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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2021.07.04 ユーロ2020

エースが2発、左SBは2アシスト!4発圧勝のイングランド、完璧な展開で4強進出!

ウクライナに勝てば、セミファイナルはデンマーク。逆サイドからファイナルに進むのはイタリアでしょうか。イングランドが、初のユーロ制覇を視界に捉えています。ガレス・サウスゲート監督の11人は、苦しい展開だったチェコ戦と2人しか変わらない顔ぶれです。コロナウイルスに感染したビリー・ギルモアと濃厚接触とされたメイソン・マウントが2列めに復帰し、右サイドは待望のジェイドン・サンチョ。未だ失点ゼロのチームは、早い時間に先制してゲームをコントロールしたいところです。

GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マグワイア、ルーク・ショー、セントラルMFはカルヴァン・フィリップス&デクラン・ライス。2列めはジェイドン・サンチョ、メイソン・マウント、スターリング、トップはもちろんプレミアリーグ得点王&アシスト王のハリー・ケインです。開始4分、左サイドにいたスターリングが、斜めに入る完璧なスルーパス。抜け出したハリー・ケインが右足で押し込み、イングランドがあっさり先制しました。

攻めるしかなくなったウクライナ。イングランドは全員が自陣に下がり、スペースを埋めています。13分にインターセプトからスプリントしたカイル・ウォーカーは、クロスをカットされました。17分、カイル・ウォーカーのバックパスミスを拾ったヤレムチュクがボックス左からニアを狙うと、読んでいたピックフォードが冷静にセーブ。22分、ワンツーを繰り返しながら左に流れたジェイドン・サンチョがスターリングに預け、外からオーバーラップしたルーク・ショーがきわどいグラウンダーを入れるも、味方に合わずクリアされました。

29分、ルーク・ショーのFKを叩いたエースのヘッドはクロスバーの上。33分にスターリングのクロスがクリアされると、拾ったデクラン・ライスが強烈なミドルを放ちますが、GKブスチャンが両手で前に弾きました。43分、中央でパスを受けたヤルモレンコがボックス左に浮かすと、ツィガンコフの速いクロスはルーク・ショーがダイビングしてクリア。このボールをダイレクトで叩いたシャパレンコの一撃は、右に切れていきました。前半は1-0。シュート数は5対5で、ほぼ互角の展開です。

47分、ルーク・ショーが左から浮かしたFKがマグワイアの頭に合い、完璧なヘッドがネットに突き刺さりました。プレミアリーグでともに戦うマンチェスター・ユナイテッドコンビの貴重な追加点。50分にはボックス左でキープしたスターリングがルーク・ショーにヒールで預け、クロスをもらったハリー・ケインがGKの足元に叩きつけました。あっという間に3-0。イングランドが40分で3失点を喫する姿は想像できません。

57分、デクラン・ライスが下がってヘンダーソン。62分、ヘンダーソンが前線にロングフィードを入れると、クリアに反応したハリー・ケインの左足ボレーは決定的でしたが、左に飛んだGKブスチャンが外に弾いてCKに逃れました。メイソン・マウントのキックをフリーで左隅に決めたのはヘンダーソン。イングランドは、4ゴール中3つがヘディングです。65分、ルーク・ショー、スターリング、カルヴァン・フィリップスに代わってトリッピアー、ラシュフォード、ベリンガム。ローマのスタディオ・オリンピコに、勝負を争う雰囲気はありません。

73分にハリー・ケインがお役御免となり、昨季プレミアリーグで16ゴールのカルヴァート=ルーウィンが登場。74分のマカレンコのミドルは、ピックフォードが安全重視で前にプッシュしました。試合のペースをスローに落としたイングランドは、サイドで持たせても中央でシュートコースを許さず。90分を過ぎたところでタイムアップの笛が鳴り、5試合連続クリーンシートのチームがセミファイナル進出を果たしました。

絶対的エースが2ゴール。4人が持っていたイエローカードはきれいに消え、運動量が多い2センターは途中で下がって体力を温存しています。大会前に負傷していたマグワイア、ヘンダーソン、ジェイドン・サンチョと、隔離が解除となったメイソン・マウントが復活。ゴールラッシュによって、ベリンガム、ラシュフォード、カルヴァート=ルーウィンに慣らし運転をさせる余裕を得られました。試合展開はパーフェクト。左サイドに定着したルーク・ショーは、セットピースを含む2アシストで、何かとうるさいモウリーニョさんの口を封じています。

次戦はデンマーク。一体感があるチームで、ウクライナよりも手強そうですが、戦い方を間違えなければ充分勝てる相手です。残り2試合はウェンブリー。負傷者もスランプも累積警告もゼロで、失点もゼロ。ピックフォードのキック以外、懸念材料は見当たりません。55年の長きに渡って国際大会のトロフィーとは無縁だったフットボールの母国が、これ以上ない理想的な状態で優勝に向かっています。


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