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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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開始2分、サラーの一撃をクルトワが左足でストップ!ノーゴールのリヴァプール、8強で敗退!

敵地で戦ったファーストレグは3-1。アンフィールドに戻ってきたリヴァプールは、2ゴールをゲットしなければ敗退となります。2020年まで、プレミアリーグで無敗を続けていたアンフィールドですが、今年に入って公式戦2勝6敗と難しい場所になってしまいました。クロップ監督が選んだ11人は、現在のベストメンバー。最高だった頃のパフォーマンスを思い出し、鮮やかな逆転劇を見せていただければと思います。

決戦のピッチに立った顔ぶれを紹介しましょう。GKアリソン、DFアーノルド、ナット・フィリップス、カバク、ロバートソン、MFワイナルドゥム、ファビーニョ、ミルナー、FWサラー、フィルミーノ、マネ。プレミアリーグ19ゴールで得点王争いのトップに立つレフティは、クラブレコードとなるCL5試合連続ゴールを決めることができるでしょうか。静寂のアンフィールド。開始2分に、レッズがいきなり決定機をつかみました。

カバクの素晴らしいロングフィードに走り込んだマネがダイレクトで入れたグラウンダーはパーフェクト。中央でクルトワと1対1になったサラーのボレーは、守護神が足を残してブロックします。2分後、左サイドからドリブルで仕掛けたマネのアーリークロスは、フィルミーノの前を横切ってファーのサラーに届きますが、右足の折り返しはカットされてしまいました。

レッズの自陣でのパスミスから始まった9分の攻防は、ベンゼマとアセンシオのシュートコースを塞ぎ、モドリッチのダイレクトショットもカバクが足に当ててCK。11分のミルナーのコントロールショットは、ゴール右上に決まるかと思われる絶妙なコースでしたが、左に飛んだクルトワのビッグセーブに阻まれました。レッズの中盤は、危険なボールの供給源であるトニ・クロースとモドリッチを徹底的にチェックしています。

18分にロバートソンが左からFKを蹴ると、ニアのカバクのヘッドはクロスバーの上。20分には左サイドにいたベンゼマがドリブルで中に斬り込み、中央に折り返したボールがカバクに当たってゴールに向かいますが、ニアポストにヒットしたボールは外に転がっていきました。右からスプリントするサラーが脅威になっている一方で、ボールをもらう動きもパスを出すタイミングも悪いフィルミーノが気になります。

37分、アーノルドが左足で上げたゴールに向かうクロスは、アセンシオの裏を取ったマネが1歩及ばず。41分、巧みなターンで前を向いたワイナルドゥムがマネに預け、後ろに出たグラウンダーを止めたサラーがノーステップで左隅を狙うと、ボールは惜しくも枠を越えていきます。直後、ボックス右を突破したアーノルドが斜め後ろに戻すと、フリーだったワイナルドゥムは打ち上げてしまいました。主導権を握っていた昨季プレミアリーグ王者は3つの決定機を活かせず、不満の残る0-0でハーフタイムを迎えました。

後半開始直後、アーノルドがアウトにかけた絶妙なパスをフィード。ボックス右で受けたフィルミーノの一撃は、クルトワが体を張ってセーブしました。47分のアーノルドの高速クロスも、ニアに飛び込んだフィルミーノのヘッドが枠にいかず。52分、右からスプリントしたバルベルデのクロスがベンゼマに通りますが、シュート態勢に入ろうとして浮かしたボールをアリソンがキャッチしました。リスクをとって攻めるレッズか、前がかりの相手の裏を突くマドリードか。先制ゴールが勝負に直結しそうな展開です。

60分、走りまくった主将ミルナーとよく守っていたカバクが下がり、チアゴ・アルカンタラとジョッタがピッチへ。クロップ監督の勝負のカードは、ゲームの展開をどちらに動かすのでしょうか。66分にバルベルデのロングフィードでヴィニシウスがナット・フィリップスの裏を取ると、アリソンが素晴らしい飛び出しでブロック。69分にアーノルドのクロスをジョッタが頭で落とし、一瞬空いたフィルミーノが左足を振り抜きますが、必死の守備を続けるミリトンが足元に入ってブロックしました。

残り15分、プレミアリーグ王者は疲労が蓄積しているようです。81分にマネとフィルミーノが下がり、チェンバレンとシャキリが前線へ。エル・ブランコは明らかに守り切ろうとしています。ミドルレンジのシュートコースを執拗につぶし、カウンターに人数をかけない徹底的な守備は、10分でこじ開けられる強度ではありませんでした。92分にチアゴが敵陣で奪い、サラーがボックス右から抜け出しますが、またしてもクルトワの飛び出しに阻まれました。

セカンドレグは0-0、トータル3-1でレアル・マドリードがセミファイナル進出。プレミアリーグで最強だったことを証明するような攻撃を見せたホームチームは、プレミアリーグで勝てなくなってからの試合展開を繰り返してしまいました。百戦錬磨のスペインの名門が守り勝とうとする前に、序盤にミルナーが見せたようなミドルシュートで揺さぶるなどの工夫があればよかったのかもしれません。2分のクルトワの左足が勝負を決めたように感じられた一戦でした。

敗れたリヴァプールは、残り7試合となったプレミアリーグだけでTOP4フィニッシュをめざすことになりました。今日の収穫は、ゼロに抑えた最終ライン、アーノルドの素晴らしいパフォーマンス、ミルナーやワイナルドゥムの積極的な攻め上がり。懸念を挙げるなら、シュートを打たないマネと、プレスやパスワークが冴えなかったフィルミーノの心身のコンディションでしょう。残念な結果でしたが、強さを感じさせてくれました。リーグでは3連勝と復調気配。気持ちを切り替え、来季のCL出場権を奪取していただければと思います。(ティボ・クルトワ 写真著作者/Кирилл Венедиктов)


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