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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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トッテナムとセヴィージャ…エリック・ラメラと新鋭ウインガーのスワップは成立するのか?

互いに選手を出し合うスワップが難易度が高いのは、「2人の選手の値段を同時にすり合わせなければならない」「2人の選手の承諾を得なければならない」というハードルがあるからです。トランスファーマーケットが始まると、どこかのクラブが「大物を獲得する際の移籍金を軽減すべく、選手を差し出そうとしている」と噂になるのですが、自軍の選手を高く評価するクラブが撤退するのが定番の着地です。

先日も、チェルシーがバイエルンのFWキングスレイ・コマン獲得のために、カラム・ハドソン=オドイを提供するという話があったのですが、プレミアリーグで戦っているウインガーがスタンフォード・ブリッジに残留したいと主張したため、立ち消えになったといわれています。どちらかのチームが、経済的に不利になったとしても獲得&売却をダブルで成立させたいという強い意志をもたなければ、あっけなく話が止まってしまうものです。

さて、「スカイスポーツ」が「締結に近づいている」と報じたトッテナムとセヴィージャのスワップは成立するのでしょうか。スペインに旅立つのは、29歳になったエリック・ラメラ。プレミアリーグにやってくるのは、20歳の新鋭FWブライアン・ヒルです。トランスファーセンターのライブブログによると、スパーズがセヴィージャに2160万ポンド(約32億3000万円)を支払うディールになるとのこと。昨季プレミアリーグで23試合1ゴールのベテランと、レンタル先のエイバルで28試合4ゴール3アシストのウインガーは、パフォーマンスも伸びしろも後者が上と見做されています。

ラメラがプレミアリーグに参入したのは2013年。ベイル資金を元手に、スパーズが大量補強に打って出た年です。ソルダード、パウリーニョ、シャドリ、カプェ、エリクセン、キリケシュ。最後のひとりとなったラメラですが、2012-13シーズンにローマでセリエA15ゴールをゲットしていたのを思い出すと、プレミアリーグ8シーズンで177試合17ゴール23アシストは、うまくいったとはいえないでしょう。リーグ戦の先発出場が5試合しかなかった2020-21シーズンは、プレミアリーグの年間ベストゴールに選ばれたノースロンドンダービーのラボーナが唯一の輝きでした。

2021年3月にスペイン代表デビューを果たしたブライアン・ヒルは、U-24代表として東京オリンピックに参加します。バルサにも注目されていた「エイバルのワンダーボーイ」は、屈強なDFが多いプレミアリーグでも突破力を発揮できるでしょうか。比べられる相手は、昨季プレミアリーグで20試合11ゴール2アシストのガレス・ベイル。8年前にベイルの移籍によって獲得したレフティと、ベイル退団の穴を埋めるべく獲得するレフティのスワップは、2000万ポンド超を支払ってもスパーズが得しそうなディールですが…。(エリック・ラメラ 写真著作者/Steffen Prößdorf)


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