なぜエンケティア、なぜラカゼット…「スカイスポーツ」の名物記者がアルテタ采配を批判。
「アーセナルの監督は、月曜日に開催されたエヴァートン戦の2-1の敗戦について、劣勢の言い訳はしなかった。しかし、多くのサポーターは、今、不調なのは選手だけではないと考えている」
ミケル・アルテタの決断に厳しい目が向けられていると指摘しているのは、「スカイスポーツ」のニック・ライト記者。プレミアリーグ11節終了時には、4位リヴァプールと2ポイント差に迫ったチームは、その後の4試合で3敗を喫して7位に転落してしまいました。上にいるトッテナムとマンチェスター・ユナイテッドは、数週間前に危機的状況に陥って、指揮官を代えたばかりのチームです。
マンチェスター・ユナイテッド戦の先制ゴールはスミス・ロウ、エヴァートン戦はウーデゴーア。2戦連続の逆転負けを、選手たちの若さに紐づけて批判するだけで済ますわけにはいかないでしょう。いずれのゲームも敵将の交代策は的確で、ガナーズの指揮官の打ち手はことごとく空回りしています。
「アルテタは、今回の敗因となったいくつかのジャッジについて、自らを省みなかった」。プレミアリーグのスタッツ分析において定評がある「スカイスポーツ」のアナリストは、グディソンパークにおける交代策はすべて意味をなさなかったと振り返っています。
終盤にひっくり返されたゲームの60分に戻ってみましょう。ドゥクレのラストパスを決めたリシャルリソンが、VARで2度めのゴール取り消しを喰らった直後。0-1でリードしていたアーセナルは、自陣に押し込まれるようになっていました。最初の交代カードはティアニーをヌーノ・タヴァレス。久しぶりに左サイドに入ったスコットランド代表は、この時間で下がる予定だったのかもしれません。しかし…。
「アルテタは、先日のニューカッスル戦で活躍したアルベルト・サンビ・ロコンガを起用することもできた」
「タヴァレスは最近のパフォーマンスを継続するかのように、不安定なプレイに終始し、アーセナルの緊張感をさらに高めてしまった。OPTAによると、21歳のプレーヤーは8回もボールをロストしている。とりわけ厳しかったのは、エヴァートンが同点ゴールを決める前の時間だった」(ニック・ライト)
タヴァレス投入の直後、ベニテス監督はタウンゼントをアンドレ・ゴメスに代え、4-3-3にシフト。これをきっかけに、ガナーズはさらに劣勢を強いられます。最大の問題は、71分の2枚めのカードでした。マルティネッリをエンケティア。左サイドを主戦場のひとつとしているオーバメヤンは、相当落胆したのではないでしょうか。契約延長を拒否して出ていこうとしている選手を自分より優先し、本職ではない左で起用するとは…!
この日のラカゼットはボールが出てこず、シュートゼロ、パス成功11本、デュエル4勝8敗、空中戦0勝5敗という散々な出来でした。残り20分でカードを切るなら、「マルティネッリをオーバメヤン」「ラカゼットをオーバメヤン」「マルティネッリをサンビ・ロコンガに代えて4-3-3」のいずれかだったのではないでしょうか。
アーセナルは、自陣に押し込まれる展開になると中盤センターのミスが増えるチームです。最大の要因は、パスをもらえる位置に動く選手が少ないこと。何とかつなごうとして追い込まれたMFが冷静さを失い、ボールを奪われたりインターセプトされたりしてしまうのでしょう。
あの状況なら、マルティネッリをサンビ・ロコンガに代えてセンターを3枚にして、もらいに来てくれるウーデゴーアを右、サカを左というオプションも効果的なのではないかと思いました。しかし実際は、エンケティア。左サイドから押し返すことができなかったアーセナルは、トーマス・パーティーとタヴァレスのイージーなミスから、同点ゴールを決められてしまいました。
「エンケティアは、アーセナルをリードさせる素晴らしいチャンスでミスを犯した。オーバメヤンを出さないという判断は、アレクサンドル・ラカゼットが明らかに苦戦していたことを考えれば、なおさらおかしなものだった」
「10月中旬以降、ノーゴールのフランス人は、シュートを1本も打てず、エヴァートンのボックス内で1回しかタッチできなかった。それなのに、85分までピッチに立っていたのはなぜなのか」(ニック・ライト)
