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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ランパードはノリッジ、ジェラードはヴィラ…不振のクラブから声がかかったレジェンドの決断はいかに!?

プレミアリーグ609試合177ゴール102アシストのフランク・ランパード。504試合120ゴール92アシストのスティーヴン・ジェラード。チェルシーとリヴァプールでひとつの時代を築いた2人のセントラルMFが、指揮官を解任したクラブの後任候補に挙げられています。MFとしてプレミアリーグで最多ゴールのランパードにアプローチしているのは、最下位に沈むノリッジ。リヴァプールのレジェンドとの交渉が大詰めと報じられているのは、目下5連敗のアストン・ヴィラです。

ノリッジのダニエル・ファルケ監督の解任劇は、プレミアリーグのクラブが監督に対していかに残酷かをアピールするようなプロセスでした。45歳のドイツ人指揮官に通告がなされる1週間前、スチュワート・ウェバーSDは解任を否定していました。

「(7-0で敗れた)チェルシー戦の結果は容認できるものではない。われわれはプレミアリーグ残留を果たし、繫栄するためにここにいる。現状は、ピッチでそれを実証できていないが、今はひとりの男にフォーカスすべき時ではない」

このとき既に、ファルケの命運が尽きていたと思い知らされたのは、ブレントフォード戦の後でした。2-1で今季プレミアリーグ初勝利を挙げた数時間後の解任発表。彼の処遇は、試合の結果がどうあろうと決定していたのです。メディアの解任ゴシップに対して、「スキャンダラス」「恥辱」という強い言葉を用いて否定していたSDは、後任探しの時間が取れるインターナショナルブレイクを待っていただけでした。

「今が変化のタイミング」。前線を中心に獲得した6人が未だプレミアリーグノーゴールという補強に対して、責任を負うべきスポーツディレクターの言葉が虚しく響きます。勝てなくなったとき、仕事を奪われるのは常に監督です。メディアは既に、後任候補というおいしいネタにシフトしています。セインツのハーゼンヒュットル、ヴィラで解任されたばかりのディーン・スミスとともに名前が挙がっているのが、ランパードです。

2018-19シーズン、指揮官デビューのダービー・カウンティではチャンピオンシップ6位。古巣チェルシーに請われ、チャレンジした最初のシーズンは、プレミアリーグ20勝6分12敗でTOP4フィニッシュを果たしています。昨季の前半戦の不振で、あえなく解任となったブルーズのレジェンドは、指揮官としての実働は2年半。最下位チームの立て直しという難しいミッションとなれば、ウォールソールの立て直しやヴィラのプレミアリーグ復帰という実績があるディーン・スミスのほうが適任かもしれません。

一方、プレミアリーグ5連敗でディーン・スミスを解任したヴィラは、昨季のスコティッシュ・プレミアシップで無敗優勝を遂げたグラスゴー・レンジャースの指揮官と交渉を続けています。「BBC」のフィル・マクナルティ記者によると、「今後の48時間で大きな進展がある見通し」。ヴィラの地元メディア「バーミンガムメール」のアシュリー・プリース記者も、「コーチングスタッフ選び以外は完了」「レンジャースに支払う補償金は300万ポンド(約4億6000万円)」と伝えています。

フィル・マクナルティ記者は、リヴァプール時代のジェラードをよく知るヴィラのクリスチャン・パースローCEOが絶賛していると解説し、「アンフィールドの将来の監督と目されているジェラードにとって、野心的なクラブでプレミアリーグ復帰を果たせるのは魅力的なこと」と続けています。ランパードとジェラードに関する現地メディアのトーンは明らかに差があり、ノリッジよりも先にヴィラの指揮官が決まるのではないかと思われます。

ランパードVSジェラードはもちろん、アルテタやヴィエラ、スールシャールら「40代のプレミアリーグレジェンド対決」が楽しみになりますが、果たしてランパードはノリッジに行くのでしょうか。求人情報に記載されている募集職種が「パートタイムの残留請負人」なのか、「クラブの未来を築く正社員」なのかが大いに気になるところであります。(フランク・ランパード 写真著作者/Mehdi Bolourian)


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