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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brentford×Liverpool】昇格クラブが大健闘!左からの3発で、首位レッズにドロー決着!

ランチタイムキックオフのゲームでチェルシーとマンチェスター・ユナイテッドが敗れたため、リヴァプールは引き分け以上なら単独首位。プレミアリーグ6節の相手は、開幕戦でアーセナルを倒した好調ブレントフォードです。クロップ監督の11人は、現在のベストメンバー。カラバオカップのノリッジ戦で2ゴールを決めた南野拓実は、接戦になれば後半に起用されるのではないでしょうか。

GKアリソン、DFアーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ロバートソン、MFヘンダーソン、カーティス・ジョーンズ、ファビーニョ、FWサラー、ジョッタ、マネ。開始3分のロバートソンの高速クロスは味方に合いません。厳しいプレスで、レッズのパスコースを限定しようとするブレントフォード。レッズの最初の決定機は、7分でした。

ハーフライン付近でカーティス・ジョーンズがボールを奪い、こぼれ球を拾ったジョッタがサラーにきれいなスルーパスを通すと、GKラジャと1対1になったエースが股間を抜きました。左隅に転がったボールが決まる寸前に、スライディングで掻き出したのはアイェル!フォローしたマネは足を滑らせ、枠に収められません。

直後のクロスをニアで頭で合わせたイヴァン・トニーは、9分の速攻でオニェカに絶妙なラストパスを通しました。2人にはさまれた15番のシュートは枠の上。元気なホームチームは、10分にも決定的なシーンを創ります。サラーへの縦パスをGKラジャがクリアすると、イヴァン・トニーがヘッドで右に流し、エンベウモがフリー。アリソンと1対1になった19番のチップキックは、ゴールラインまで戻ったマティプがぎりぎりでクリアしました。

18分にイヴァン・トニーのスルーパスでボックス左に飛び出したエンベウモは、ボールを止めた瞬間、足を引っかけられたかに見えましたが、レフェリーはスリップと判断したようです。レッズのアタックは単調で、ロングクロスをラジャに捕られるシーンが目立っています。27分、先制はブレントフォード。右からのFKの流れで、右サイドを突破したカノスがグラウンダーを入れると、エンベウモがニアで触ったボールが左ポスト際に転がり、ファビーニョと競ったピノックが強引に押し込みました

劣勢だったリヴァプールがビハインドを背負ったのは、たった4分でした。フロントスリーが仕掛けた速攻。サラーが外にいたヘンダーソンを使うと、完璧なクロスがCBの間にいたジョッタに届きます。美しいヘディングシュートが左隅に決まり、1-1。同点に追いついてからも、レッズの最終ラインは裏を狙ってくる選手を捕まえ切れずにいます。

39分、右のヘンダーソンが中央にいたカーティス・ジョーンズに流すと、右足のミドルはDFに当たってポストを直撃。リバウンドに反応したジョッタは、無人のゴールに押し込んだはずでしたが、倒れていたラジャが腕を伸ばして外に出すビッグセーブで逆転を阻止しました。44分、自陣からドリブルで斬り込んだロバートソンがボックス手前でFKをもらいますが、アーノルドのキックはうまく落ちませんでした。

前半は1-1。後半の立ち上がりは、的確なプレスでパスミスを誘うブレントフォードのペースです。49分、ヘンダーソンが敵陣でインターセプトし、左にまわったボールをロバートソンが中に浮かすと、DFを背負ったジョッタは膝に当ててしまい、こぼれ球に反応したラジャが右手でクリアしました。

54分、ファビーニョの絶妙なロングフィードでラインの裏に抜けたサラーが、ラジャの目の前で左足ボレー。オフサイドのジャッジに肩を落としたエースは、VARのチェックが終わった1分後にチームメイトの祝福を受けました。今季プレミアリーグで単独TOPとなる5ゴールめは、ブレントフォードを奮い立たせる妙薬になってしまったようです。58分にボックス左手前でワンツーを決めたイヴァン・トニーのダイレクトショットは、クロスバーを越えていきました。

62分の同点ゴールは、またもラジャのキックから。右サイドを上がったアイェルがクロスを上げると、レッズの右サイドのマークは完全にずれてしまいました。4対2のチャンスとなり、ノアゴーアがヘッドで落としたボールを叩いたヤンソンの一撃はバーに阻まれますが、リバウンドに先着したヤネルトが頭でプッシュ。2-2となった65分、アーノルドのアーリークロスをファーのマネがジョッタに落とすと、トラップできなかったボールに走り込んだカーティス・ジョーンズのシュートは右に切れていきました。

天を仰いだ若きアタッカーは、1分後に左にまわり、とんでもないミドルをニアに突き刺しました。勝ち越しゴールがインセンティブだったかのように、カーティス・ジョーンズは交代となり、フィルミーノがピッチへ。77分にジョッタ、マネ、サラーとつながったカウンターは、ラジャと向き合ったレフティがループシュートを上に外してしまいました。

フロントフォーが最前線でノーマークになるシーンが増えたレッズは、もう1点ゲットすれば勝負を決められるはずでした。ところが82分、右からクロスが上がった瞬間、ファーが2対1。トラップをミスしたウィッサが、混戦からこぼれ球を拾い、チップキックで仕留めました。ジョッタが戻っていれば、チャンスになっていなかったのではないでしょうか。

93分のブレントフォードの速攻は、イヴァン・トニーの突破をファン・ダイクがストップ。直後にマネのグラウンダーがゴール前に入ると、ヤンソンに当たったボールはラジャが体を張ってクリアしました。激闘の結末は3-3。ブレントフォードのアグレッシブなアタックが目を引いた一戦でした。

右からのクロスはファー、左からはニア。ブレントフォードの3ゴールはいずれも右から上がったボールで、シュートを打つエリアがマティプの裏だったのは、トーマス・フランク監督の研究の成果でしょう。リヴァプールが悔やまれるのは、3点めを決めた後の逸機です。マネのスルーパスでラジャと1対1になったサラーと、サラーのアーリークロスをダイレクトで叩いたマネが枠に収めていれば、ブレントフォードのテンションは下がっていたはずです。

前線でポストになり、チャンスを創り続けたイヴァン・トニーと、鬼気迫るセービングと的確なフィードで攻守に貢献した守護神をリスペクトするべき一戦。プレミアリーグ6試合で1回しか負けていない昇格クラブは、次節からのハマーズ、チェルシー、レスターとのゲームでもスリリングなフットボールを見せてくれるのではないでしょうか。これまで1失点しかしていなかった首位を追い詰めた雑草集団に、盛大に拍手を送りたいと思います。


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