ラスト5分となってから登場したオーバメヤンはテンションが低く、ウーデゴーア以外にゴールの匂いが漂う選手はいませんでした。97分の失点は、ジャカの軽いディフェンスによってアンドレ・ゴメスを上がらせてしまったのがきっかけでした。ニック・ライト記者がサンビ・ロコンガの名前を出したのは、タヴァレスが登場した60分過ぎに、ジャカは既に疲労困憊だったように見えたからです。
交代カードは、チョイスも順番も疑問が残るものばかりで、指揮官の狙いはわかりませんでした。「スカイスポーツ」の記者は、アルテタ監督の選手起用が不可解なのはエヴァートン戦に限ったことではないと主張しています。
「ニコラ・ぺぺは最近5試合で交代要員として使われていない」
「ロコンガは調子が上がってきたと思ったら、すぐに交代させられてしまった」
「モハメド・エルネニーは、オールド・トラフォードでは90分間出場したが、グディソンパークでは再びベンチに戻ってきた」
プレミアリーグ15試合で18ゴールは12位。ビッグチャンスクリエイト13回は、ノリッジに次ぐワースト2位。就任から2年、彼が指揮を執るチームは、どんな状況でも必ずといっていいほど「絶不調の選手」「干されているように見える選手」が存在します。戦力を十全に活かしているトゥヘル、ペップ、クロップとは対照的。エヴァートン戦について、アナリストが指摘したチームの問題に深くうなずかされます。
「トーマス・パーティーを筆頭に、個々の選手の調子が悪いのは確かだが、今回の試合はアルテタの攻撃戦略が全体的に曖昧という印象を強めた」
「アルテタはチームに多くのことを求めている。最近のパフォーマンスを見れば、その権利はあるだろう。しかし、マンデーナイトのグディソンパークでの出来事は、アルテタが自らの内面にも目を向けなければならないと思わせるものだった」
ミケル・アルテタの決断に厳しい目が向けられていると指摘しているのは、「スカイスポーツ」のニック・ライト記者。プレミアリーグ11節終了時には、4位リヴァプールと2ポイント差に迫ったチームは、その後の4試合で3敗を喫して7位に転落してしまいました。上にいるトッテナムとマンチェスター・ユナイテッドは、数週間前に危機的状況に陥って、指揮官を代えたばかりのチームです。
マンチェスター・ユナイテッド戦の先制ゴールはスミス・ロウ、エヴァートン戦はウーデゴーア。2戦連続の逆転負けを、選手たちの若さに紐づけて批判するだけで済ますわけにはいかないでしょう。いずれのゲームも敵将の交代策は的確で、ガナーズの指揮官の打ち手はことごとく空回りしています。
「アルテタは、今回の敗因となったいくつかのジャッジについて、自らを省みなかった」。プレミアリーグのスタッツ分析において定評がある「スカイスポーツ」のアナリストは、グディソンパークにおける交代策はすべて意味をなさなかったと振り返っています。
終盤にひっくり返されたゲームの60分に戻ってみましょう。ドゥクレのラストパスを決めたリシャルリソンが、VARで2度めのゴール取り消しを喰らった直後。0-1でリードしていたアーセナルは、自陣に押し込まれるようになっていました。最初の交代カードはティアニーをヌーノ・タヴァレス。久しぶりに左サイドに入ったスコットランド代表は、この時間で下がる予定だったのかもしれません。しかし…。
「アルテタは、先日のニューカッスル戦で活躍したアルベルト・サンビ・ロコンガを起用することもできた」
「タヴァレスは最近のパフォーマンスを継続するかのように、不安定なプレイに終始し、アーセナルの緊張感をさらに高めてしまった。OPTAによると、21歳のプレーヤーは8回もボールをロストしている。とりわけ厳しかったのは、エヴァートンが同点ゴールを決める前の時間だった」(ニック・ライト)
タヴァレス投入の直後、ベニテス監督はタウンゼントをアンドレ・ゴメスに代え、4-3-3にシフト。これをきっかけに、ガナーズはさらに劣勢を強いられます。最大の問題は、71分の2枚めのカードでした。マルティネッリをエンケティア。左サイドを主戦場のひとつとしているオーバメヤンは、相当落胆したのではないでしょうか。契約延長を拒否して出ていこうとしている選手を自分より優先し、本職ではない左で起用するとは…!
