、ロックされたゲートが「プー」といって開く仕組み。ゲート前で荷物チェックがあるスタジアムもありますが、ここは全くのノーチェックでした。カメラも、一眼の持ち込みは禁止というようなところもあるそうですが、ここでは全くスルーの模様です。

場内はクラシックな四角い作りで、椅子も硬いプラスチックの椅子。メインスタンドでも屋根は全体にはかぶさっておらず、J列くらいまでの席は雨が降ると濡れるかもしれません。ですが、最前列はピッチレベルというか下手するとピッチより一段低いくらいで、臨場感はさすが。このあたり、浦和や豊田、鹿島のようなサッカー専用スタジアムであっても、ずいぶん高いところからピッチを見下ろす作りが主流の日本のスタジアムとは違います。なんで日本のスタジアムはああいう作りなんだろ?

そしてこのスタジアムの名物(?)は、試合開始や得点時に飛ばされるシャボン玉。なんかささやかな感じではあるのですが、またそのささやかさが、昔ながらのスタジアムといい感じで合ってます。


また、全く可愛くないことで有名なイングランドのマスコットですが、チケット発券でもたついたこともあり、姿を観ることができたのはハーフタイムのみ……なんか可もなく不可もないふつうのくまが出てきましたが、聞くところによると、ここにはもっと変チクな「ハンマーマン」もいるという話で、コイツの姿を拝めなかったのは大いに不覚でした。やっぱり席には早めに着くべきですね。

さて、スタメン紹介で最も多くの拍手を受けていたのは16番のマーク・ノーブル選手。1987年生まれ、13歳でウエストハムに加入し、02-03シーズンに最年少でリザーブチーム、04年にトップチームでデビュー、以後2度ほどローンに出されるもあとはウエストハム一筋。(あっ、よく見たら子どもの頃はアーセナルでトレーニングしてたって書いてあるな……まあいいや)今回の試合中には、前半、ゴールほぼ正面のフリーキックをバーに当てたとっても惜しいシーンが目立ちましたが、プレースキックは基本彼の役目のようで、チームの顔のような選手なのでしょう。2日前に2021年までの長期契約にサインしたらしく、それも拍手の理由だったかもしれませんね。

筆者はアーセナルファンで、基本はアーセナルのことしかよく分からないこともあり、この日の注目選手は元アーセナルのアレックス・ソング選手と、アーセナルからローンに出ているカール・ジェンキンソン選手。ソングは、どっちかというと労働者役だったアーセナル時代と違って、比較的低い位置からボールを配給し、攻撃の起点みたいな役割を果たしているように見えましたが、後半突然やる気をなくしたように見えるのはあんまり変わらず。また全体的に左サイドからの攻撃が多く、右サイドバックから上がって攻撃参加するジェンキンソンの姿はあまり見られませんでした。というかジェンキンソンは失点シーンで競り負けたりしてたような……個人的にとても期待している選手なので、修業先でも頑張ってほしいんですけども!なお、クリスタルパレス側にも元アーセナルのマルアン・シャマフ選手、アーセナルからローン中のヤヤ・サノゴ選手がいますが、この日はどちらもベンチ入りさえありませんでした。

試合の方はご存じのとおり、シーズン前半トップ4入りの勢いで勝っていたハマーズが、プレミアリーグ残留争い中のクリスタルパレスに1-3で敗北。後半の早い時間までに3点が入ったところで、あとはプレーが止まるたびにホームサポが帰っていくような状態でしたが、それでも後半の後半、何度か攻撃のシーンがあるとわりと温かい拍手が起こり、何と言うか、勝敗にシビアな超一流クラブとはちょっと違う、ローカルなクラブっぽいよさを感じた気がします。クリスタルパレスは、2点取ったマリー選手がイエロー2枚で退場になってからは全員で自陣に引きこもるようなドン引きフットボールで、あれを破って得点するのはなかなか難しかっただろうなあ。

そしてよくよく考えると、監督はアラダイス対パーデューという濃い対決。後半は二人とも(パーデューは前半も)ピッチサイドに立ちっぱなしで頑張っていましたが、最後はそのアラダイスに「Get out Allardyce!!!」と怒鳴って帰る人が出る結果に……まあなあ、シーズン序盤はまさかの(失礼)チャンピオンズリーグ出場⁉というペースだっただけに、ガッカリも大きいのでしょうか。


最後に、この日の前半38分には、ビジョンに例のトンビデス選手が映し出され、スタジアム全体が拍手に包まれるという一幕がありました。何でもかんでも流行りのように「○○分に拍手」というのはあまり好きではない筆者ですけども、この拍手はまさに本来の姿というか、プレミアリーグらしさを感じる一コマだったと思います。しかし、このスタジアムの雰囲気といい街の雰囲気といい、ファンには愛着が深いだろうに、本当に離れた場所に移転しちゃっていいのかなあ。

試合が終わって駅の反対側を何となく歩きつつ、THE BOLEYNというサポーター御用達のパブを眺めるにつけ(実はアップトンパークは通称で、正式名称はブーリン・グラウンド)、改めてそんなことを思いました。

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“2014-15シーズン現地観戦記~(2)「アラダイス出て行け!」愛と怒りのアップトンパーク” への5件のフィードバック

  1. Joe より:

    8年くらい前にアプトンパークでテベスとマスチェラーノのテビュー戦を観戦しましたが、ほぼ変わってないですね。変わったのはチケットの値段ですね。ハマーズの試合なら、前日当日でも十分に買えると思いますよ。スタジアムが変わっていくのは寂しいですね。

  2. Joe より:

    あっ、後の変わるは移転のことです

  3. ちくちく より:

    とっても興味深く読ませてもらいました!

    続編期待してます!

  4. ほにゃほにゃ より:

    こういう記事もいいですね
    いつかプレミア生観戦せたいなー

  5. とくはいん(本人) より:

    ちなみにこの試合のチケットですが、しばらくソールドアウトの状態が続いていて、現地チケットサイトなどでは£120~などという凄い値段が付いていました。翌ミッドウィークのチェルシー戦は余裕で残っていたにも関わらずです。日本の感覚だと、チェルシー戦の方が争奪戦になりそうな気もするのですが、平日夜の試合はみんな行き辛いのか、あるいはチェルシー戦じゃ負ける可能性が高いからなのか気になるところですね。その後、公式サイトにチケットが戻り、通常価格で買えたのですが、それでもロウアーで£50超え。高いです。

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