2021.04.13 監督トピックス
スールシャールはレフェリー&VAR、モウリーニョはプレスを非難…今回は舌戦ではありません。
「If that was my son and he stays down and he needs his mates to help him up, he doesn’t get food because that’s embarrassing」。ピッチに倒れ、チームメイトの手助けを必要としたのが自分の息子だったら、恥ずかしいからメシを食わせないね…! オーレ・グンナー・スールシャールは、ソン・フンミンを非難したかったわけではなく、彼の名前と「son(息子)」を引っかけたダジャレをいいたかっただけでしょう。プレミアリーグ31節のスパーズ戦は、1-3で鮮やかな逆転勝利を決めており、34分にカバーニの素晴らしいゴールが取り消されたシーンは忘れてもいい出来事になっていました。プレスに見解を求められ、冒頭のコメントを残したときは、肩をすくめて笑みを浮かべていたのです。
「明白なエラー。見直すべきだ。あれは完璧ないいゴール。残念ながら、レフェリーがわれわれがフットボールをしていなかったと判断したか、VARが決めたのだろう。あれがファールなら、ショックだね」(オーレ・グンナー・スールシャール)
ラインの裏に走ったカバーニを見たポグバが、オーリエの股間を通す素晴らしいパスをフィード。ストライカーの左足のシュートが決まったのですが、VARはその直前にソン・フンミンをかわしたマクトミネイの手が顔に当たったことを問題にしました。
右の頬に手が触れたのは間違いありませんが、メディカルスタッフがピッチに駆け込んでくるほどのインパクトではないように見えました。オンフィールドレビューの結果は、セントラルMFのファール。このジャッジが正しいとすれば、われわれマンチェスター・ユナイテッドサポーターは、2枚めのイエローが出なかったのを幸運だったと感謝すべきでしょう。
マンチェスター・ユナイテッドの指揮官の言葉は、「終わった話」と受け流しながらのひとことだったのですが、試合に敗れたほうは別な観点で過敏に反応しました。ジョゼ・モウリーニョの最初のひとことは、「オーレがソニー(ソン・フンミン)についてコメントしたことについて、あなたがたに聞かれないことに大変驚いている」。自分から話を切り出したスパーズのマネージャーは、「ついさっき、オーレに会ったからいっておいたけど」と前置きしながら、「他のクラブの選手A、B、あるいはCに対して晩メシ抜きといったのが私なら、どんなリアクションがあるだろうか?」と抗議しています。
「とても、とても悲しい。私には聞かないのは、悲しいことだと思う。他の人と同じように私を扱おうとせず、不誠実でモラルがない。とても悲しく感じている」
「ソニーの父親が、オーレよりも優れた人物であるのを幸運だったといいたい。私も父親だ。父親として、何としても子どもを食べさせなければならない。子どもを養うために盗みを働く必要があれば盗む」(ジョゼ・モウリーニョ)
話が逸れてきたので、名将の発言をまとめましょう。いいたかったことは2つで、「自分が人んちの選手をつかまえてアレコレいったら騒ぐのに、アイツならいいのか?てかメシ食わせないなんて、父親として恥ずかしいだろう」「質問しないって、どういうこと?あっちには聞くけどこっちは無視とか、ひどいよね」です。
2人のインタビュー映像とコメントをチェックすればわかるのですが、スールシャールの発言は「ソン・フンミンと息子(son)、ナンチャッテ」で、矛先はレフェリーとVAR。モウリーニョはプレスの扱いに文句をいいたかっただけです。ところが…。
「BBC」と「スカイスポーツ」は2人の発言を紹介した後、ロイ・キーン、マイカ・リチャーズ、ジェイミー・レドナップ、クリントン・モリソンの「あんなのファールじゃないじゃん!」という大合唱で記事を締めくくっています。ロイ・キーンは「ソンだけじゃなく、ラシュフォードも10回ぐらいやっている」と大げさなジェスチャーを非難。マンチェスター・ユナイテッドの10番にしてみれば、あまりにも美しいもらい事故ですが、最も同情すべきは「ジャッジ論争の敗者に仕立てられたモウリーニョ」でしょう。
これに対して日本のメディアは、「スールシャールにモウリーニョが反論」「指揮官が舌戦」と煽っています。ジョゼがオーレに「モラルがない」と非難したと伝えているメディアもありますが、彼がツッコミまくった相手はジャーナリストです。マンチェスター・ユナイテッドの後任については「ソンの父親のほうが優れた人物」といじって終わりにしており、その後も自分を無視したプレスに失望したと繰り返しています。
私が声を大にしていいたいのは、「今回のやりとりはジャッジ論争でも舌戦でもなく、片やはダジャレ、もう一方はプレスに対する文句だった」「試合後もジャッジ論争の敗者にされたり、相手チームの監督にかみついた男と報じられたりしたモウリーニョが気の毒」ということです。
お時間があれば、日本とイギリスの扱い方の違いを愉しんでいただければと思います。イギリスメディアは「BBC」「スカイスポーツ」、日本は「ゲキサカ」「Goal.com」、さらに2人のコメント映像を用意していただければOKです。スールシャールさん、笑ってますから!
