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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.CITY×West Ham】 シルヴァ、アグエロ、ヤヤ・トゥレが揃えば強いマン・シティ

1-0の時間が長かったので、マンチェスター・シティが苦戦をしている印象はありましたが、ウエストハムGKヤースケライネンのファインセーブで2~3点止められており、実際のスコアよりチーム力に差があったゲームでした。アグエロ、ヤヤ・トゥレのゴールでマンチェスター・シティが2-1と完勝です。

前半は開始直後こそ、ウエストハムに押されましたが、基本的にはマンチェスター・シティのペース。ダヴィド・シルヴァがいると前線と後ろがきっちりつながるようになり、パスの出先のバリエーションが増え、攻撃に幅が生まれます。トップに入ったアグエロとテベスが激しくポジションを入れ替え、積極的にシュートを打ち、前節のトッテナム戦よりも明らかに攻撃がスムーズです。アグエロは22分にシュートをポストに当てた後、28分にはナスリのパスをしっかり決め、1-0でハーフタイムを迎えます。

マンチェスター・ユナイテッドの優勝が決まり、目標がFAカップ1本になった2位チームと、現在10位で上位進出への期待も降格のリスクもほぼないチームの対戦でしたが、ウエストハムが健闘し、ゴール前での攻防が多いエキサイティングな前半だったと思います。このぶんだと後半、同点もあるかと期待したのですが、マンチェスター・シティはそれほど甘くありませんでした。

後半開始直後こそ、ウエストハムがボールを持つ時間が増えましたが、マンチェスター・シティのディフェンス陣は落ち着いて対応し、時折鋭いカウンターからテベス、アグエロ、ナスリがゴールに迫ります。監督のマンチーニがイタリア人なので、その印象に引っ張られているところもあるのかもしれませんが、マン・シティはセリエAのチームのような戦い方をするなと思うことがあります。マンチェスター・ユナイテッドが1-0でこう着状態に入ったときは、守りはのらりくらりかアップアップ、前は間違いなく攻めあぐんでいるのですが、マン・シティは違います。安全第一でしっかり守り、意志を持ってカウンター狙い。彼らが1-0や2-0のクリーンシートが多いのはそのためでしょう。後ろに守備の要・コンパニとGKハートが構え、カウンターがうまいテベス、アグエロ、ダヴィド・シルヴァがいることが、このサッカーを可能にしているのだと思います。

80分を過ぎ、FKからウエストハムにゴールを脅かされるシーンもありましたが、ゲームに決着をつけたのは、ヤヤ・トゥレの完璧な左足ミドルでした。この人は、ほんとうにうまい!最終ラインも中盤の底もこなし、ドリブルもシュートも一流などという選手はほとんどいません。この日のシュートもゴール左上隅にまっすぐ決まり、名手ヤースケライネンでも何もできませんでした。

このまま2-0で終わるかと思われた追加タイム、マン・シティのGKハートが腰を痛めるというアクシデントがあり、終了直前のキャロルのシュートを止められず失点しましたが、彼ららしい点の奪い方、ゲームの進め方で完勝です。やはり、ダヴィド・シルヴァ、アグエロ、ヤヤ・トゥレの3人が揃い、コンパニが健在なこのチームは強いですね。

逆にいえば、プレミアリーグナンバーワンのタレント集団がマンチェスター・ユナイテッドに独走を許した最大の理由は「コンパニの負傷とヤヤ・トゥレの離脱」だったのだと思います。アフリカネーションズカップでヤヤトゥレが不在となり、コンパニが欠場していた1月末~3月に、3勝2分2敗と足踏みしてしまったのが痛かった。マンチェスター・ユナイテッドの強さは、「誰が抜けてもクオリティが落ちないこと」「負けや引き分けを次戦に引きずらないこと」。チームマネジメントにおいては、サー・アレックス・ファーガソンのほうがマンチーニよりまだまだ上ですね。

この勝利で、マンチェスター・シティが2位の座をほぼ手中にし、CL出場権獲得が間違いないものになったことで、FAカップ決勝を彼らと戦うウィガンは、もし負けても繰り上げで来季のEL出場権獲得です。プレミアリーグでは残留争いの渦中にいるウィガンですが、いろいろな意味でモチベーションが高まっていそうです。本日、トッテナムとホームで戦っておりますが、結果はどうなることやら。後ほどそちらもレポートします。

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