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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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タイトル獲得、プレミアリーグ首位と絶好調。選手に聞いた「理想の監督」1位はモウリーニョ!

キャピタルワンカップ決勝をトッテナムに完勝してプレミアリーグ復帰後、初めてのタイトル獲得。 2敗しかしていないプレミアリーグは、マンチェスター・シティより1試合消化が少ない状況で勝ち点5差と大きくリード。第2期政権2年めのモウリーニョ監督は、初年度のならし運転モードを捨てて、猛然と結果を取りにきています。「メール・オンライン」によると、今回のカップ戦優勝により、727試合で21個めのタイトル奪取となったモウリーニョ監督は、34.6試合で1個という驚異的なペースで優勝し続けており、現在・過去を見渡してもこれを上回る名将は2人しかいないとのこと。トップは19.9試合に1個とぶっちぎりのペップ・グアルディオラで、これに続くのが26.8試合に1個のボブ・ペイズリーです。

上位2人がグアルディオラとペイズリーと聞くと、逆にモウリーニョ監督の凄さが浮き彫りになります。ペップはバルセロナとバイエルン・ミュンヘンでしか指揮を執ったことがなく、後者はペップ招聘の前年、ユップ・ハインケス監督の下で欧州を制覇したチーム。1970年代にリヴァプールの黄金時代を築いたサー・ボビーはコーチ歴が長く、初めて監督になったのが55歳で、以来9年間レッズひと筋。ポルト、チェルシー、インテル、レアル・マドリードと欧州の主要リーグを渡り歩いてきたモウリーニョ監督が、さまざまなクラブ事情を抱えながらもすべて結果を出し、毎シーズン必ずひとつはタイトルを獲得していることになる数字をキープしているのはお見事です。

さて、今や「わが世の春」のモウリーニョ監督は、タイトルだけでなく、人の気持ちもがっちり掴んでいるようです。イギリスメディア「Four Four Two」が実施した「選手に聞いた”理想の監督”ランキング」でも、48%という高い得票率で1位に輝いています。調査対象は、イングランドのプレミアリーグ、チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2とスコティッシュ・プレミアリーグの選手123名。1位のモウリーニョ監督に続くのは、ペップ・グアルディオラ(31%)、アーセン・ヴェンゲル(8%)、ウェストハムのサム・アラダイス(6%)、ドルトムントのユルゲン・クロップ(5%)という顔ぶれです。

なるほど。選手のみなさんは、出来れば激しく叱られたりハードに走り込まされたりしない監督の下でプレイしたいのでしょう。上位に入っている監督は、「選手の話を聞いてくれる」「練習が楽しい」「明るい」という評判がある方々ばかり。ファン・ハール監督がここで4位以内に入るのは、今季のプレミアリーグにおけるマンチェスター・ユナイテッドの4位よりも断然難しいでしょう。そしてもうひとつ、TOP5の共通項として挙げられるのは「一貫性があり、ブレない」こと。堅守速攻のモウリーニョ、ポゼッションサッカーのグアルディオラ、パスワークで勝負するヴェンゲル、ロングボールと堅実な守備が特徴のアラダイス、ゲーゲンプレッシングのクロップと、それぞれにはっきりとしたカラーがあり、「理想追求型」です。これもまた、自分の上司として考えれば納得。あちこち振り回されて、結局何がやりたいのかわからないボスについていくのは疲れるものです。

いわれてみれば、そういうことかと思うのですが、ビッグ・サムの4位という高評価と、プレミアリーグ経験者で昨季欧州王者のアンチェロッティ監督が5位以内に入らなかったのが意外でした。選手とのコミュニケーション密度が高いと評判のアンチェロッティ監督は、これというスタイルを貫くよりも、預かった選手の適性をみながら全体として最大限力が発揮できるフォ―メーションを選択する、いわば受容性が高いタイプ。一緒に仕事をしたことがない選手からすると、特徴や魅力がわかりにくいのかもしれません。さまざまなインタビューから伝わってくるアラダイス監督は常識的で懐が深く、監督としてだけでなく、人生の先輩として尊敬できると感じている選手が一定層いるのではないかと思います。

キャピタルワンカップ決勝では、試合中にTVカメラに水をかけたり優勝決定後の撮影でスーツのままピッチに転がったりと、お茶目ぶりを発揮していた上機嫌のモウリーニョ監督。このままでは、タイトルからサポーターの支持、選手の人気まで、全部彼に持っていかれます。プレミアリーグ終盤戦では、ライバルクラブは意地をみせて、少しは困った顔をさせないといけませんね。チェルシーが残している上位対決は、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールですか。うーん…ロジャース監督、よろしくお願いします!

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