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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×QPR】残酷なエティハド…6-0惨敗でプレミアリーグ降格決定のQPRは解体必至!

残酷な結果でした。プレミアリーグ2位を争うマンチェスター・シティと、負ければ降格が決まるQPRの一戦。勝者の視点でポジティブにいえば、すっかり調子を取り戻したマン・シティが、本拠地エティハドでQPRを順当に下したゲーム。敗れた者の立場から率直にいえば、開始早々からワンサイドで6発叩き込まれて、来季の降格を突きつけられた最悪の一戦です。2分に自陣でのパスミスを拾われ、ダヴィド・シルヴァからアグエロのホットラインで先制されそうになったQPRは、最初のピンチはしのげても2本めを耐えることはできませんでした。4分、サバレタの自陣からのパスを受けて40メートルを独走、GKグリーンとの1対1をチップキックで冷静に決めたのはやはりアグエロ。これがボクシングで私がセコンドなら、縦に抜けたアグエロをGKグリーンの飛び出しで何とか防いだ11分のシーンを見て、早くもタオルを投げていたかもしれません。

15分にも左にいたフェルナンジーニョのスルーパスからアグエロ。その1分後には、左サイドに出たアグエロのラストパスを、ファーサイドに詰めたミルナーが至近距離からシュート。いずれもGKグリーンがブロックして追加点は入らなかったものの、今日のアグエロは止まらないでしょう。19分、QPRはユン・ソギュンのクロスをチャーリー・オースティンがヘッドで叩き込むも、ジャッジはオフサイド。この試合が何とか勝負になっていたのは、31分まででした。アグエロが倒されて得たFKを、コラロフがゴール左に蹴り込んで2-0。QPRは、38分の左からのFKにオフサイドをかいくぐったリロイ・フェルのシュートが決まっていれば、もう少しきわどいゲームに持ち込めたかもしれませんが、バーに当たったボールをGKジョー・ハートがキャッチすると前半は2-0で終了。49分、ユン・ソギョンがセンターサークルで致命的なトラップミスを犯し、アグエロにひとり旅から3点めを許した瞬間、QPRのプレミアリーグ残留の可能性は完全に潰えました。

54分にはサバレタからのグラウンダーをニアのランパードが決定的なシュート。QPRはサバレタを止められず、61分に強引に右SBを止めたジョーイ・バートンが、今季10枚めのイエローカードを受けて、プレミアリーグ2014-15シーズンをひと足先に終えることになります。64分、フィリップスがダヴィド・シルヴァを引っかけてしまい、PKを決めたアグエロはハットトリック達成。70分にはランパードに代わって入ったボニーがCKで競り勝ち、アグエロが中に戻したボールをミルナーが押し込んで5-0。87分には、アグエロのパスを受けたボニーがダヴィド・シルヴァにおしゃれなヒールパスを通し、GKまでかわしたダヴィド・シルヴァがこの日最後のゴールを右足で流し込みます。90分を通じてアグエロがまったく止まらず、後半だけでダヴィド・シルヴァに3回もGKと1対1を許しては、プレミアリーグ最下位クラブの惨敗は必至です。

中田英寿が所属していたかつてのボルトンや、昨季までプレミアリーグに在籍していたフラムなど、盛りを過ぎたビッグネームを寄せ集めていたクラブは、ひとたびトップリーグから陥落すると、その後は低迷の一途を辿ります。ハリー・レドナップの人徳でリオ・ファーディナンドやクラニツァルを呼び込み、多額の負債を抱えながらバートンやサンドロらを囲っていたQPRは、今回の降格を機にジェットコースターのエンジンがかかり、3部・4部まで一気に転落してしまうのではないでしょうか。プレミアリーグで充分通用することを示したチャーリー・オースティンやリロイ・フェルを、赤字クラブの足元を見て買い叩くのはどのクラブでしょうか。冒頭に残酷と書いたのは、6-0というこの日の一方的なスコアや勝ち点27という今季の惨敗ぶりもさることながら、無残に解体されるであろうQPRの厳しい未来に対して思い浮かんだ言葉だったのでした。ピンチを切り抜けるために必要な求心力を失っていたQPRの降格は、2月4日にハリー・レドナップがクラブを離れると発表したとき、既に決まっていたのかもしれません。

チャントの声が小さく、ざわめきしか聞こえてこないエティハドは、6-0のゲームとは思えない静けさでした。ホームサポーターのボルテージが高い圧倒的なアウェイ感のなかで惨敗するなら言い訳のしようもありますが、あの弛緩した雰囲気のなかで1点、また1点と希望を奪われていく選手たちの気持ちを想像すると、暗澹たる気分になります。QPRにとって、降格を告げられる舞台は、すべてにおいて残酷なセッティングでした。

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