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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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CLベスト4決定!~バイエルン圧勝、レアル苦戦、バルサつな渡り

チャンピオンズリーグベスト4が揃いましたが、欧州2強(といっていいでしょう)のスペインとドイツの全面戦争となりました。スペインからはレアル・マドリード、バルセロナ。ドイツははじめてベスト4に2クラブ進出ですが、いずれもCL優勝経験のあるバイエルン・ミュンヘンとドルトムントです。

圧巻はバイエルンです。ホームで2-0勝利は充分考えられる結果ですが、アウェイでも0-2とユヴェントスを圧倒しました。ユヴェントスがビダル、リヒトシュタイナーを出場停止で欠いていたとはいえ、バイエルンも長期離脱中のバトシュトゥバーに加え、トニ・クロースがケガで不在。さらにゲーム中にファン・ブイテン(今が旬のベルギー代表!)を失い、決してベストな布陣とはいえません。それでも、得意の高い位置からのプレッシングでユヴェントスのキーマンであるピルロの自由を奪い、ユヴェントスのゴール前への配球を激減させると、セットプレーのこぼれ球をマンジュキッチ、終了間際にカウンターからピサーロとチャンスを確実に活かし、完勝です。以前から言っておりますが、今季はこのチームが欧州最強であり、優勝候補筆頭でしょう。

ひとりの選手がチームを劇的に変えることがあります。モウリーニョ時代にCLを獲るなど、セリエAを制圧していたインテルから覇権を奪い取ったユヴェントスにおいて、その立役者はピルロでしたが、ドルトムントの連覇にストップをかけたキープレイヤーは今年バイエルンに加入したハビ・マルティネスではないでしょうか。11か月前、スカスカの中盤を香川とレヴァンドフスキにいいようにかき回され、5点を獲られてドイツカップまで持っていかれたチームとは思えない中盤の守備の素晴らしさは、守備力、ヨミ、ポジションに優れた彼の力が大きいと思います。昨日、パリSGにさんざん中盤を崩され、GKとの1対1を数回許してしまったバルセロナは、メッシがスーパープレイを連発しない限り、バイエルンに勝つことはないでしょう。

バルサは危なかった!アウェイで2-2と引き分けたことで油断が生じたのか、今季のチームはやはりメッシ依存度が高いのか、ケガ明けのメッシが62分に入るまではパリ・サンジェルマンペースでした。ボールをポゼッションしながらも決定機を作れず、無理をした瞬間にボールを奪われ、一気にゴール前まで運ばれてしまうという、見事なまでの彼らの負けパターン。GKバルデスの奮闘がなければもう1~2点失っていてもおかしくない展開でした。0-1、トータル2-3の劣勢をイーブンに戻し、アウェイゴールルールで勝ち抜けたのは、結局エース・メッシのプレイから。アンチェロッテイ監督が悔しがってましたが、2試合とも勝たせることなく互角に戦えたパリSGは無念でしょう。何とかベスト4に駒を進めたバルサですが、レアル・マドリードにしてもバイエルンにしても、当然メッシを自由にさせないので、そうなるとあの脆弱なディフェンスで勝てるかどうか。ドルトムントを含め、次戦どこと当たっても苦戦必至でしょう。

レアル・マドリードは「想定通りの苦戦」。初戦3-0程度のアドバンテージは、イスタンブールという地では何の保証にもならないことを思い知ったアウェイ戦でした。過去、「死ぬんじゃないかと思った」とコメントした選手が何人もいたほどで、「世界一騒音の激しいスタジアム」とギネス認定されたテレコム・アレーナ。クリスティアーノ・ロナウドのゴールであっさり先制したものの、熱狂的なトルコ人サポーターの”騒音”をバックに立て続けに3点を奪取したガラタサライに、相当慌てさせられました。知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、ガラタサライにはドログバ、スナイデル、フェリペ・メロ、エブエなど、CLの決勝トーナメント経験豊富な選手が揃っており、百戦錬磨の彼らは心理戦を含めてあの手この手で押してくるのです。3-1とされ、守備を固めにいくモウリーニョ監督の打ち手は機能せず、アルベロアの退場によって数的不利にまで陥り、最後の最後でC.ロナウドの2発目が入ってやっとの思いでベスト4決定。サー・アレックス・ファーガソン監督に追いつく自身7度目のベスト4を決めた名将も、今回ばかりは寿命の縮まる思いをしたことでしょう。

そして最後に、準々決勝最高のドラマを生んだドルトムント。マラガとの第1戦を敵地エスタディオ・ラ・ロサレダで首尾よく引き分け、戻ってきたホームで90分を終えた時点でまさかの1-2。アウェイゴールを2点も獲られているので、あと2点奪って勝ち越さなければここで終わってしまいます。追加タイムが始まり、もはや194cmのブラジル人CBのサンターナを前線に上げて放り込むしかないドルトムント。みなさんも、これに似たシーンを何度も観たことがあるかと思いますが、パワープレイで2点獲って逆転したチームを観たことありますか?おそらく、成功実績でいえば、1%を大きく割るぐらいの戦術でしょう。何しろ、守りやすいですから。…ところが、これで2点入ってしまったのです。放り込みからサンターナのアシストで91分、ロイス。放り込みのこぼれ球をロイスがつなぎ、93分、サンターナ。もう、「こんなこともあるんだ…」としかいえない、大逆転劇。こういうチームが怖い。昨季のチェルシーを思い出します。伏兵は伏兵のまま終わるのか、それとも…。

四者四様の戦いを経て、おもしろい顔ぶれになりました。プレミアリーグ勢がいないのは残念ですが、準決勝が楽しみです。フラットに予想すればバイエルンの優勝、心情的には香川の古巣、ドルトムントの優勝を見たいですね。さて、みなさんはどこが勝つと思いますか?

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