「明白なエラー。見直すべきだ。あれは完璧ないいゴール。残念ながら、レフェリーがわれわれがフットボールをしていなかったと判断したか、VARが決めたのだろう。あれがファールなら、ショックだね」(オーレ・グンナー・スールシャール)
ラインの裏に走ったカバーニを見たポグバが、オーリエの股間を通す素晴らしいパスをフィード。ストライカーの左足のシュートが決まったのですが、VARはその直前にソン・フンミンをかわしたマクトミネイの手が顔に当たったことを問題にしました。
右の頬に手が触れたのは間違いありませんが、メディカルスタッフがピッチに駆け込んでくるほどのインパクトではないように見えました。オンフィールドレビューの結果は、セントラルMFのファール。このジャッジが正しいとすれば、われわれマンチェスター・ユナイテッドサポーターは、2枚めのイエローが出なかったのを幸運だったと感謝すべきでしょう。
マンチェスター・ユナイテッドの指揮官の言葉は、「終わった話」と受け流しながらのひとことだったのですが、試合に敗れたほうは別な観点で過敏に反応しました。ジョゼ・モウリーニョの最初のひとことは、「オーレがソニー(ソン・フンミン)についてコメントしたことについて、あなたがたに聞かれないことに大変驚いている」。自分から話を切り出したスパーズのマネージャーは、「ついさっき、オーレに会ったからいっておいたけど」と前置きしながら、「他のクラブの選手A、B、あるいはCに対して晩メシ抜きといったのが私なら、どんなリアクションがあるだろうか?」と抗議しています。
「とても、とても悲しい。私には聞かないのは、悲しいことだと思う。他の人と同じように私を扱おうとせず、不誠実でモラルがない。とても悲しく感じている」
「ソニーの父親が、オーレよりも優れた人物であるのを幸運だったといいたい。私も父親だ。父親として、何としても子どもを食べさせなければならない。子どもを養うために盗みを働く必要があれば盗む」(ジョゼ・モウリーニョ)
話が逸れてきたので、名将の発言をまとめましょう。いいたかったことは2つで、「自分が人んちの選手をつかまえてアレコレいったら騒ぐのに、アイツならいいのか?てかメシ食わせないなんて、父親として恥ずかしいだろう」「質問しないって、どういうこと?あっちには聞くけどこっちは無視とか、ひどいよね」です。
2人のインタビュー映像とコメントをチェックすればわかるのですが、スールシャールの発言は「ソン・フンミンと息子(son)、ナンチャッテ」で、矛先はレフェリーとVAR。モウリーニョはプレスの扱いに文句をいいたかっただけです。ところが…。
「BBC」と「スカイスポーツ」は2人の発言を紹介した後、ロイ・キーン、マイカ・リチャーズ、ジェイミー・レドナップ、クリントン・モリソンの「あんなのファールじゃないじゃん!」という大合唱で記事を締めくくっています。ロイ・キーンは「ソンだけじゃなく、ラシュフォードも10回ぐらいやっている」と大げさなジェスチャーを非難。マンチェスター・ユナイテッドの10番にしてみれば、あまりにも美しいもらい事故ですが、最も同情すべきは「ジャッジ論争の敗者に仕立てられたモウリーニョ」でしょう。
これに対して日本のメディアは、「スールシャールにモウリーニョが反論」「指揮官が舌戦」と煽っています。ジョゼがオーレに「モラルがない」と非難したと伝えているメディアもありますが、彼がツッコミまくった相手はジャーナリストです。マンチェスター・ユナイテッドの後任については「ソンの父親のほうが優れた人物」といじって終わりにしており、その後も自分を無視したプレスに失望したと繰り返しています。
私が声を大にしていいたいのは、「今回のやりとりはジャッジ論争でも舌戦でもなく、片やはダジャレ、もう一方はプレスに対する文句だった」「試合後もジャッジ論争の敗者にされたり、相手チームの監督にかみついた男と報じられたりしたモウリーニョが気の毒」ということです。
お時間があれば、日本とイギリスの扱い方の違いを愉しんでいただければと思います。イギリスメディアは「BBC」「スカイスポーツ」、日本は「ゲキサカ」「Goal.com」、さらに2人のコメント映像を用意していただければOKです。スールシャールさん、笑ってますから!
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ああ、これはとてもいい記事だと思います。
ありがとうございます。
細かにユナイテッドやスパーズのことまで追っていない自分からしたら「ああ、またモウリーニョがなんか言ったのね」くらいにしか思っていませんでした。
時々ヒートアップして「ああ、またそんな言い方したらもう……」となっちゃうモウリーニョさんですが、今回は敗戦に落ち込む選手(ソン)を守ろうとした面があったのでしょうね。
デ・ブライネも顔を叩かれたとちょっと大袈裟に倒れてのたうち回ってましたが、目とか鼻に入らない限りどうってことないと思うんですが。筋骨逞しいアスリートが顔に手が当たったくらいでねえ。だからオーレは皮肉の一つも言いたかったんでしょうが、問題はPLの多くの選手が同じようなオーバーアクションをしてファウルやイェローカードを取りに行くことでは。
同意です。とてもよい記事だと思います。
ありがとうございます。