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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ようやく動き出したプレミアリーグ王者。ベコヴィッチ獲得の次は、ペドロ・ロドリゲス⁉

グレン・ジョンソン獲得といううれしいニュースを配信したストークが、直後にGKベコヴィッチをチェルシーに持っていかれました。マーク・ヒューズ監督にとっては手痛いエースGKの離脱ですが、プレミアリーグとチャンピオンズリーグのダブルを狙うモウリーニョ監督にとっては申し分のない補強でしょう。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のベコヴィッチは、ストークに在籍した5年半で172試合出場と、何しろプレミアリーグの経験が豊富です。シュートに対する瞬発力もさることながら、正確なキックには定評があり、プレミアリーグ史上最長距離ゴールの記録を持っているのはベコヴィッチなのです。

2013年11月2日、プレミアリーグ2013-14シーズン第10節のサウサンプトン戦、試合開始からわずか12秒。DFのバックパスを直接叩いたベコヴィッチの「ボレーシュート」は、セインツのDFが声をかけてGKボルツに捕らせようとしたところ、ワンバウンドしたボールがGKの頭上を越えてしまいゴールイン。何ともラッキーな一発でしたが、「GKのファステストゴール」「最長距離ゴール」という立派な記録であり、ベコヴィッチのキック力あってこその幸運だったわけです。クルトワとレギュラーを争うまでには至らないと思われますが、彼がピッチに立てば、クルトワの不在を嘆くサポーターはいないのではないでしょうか。バルセロナ、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンなどチャンピオンズリーグ制覇を狙うクラブには、素晴らしいGKが2人以上いるのが当たり前となっていますが、チェルシーで背番号1を付けることになったベコヴィッチは、プレミアリーグ最強のスカッドに加わる資格ありだと思います。

ストークは既にシェイ・ギブンとヤコブ・ハウゴーアという2人のGKを補強しており、昨季のプレミアリーグで3試合に出場した期待の若手ジャック・バトランドが控えています。2015-16シーズンのゴールマウスにいるのは、イングランド代表にも選ばれた22歳のバトランドなのではないかと思います。ベコヴィッチ移籍は単なる戦力ダウンではなく、クラブと若いGKにとっての新たなチャンスでもあります。

さて、ファルカオ、ナタンに続く3人めをようやく獲得したチェルシーですが、次の移籍発表はさらに大物になる可能性が高まってきたようです。スペインメディア「スポルト」は、バルセロナのペドロ・ロドリゲスがチェルシー移籍を決断したと報じています。以前から、この夏にはプレミアリーグに居場所を変えるのではないかという噂があったペドロは、6月に一転、残留を決意してバルサとの契約を延長。獲得を狙っているといわれていたアーセナルやリヴァプール、チェルシーの計画は白紙に戻っていました。しかしその後、バルセロナはアルダ・トゥラン獲得に走り、出場機会の減少にストレスを感じていたペドロにとって、取り巻く環境はより厳しいものになっています。6月に契約を見直した際に、ペドロの契約解除金は1億5000万ユーロ(約202億円)から3000万ユーロ(約40億円)に下げられたそうで、これは7年間尽くしてくれたペドロに対して、行きたいクラブがしかるべき額を払えば容認するというバルセロナの心遣いでしょう。

この状況を見て、以前からペドロに興味を持っていたチェルシーからモウリーニョ監督や元同僚のセスク・ファブレガスが口説きに入り、リーガ・エスパニョーラで15試合の先発に留まっていた背番号7の心はプレミアリーグ入りに傾いたといわれています。バルセロナの会長選挙が終わる18日以降、チェルシーは具体的な交渉に入ると伝えられていますが、ここまでの話が事実ならモウリーニョ監督が直々に動いた話で3000万ユーロを渋るとは考えられず、すんなり決まるのではないでしょうか。

いやー、やっかいですね。アザールの逆サイドにペドロ。1月のクアドラード獲得やこの夏のファルカオに脅威は感じなかったのですが、テクニックがあってスペースを作るのがうまく、カウンターでも威力を発揮するペドロは確実にチェルシーにはまると思います。まずい。これは、まずい。ミルナー、フィルミーノ、シュヴァインシュタイガー、デパイ、チェフらが続々と動くのを見て、来季のプレミアリーグの上位は真っ赤になるのではないかと浮かれていたのですが、チェルシーサポーターのみなさん、すみませんでした。冷静になってみれば、ペドロなど獲られた日には、プレミアリーグ最強はやはりみなさんのクラブだと思います。リーグは昨季よりは激戦になると思われますが、チャンピオンズリーグ最上位は間違いなくチェルシーでしょう。

…ああ、まだ決まったわけではありませんね。ビッグニュースが飛び込んでくるとすれば、おそらく来週の頭でしょう。ここからさらに、モウリーニョさんがいうところの「チームに厚みを持たせる何人か」が決まれば、昨季プレミアリーグ王者は盤石です。(ペドロ・ロドリゲス 写真著作者/Clément Bucco-Lechat)

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“ようやく動き出したプレミアリーグ王者。ベコヴィッチ獲得の次は、ペドロ・ロドリゲス⁉” への2件のフィードバック

  1. 名無し より:

    バトランドがコンスタントに試合出られるとなるとイングランド代表にとっても大きいですね!

  2. makoto より:

    名無しさん>
    おっしゃるとおりですね。ようやく、ジョー・ハートの後釜が出てきました。

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