アーセナル視界良好、リヴァプールは微妙…FAカップ準決勝組み合わせ決定!
ジャイアントキリング続出で、何が起こるのかわからないFAカップではあるものの、ヴェンゲル監督が2年連続でウェンブリーでのファイナルを迎えるのは間違いないと思われます。ブラッドフォードはリーグ1(3部相当)で10位、レディングはチャンピオンシップ(2部相当)で18位。プレミアリーグ開幕直後、新チームで試行錯誤している時期ならまだしも、シーズンの終わりが見えている4月でタイトル目前となれば、圧倒的な実力差を埋めるような事件は起こりにくいのではないでしょうか。
…いや、わかりませんよ。2年前、決勝でマンチェスター・シティを破ってマンチーニ監督の首を飛ばしたウィガンを忘れたわけではありません。しかし、序盤戦に負傷者が多かったアーセナルはフレッシュな選手が多く、直近のゲームでケガしたガブリエウ・パウリスタらも、5週間先の4月18日なら間に合う可能性大。この後のプレミアリーグ34節、チェルシー戦まで1週間空くヴェンゲル監督が極端なターンオーバーで臨むこともないはずです。不安があるとすれば、チャンピオンズリーグのベスト8ファーストレグの直後だというくらいですが、これを心配するのは3月17日を過ぎてからにいたしましょう。
一方の決勝進出候補、リヴァプールは微妙ですね。ホームでスコアレスドローに終わったブラックバーンとの準々決勝再試合は4月7日で、プレミアリーグでアーセナルと戦った後、中2日です。3月22日のマンチェスター・ユナイテッド戦を終えた選手は、インターナショナルマッチウィークで各国代表のゲームを戦い、さらにエミレーツでアーセナルときてアウェイのブラックバーン。これは結構ざわざわしますね。2012-13シーズン、ヨーロッパリーグ、プレミアリーグ、FAカップと「三兎を追う者」状態だったチェルシーは、3月末に8日で4試合という強烈な日程を突きつけられ、FAカップ準々決勝再試合ではスタンフォード・ブリッジに「お疲れ仲間のマンチェスター・ユナイテッド」を迎えて1-0辛勝。結局彼らはベスト4で大会を終えました。昨季のFAカップ準々決勝では、チャンピオンズリーグのバルセロナ戦を3日後に控えたマンチェスター・シティが、ホームでウィガンに敗れています。
彼らとは相手も状況も違うので単純比較はできませんが、プレミアリーグ上位対決の直後は、レッズにとって要注意ではあるでしょう。勝った場合の準決勝がシャーウッド監督就任後、元気になってきたアストン・ヴィラであることも含め、リヴァプールのファイナル進出は青信号とはいえません。
話は変わりますが、先日、ヴェンゲル監督が「プレミアリーグやチャンピオンズリーグとの兼ね合いでFAカップの優先度を大きく下げなければならなかった年もあった」と語っておりました。今季はFAカップの勝ち負けによるプラスマイナスが、プレミアリーグ上位クラブに大きな影響を与えるシーズンになるかもしれません。負けたことが、結果的に違うコンペティションでプラスになるかもしれないのがチェルシー。FAカップで早期敗退したチェルシーは、週末試合がなかったため、明日のチャンピオンズリーグ、パリ・サンジェルマン戦に1週間準備をしたうえで臨めます。キャピタルワンカップで優勝した後、危なかったウェストハム戦もきっちり勝ち点3を獲得し、精神的にも体力的にもいい状態でパリを迎えられるのではないでしょうか。
アーセナルにとって、マンチェスター・ユナイテッドの本拠地オールド・トラフォードで9年ぶりに勝利したのは大きいでしょう。週末のエミレーツでウェストハムに順当に勝てば来週のモナコ戦にも弾みがつき、プレミアリーグ最終盤で当たるマンチェスター・ユナイテッドとのアウェイでの再戦をいいイメージで戦えます。一方、忙しい最中に再試合が入ってきたリヴァプールと、ショッキングな負け方をしたマンチェスター・ユナイテッドは、マイナスが大きいかもしれません。
とりわけしんどそうなのがマン・ユナイテッドです。トッテナム、リヴァプール、マンチェスターダービー、チェルシーとプレミアリーグ5試合中4試合が上位対決となる正念場の直前に、暗雲垂れ込めるホームでの敗戦。アーセナルには自信をもたらし、バックパスを嫌うサポーターにいちばん突っ込まれるバックパスミスでの決勝点は、来週からのさらなるプレッシャーの着火剤。退場したディ・マリアと決勝ゴールを奪ったウェルベックは、「アルゼンチン代表はプレミアリーグを1年で去る?」「ウェルベックを放出してファルカオ獲ったのはどうなの?」とゴシップを流していたマスコミには極上のごちそうです。
プレミアリーグ優先と語っていたファン・ハール監督は、サッカーの母国ではFAカップの敗戦は許されず、負け方によってはプレミアリーグにも影響があることを思い知ったのではないでしょうか。そもそも、潤沢な戦力を抱えながらチャンピオンズリーグを戦っていないクラブに、優先順位は必要ありません。1989-90シーズン、就任後の3年を無冠で終えて解任寸前とまでいわれたサー・アレックス・ファーガソンはFAカップ優勝で首がつながり、2012-13シーズンのロベルト・マンチーニはFAカップ決勝の劇的な敗戦が解任のトリガーとなりました。チャンピオンズリーグやプレミアリーグのほうが大事と言葉ではいいつつも、侮れないのが世界で最も歴史があるサッカー大会、FAカップなのであります。
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マンチーニは既に解任が決まってて仮に優勝しても解任だったとか
PLでもユナイテッドに大きく離されCLもグループリーグ敗退でしたからね
ファンファール、ベンゲル、ロジャースがCL権逃すと解任されると思いますか?
ユナイテッドの3月4月はどれも厳しそうな試合ばかりですね。
ここをどういった形で切り抜けるかでファンハールの評価は大きく変わると思います。
ぷれみあふぁんさん>
そこらへんの経緯を詳細にいえば、「シーズン中の解任はFAカップ敗退がトリガー」だったのかもしれません。CL権逃しは、ヴェンゲルさんのみアウト、のような気がします。ファン・ハール監督はEL取れれば生き残るのではないでしょうか。昨季と同じ7位となると、寒いですが。
ぐらさん>
おっしゃるとおりですね。ミッションはCL出場権が取れる4位キープですが、最低でもプレミアリーグ上位対決で勝率5割はやってほしいなと思います。