【MAN.CITY×West Ham】ウェストハム守った!ガナーズ、レッズに続いて首位まで撃破!
攻撃の構成力ではトップクラブにはかなわないハマーズのお家芸は、セットプレーかミドルシュートで先制点を奪い、ウィンストン・リードを中心とした粘り強い守備で逃げ切るというもの。6分、チェルシーからやってきたヴィクター・モーゼスのスペシャルなミドルは、「マンガラのマークが緩かった」「ジョー・ハートが打ってこないと思い込んでいた」と守るほうにツッコミを入れるのは簡単ですが、打った選手をほめたい一発だったと思います。あの位置からニアにグラウンダーのシュートを決めるなどというプレイは、年に何回も観られるものではありません。アウトにかかって外からポストぎりぎりに滑り込んだコースは、ここしかないというピンポイントでした。とはいえ、まだ残り時間は80分以上あります。マンチェスター・シティがやるべきことはシンプルです。チャンピオンズリーグで彼らがユヴェントスにやられたことを、そのままウェストハムにやればいいのです。今の彼らにとって、プレミアリーグの中堅クラブから2点を奪うことはさほど難しいことではないように思われます。しかし…。
ここからのマンチェスター・シティの攻撃は、なかなか結果につながりません。コンパニの欠場でオタメンディとマンガラがコンビを組むことになり、試合前のアップでダヴィド・シルヴァが負傷してしまったことが、彼らの好守の歯車を微妙に狂わせてしまったのかもしれません。タイミングのいいパスを裏に通してヘスス・ナバスにフリーのクロスを上げさせていたデブライネは、悪くなかったと思います。ところが、サイドからのボールがアグエロやスターリングに通りません。ハマーズの守りは一見、凡庸に見えますが、選手のポジショニングが的確でスペースをしっかり埋めています。
守備の軋みは、主にCBのコンビネーションにありました。ボールを奪った後、パイェを経由して前線に勝負させるウェストハムの攻撃に、プレミアリーグでは初めてのコンビとなるCBは時折隙を見せてしまいます。19分のピンチが象徴的でした。コンパニと一緒だと安心して見ていられるマンガラが、ランジーニの仕掛けに一発でスライディングしてしまい、抜かれてゴールラインまでえぐられます。オタメンディが体を投げ出して止めていなければ、中のサコにあっさり追加点を許していたでしょう。ここをしのいだマン・シティは、しかしその10分後に痛恨の2点めを献上します。パイェのCK。コラロフがウィンストン・リードにヘッドで競り負け、落ちたボールはフェルナンジーニョより先にオビアングが触り、こぼれたところをサコがプッシュしました。
アーセナルはこのスコアで終わり、リヴァプールはさらにもうひとつゴールを決められましたが、プレミアリーグ首位チームは前半のうちに1点差に詰め寄りました。前線でポストに入ったアグエロからパスを受けたデブライネが、ワントラップできれいなミドル!プレミアリーグ復帰後初ゴールは、前半の追加タイムという最高の時間でした。後半、ペジェグリーニ監督は、マンガラをデミチェリスにチェンジして最終ラインの安定化を図ります。セカンドハーフは、最終的にシュート27本、CK16本を記録したマン・シティの怒涛の攻撃をただ観続ける時間でした。
整備された最終ラインがスターリングやアグエロにプレイする時間と空間を与えず、よく守っていたハマーズも、右からペナルティエリアに侵入してくるヤヤ・トゥレの「馬車馬ドリブル」だけは2人がかりでも止まりません。56分のチップキックはGKアドリアンが右手に当ててブロック、63分のクロスへのシュートは左ポストすれすれ。ウェストハムはきっちり守ったわけではなく、ただ命拾いしただけです。ウェストハムは、やはりパイェが絶品です。58分、左からサコを縦に走らせたスルーパスは、右のサイドネットを狙ったシュートが外れてしまいましたが、ジョー・ハートを縦にかわせば1点という絶好機でした。
マン・シティの敗因を挙げるとすれば、ヘスス・ナバスとサニャの右サイドに攻撃が偏っていたのに、ここからのボールが単調だったことと、スターリングにリヴァプール時代のようなゴールに向かう動きが少なかったことでしょうか。途中出場のボニーは空回り。イヘアナチョには10分しか与えられずに時間切れ。ホームチームの攻撃が外からのシュートが少なかったため、ウェストハム守備陣はゴール前のカバーに集中できました。
ハマーズが凄いなと思ったのは、あれだけ一方的に攻められていたにも関わらず、ここぞというときには攻めの枚数が揃っていたことです。79分の反撃では左サイドに4人も上がっており、右からも2人がボールが上がってくるのを待っていました。ファーガソンサッカーを思い出した、といっては大げさでしょうか。チームとしての統制が取れたいいチームを創り上げたビリッチ監督の手腕に感服しました。上位クラブは、「ケガ人が多くて…」などという泣き言は、ビディッチさんの前では控えないといけないでしょう。このチームには、ソング、オグボンナ、エネル・バレンシアという主軸を前後満遍なく欠いているのですから。
マンチェスター・シティは、負けはしたものの、デブライネとオタメンディが機能する目処が立ったのは収穫でしょう。長いシーズン、最後の1本が決まらないゲームがまれにあります。ここは気持ちを切り替え、火曜日のキャプタルワンカップ、サンダーランド戦を勝ち切ることに集中したいところです。余談ですが、この試合、パトリック・ロバーツを頭から使ったりしてもらえないですかね?「イングランドのメッシ」が観られるなら、寝不足も歓迎なのですが…。(ウィンストン・リード 写真著作者/East Ham Bull)
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ヤヤが不意を突きドリブルでエリア内に突進してきたシーンは迫力満点でした
ハマーズはそうそうたるメンバーに囲まれてながらよく守りましたね
本当にパイェ凄い
どうやったらあんな選手に育つんだろうと思いましたが天才なんでしょうね
グーナーとしては、ウェストハムに対してマンcやリヴァプールも後手に回れば負けることが証明されて安心しました。
しかし、マンcが頭一つ抜けてるとはいえ2位ウェストハム3位レスターと順位表は混沌としてきましたね笑
プレミアリーグ1ファンとしてはリーグが面白くなってきたと思いつつ、グーナーとしては頭を悩ませており複雑ですが、、
実はグーナーさん>
ヤヤ・トゥレは怖いですね。彼のように「パス、ドリブル、シュート、プレースキック、守備とすべてが最高水準の選手」は他に見当たらず、今後もなかなか出てこないのではないかと思います。パイェもよかったですね。1年を通じてあのプレイを見せられたら、間違いなく上位から声がかかるでしょう。
しんさん>
マンチェスター・ユナイテッドとチェルシー、トッテナムにアウェイで勝てば、コンプリートです(笑)。ウェストハムやクリスタル・パレス、レスターが年明けまであの順位にいたら…などと想像してしまいます。おもしろくなってきました。
ロバーツは今季使われるのでしょうか?
ペジェが使うようには思えません
COCでも出なければ今季はもうほとんど見れ無いのでしょうね
引き出しの少ない監督ですから
挑戦もなかなかしないですし