この日のラカゼットはボールが出てこず、シュートゼロ、パス成功11本、デュエル4勝8敗、空中戦0勝5敗という散々な出来でした。残り20分でカードを切るなら、「マルティネッリをオーバメヤン」「ラカゼットをオーバメヤン」「マルティネッリをサンビ・ロコンガに代えて4-3-3」のいずれかだったのではないでしょうか。
アーセナルは、自陣に押し込まれる展開になると中盤センターのミスが増えるチームです。最大の要因は、パスをもらえる位置に動く選手が少ないこと。何とかつなごうとして追い込まれたMFが冷静さを失い、ボールを奪われたりインターセプトされたりしてしまうのでしょう。
あの状況なら、マルティネッリをサンビ・ロコンガに代えてセンターを3枚にして、もらいに来てくれるウーデゴーアを右、サカを左というオプションも効果的なのではないかと思いました。しかし実際は、エンケティア。左サイドから押し返すことができなかったアーセナルは、トーマス・パーティーとタヴァレスのイージーなミスから、同点ゴールを決められてしまいました。
「エンケティアは、アーセナルをリードさせる素晴らしいチャンスでミスを犯した。オーバメヤンを出さないという判断は、アレクサンドル・ラカゼットが明らかに苦戦していたことを考えれば、なおさらおかしなものだった」
「10月中旬以降、ノーゴールのフランス人は、シュートを1本も打てず、エヴァートンのボックス内で1回しかタッチできなかった。それなのに、85分までピッチに立っていたのはなぜなのか」(ニック・ライト)
ラスト5分となってから登場したオーバメヤンはテンションが低く、ウーデゴーア以外にゴールの匂いが漂う選手はいませんでした。97分の失点は、ジャカの軽いディフェンスによってアンドレ・ゴメスを上がらせてしまったのがきっかけでした。ニック・ライト記者がサンビ・ロコンガの名前を出したのは、タヴァレスが登場した60分過ぎに、ジャカは既に疲労困憊だったように見えたからです。
交代カードは、チョイスも順番も疑問が残るものばかりで、指揮官の狙いはわかりませんでした。「スカイスポーツ」の記者は、アルテタ監督の選手起用が不可解なのはエヴァートン戦に限ったことではないと主張しています。
「ニコラ・ぺぺは最近5試合で交代要員として使われていない」
「ロコンガは調子が上がってきたと思ったら、すぐに交代させられてしまった」
「モハメド・エルネニーは、オールド・トラフォードでは90分間出場したが、グディソンパークでは再びベンチに戻ってきた」
プレミアリーグ15試合で18ゴールは12位。ビッグチャンスクリエイト13回は、ノリッジに次ぐワースト2位。就任から2年、彼が指揮を執るチームは、どんな状況でも必ずといっていいほど「絶不調の選手」「干されているように見える選手」が存在します。戦力を十全に活かしているトゥヘル、ペップ、クロップとは対照的。エヴァートン戦について、アナリストが指摘したチームの問題に深くうなずかされます。
「トーマス・パーティーを筆頭に、個々の選手の調子が悪いのは確かだが、今回の試合はアルテタの攻撃戦略が全体的に曖昧という印象を強めた」
「アルテタはチームに多くのことを求めている。最近のパフォーマンスを見れば、その権利はあるだろう。しかし、マンデーナイトのグディソンパークでの出来事は、アルテタが自らの内面にも目を向けなければならないと思わせるものだった」
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