CLベスト4決定!~バイエルン圧勝、レアル苦戦、バルサつな渡り
チャンピオンズリーグベスト4が揃いましたが、欧州2強(といっていいでしょう)のスペインとドイツの全面戦争となりました。スペインからはレアル・マドリード、バルセロナ。ドイツははじめてベスト4に2クラブ進出ですが、いずれもCL優勝経験のあるバイエルン・ミュンヘンとドルトムントです。
ひとりの選手がチームを劇的に変えることがあります。モウリーニョ時代にCLを獲るなど、セリエAを制圧していたインテルから覇権を奪い取ったユヴェントスにおいて、その立役者はピルロでしたが、ドルトムントの連覇にストップをかけたキープレイヤーは今年バイエルンに加入したハビ・マルティネスではないでしょうか。11か月前、スカスカの中盤を香川とレヴァンドフスキにいいようにかき回され、5点を獲られてドイツカップまで持っていかれたチームとは思えない中盤の守備の素晴らしさは、守備力、ヨミ、ポジションに優れた彼の力が大きいと思います。昨日、パリSGにさんざん中盤を崩され、GKとの1対1を数回許してしまったバルセロナは、メッシがスーパープレイを連発しない限り、バイエルンに勝つことはないでしょう。
バルサは危なかった!アウェイで2-2と引き分けたことで油断が生じたのか、今季のチームはやはりメッシ依存度が高いのか、ケガ明けのメッシが62分に入るまではパリ・サンジェルマンペースでした。ボールをポゼッションしながらも決定機を作れず、無理をした瞬間にボールを奪われ、一気にゴール前まで運ばれてしまうという、見事なまでの彼らの負けパターン。GKバルデスの奮闘がなければもう1~2点失っていてもおかしくない展開でした。0-1、トータル2-3の劣勢をイーブンに戻し、アウェイゴールルールで勝ち抜けたのは、結局エース・メッシのプレイから。アンチェロッテイ監督が悔しがってましたが、2試合とも勝たせることなく互角に戦えたパリSGは無念でしょう。何とかベスト4に駒を進めたバルサですが、レアル・マドリードにしてもバイエルンにしても、当然メッシを自由にさせないので、そうなるとあの脆弱なディフェンスで勝てるかどうか。ドルトムントを含め、次戦どこと当たっても苦戦必至でしょう。
そして最後に、準々決勝最高のドラマを生んだドルトムント。マラガとの第1戦を敵地エスタディオ・ラ・ロサレダで首尾よく引き分け、戻ってきたホームで90分を終えた時点でまさかの1-2。アウェイゴールを2点も獲られているので、あと2点奪って勝ち越さなければここで終わってしまいます。追加タイムが始まり、もはや194cmのブラジル人CBのサンターナを前線に上げて放り込むしかないドルトムント。みなさんも、これに似たシーンを何度も観たことがあるかと思いますが、パワープレイで2点獲って逆転したチームを観たことありますか?おそらく、成功実績でいえば、1%を大きく割るぐらいの戦術でしょう。何しろ、守りやすいですから。…ところが、これで2点入ってしまったのです。放り込みからサンターナのアシストで91分、ロイス。放り込みのこぼれ球をロイスがつなぎ、93分、サンターナ。もう、「こんなこともあるんだ…」としかいえない、大逆転劇。こういうチームが怖い。昨季のチェルシーを思い出します。伏兵は伏兵のまま終わるのか、それとも…。
四者四様の戦いを経て、おもしろい顔ぶれになりました。プレミアリーグ勢がいないのは残念ですが、準決勝が楽しみです。フラットに予想すればバイエルンの優勝、心情的には香川の古巣、ドルトムントの優勝を見たいですね。さて、みなさんはどこが勝つと思いますか?
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