バイエルンにも勝てる!最強アーセナルに贈る、敗者からのエールです。
コメント欄にも同じ意見をいただきましたが、このサッカーを常時できれば、プレミアリーグ優勝どころか、チャンピオンズリーグでも相当上にいけるのではないかと思いました。メスト・エジルが、母国ドイツ紙「ビルト」にて「バイエルン・ミュンヘンが相手でも勝つ可能性は充分にある」と話していても、無謀だとは思いません。ブンデスリーガで8戦8勝。好調のドルトムントから事もなげに5点を奪って圧勝してしまうドイツ王者は、現在欧州最強だと思われますが、初めての敗戦がアーセナルなら、テンションが上がるだけで驚きはありません。それほど、彼らは凄かったのです。完勝を演出して、ライバルをプレミアリーグ首位から引きずりおろしたドイツ代表MFのコメントに耳を傾けてみましょう。
「(先週末のプレミアリーグ第8節の)マンチェスター・ユナイテッド戦のようなプレイを見せ、100%勝利を望めば僕らはバイエルンにも勝てる。ホームの試合だ。彼らをリスペクトしているが、恐怖は感じていない。バイエルン相手にどうやってゴールを決めるか、知っているからね。難しい試合なのは確かだけれど、僕たちにはどんなチームにも勝てるだけのポテンシャルがある」(メスト・エジル)
マンチェスター・ユナイテッド戦を観て思い出したのは、名古屋グランパス時代のヴェンゲルサッカーです。最弱を争っていたチームを強化し、リーグ2位と天皇杯優勝まで導いたヴェンゲルさんの当時のフォーメーションは4-4-2でした。FWにはシュート力が売りだった小倉と、天才ストイコヴィッチ。守備の際には最前線まで追いかけ、しつこくプレスをかけていたエジルの姿は、ピクシーと呼ばれた10番と重なります。中盤は、左にドリブルが強力な平野、右にバランサーの岡山。アレクシス・サンチェスとラムジーの役割の違いもまた、あの頃の赤いユニフォームとどこか似ていました。セントラルの浅野がコクラン、こまめに最適なポジションを取るデュリックスはカソルラ。中盤の4枚はフラットで、DFラインとの距離が近かったのがポイントです。デパイやマタ、アシュリー・ヤングを囲み、つぶし続けて最後まで足が止まらなかったのは、各々の選手が効果的なポジションを取るのに走る距離を必要としなかったからでしょう。
相手がボールを持てば複数の選手で囲み、ひとたび奪えば中央のストイコヴィッチや小倉に速いボールを当て、サイドの選手が猛然とダッシュ。アーセナルがマンチェスター・ユナイテッド戦で決めた2点めも、アレクシス・サンチェス、カソルラ、ウォルコット、そして最後に「FWエジル」とつながった美しい速攻でした。
ゴールゲッターと司令塔が組む2トップ、アタッカーとバランサーの両サイド、アンカーとダイナモのセントラルMF。中盤とDFが緊密な関係でボールを奪い、速いパスワークで時間をかけずにゴールをゲット。名古屋グランパスで得た着想が、アンリ、ベルカンプ、リュングベリ、ピレス、ヴィエラが揃った「インヴィンシブルズ」となって結実したのだと思います。先日のプレミアリーグにおけるアーセナルの強さは、2つのチームと重なってみえました。われわれが観たのは、「ヴェンゲルサッカーの真髄」だったのかもしれません。
さて、目線を10月20日に向けてみましょう。最強とは、つまりこういうことなのではないでしょうか。GKはもちろんチェフ。最終ラインはベジェリン、ガブリエウ、間に合ってほしいコシールニー、モンレアルという速さに耐えられる布陣。カソルラ、コクランのセントラルに、攻撃的な姿勢で相手の右サイドを押し込むアレクシス・サンチェスと、ベジェリンとの関係をしっかり取ってボールを奪うラムジー。前線は、あえて「エジルとウォルコットの2トップ」といいましょう。前から追ってパスコースを狭め、バイエルンの攻撃陣を網にひっかけたら、ひたすら直線的な速攻。ストライカー・エジルは、周囲に美しいパスを配しつつ、ときどき自らもゴールにパスしてくれればいいのです。
最後に、少しだけ宣伝です。10月10日発売の「フットボリスタ」第26号のアーセナル特集に、拙文を寄稿しておりますので、よろしければお読みください。「敗北を抱きしめて」「取り逃がしの後悔史」といったようなテーマで、サポーターのみなさまには恐縮ですが、底に流れているのはアーセナルへの愛と怖れであることは、おわかりいただけるのではないかと思います。日曜日のマンチェスター・ユナイテッドが「グッド・ルーザー」だったかといわれると自信はありませんが、つかの間でも首位に立っていたチームに完勝したのです。無敵を誇るバイエルン・ミュンヘンを止める「NEWインヴィンシブルズ」に、今までにないぐらいの大きな期待をしています。勝ってください!
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いやぁ…泣けてきますね…
他サポでもある主様の応援には…
我々グーナーから見ても、ユナイテッド戦の速攻はインビンジブルを思い起こさせる、最短、最速のハードプレスからのショートカウンターでしたし、そして何よりの期待は滅多に見られない、後半のセットディフェンスからのロングカウンターシフト!BOSSの勝つ為の柔軟な思考が見てとれました。
バイエルンはたしかに強いとは思いますが、思い切り期待しております!!
ところで、フットボリスタの…
「@footballista_jp: ライターさんはいつもの方に加え、アーセナルを愛してやまない方々にもご登場いただいています。いつもとはテイストが違うかもしれませんが、初めてのクラブ特集をフットボリスタらしく作ったらこうなりました。ぜひぜひ楽しんでください」
ここのアーセナルを愛してやまない方々とは主様だったんですね!
是非購入します!
期待してしまいます
バイエルンは攻撃時に3バック+CBでありGKの怪物ノイアーでボールを回しプレスをいなすんで442だと2人の数点不利
引いたら終わりなんでウォルコット+エジルやサンチェスがいかに前で数点不利を感じさせないかが鍵になりそうですね
もともとWGだったベジェリンを右SHにして守備時にはウォルコットと快速2トップで前プレなんて結構面白いと思いますがどうでしょうか
今季のバイエルンは正直言って過去3年のペップバイエルンの中で多分一番強いですがアーセナルにはプレミアの意地を見せて欲しいです
ベルゲル監督時のグランパス、うれしい記憶です、文章にサッカーへの愛情を感じました。
デュリックスは、ガイド本で見て、南仏でオーベルジュを経営していると思ってましたが、ベトナム・ホーチミンのアーセナル・アカデミーの監督らしいですね、ベンゲルさん繋がりでしょうね。
フットボリスタですか!木村前編集長が好きで読み始めたのですが、今でも読んでいます。ぜひ拝読させていただきます。
確かにユナイテッド戦のプレーが継続できればビッグタイトルも夢じゃないですね。
強いて言うなら、ギブスやベジェリンにアシュリー・コールくらいの逞しさが付いてくれることと、ヌワンコ・カヌやヴィルトールのような頼れるサブがいてくれたらなあ…と思います。
デニスBさん>
ありがとうございます!ヴェンゲル監督は、追い込まれると結構柔軟で、やってくれるんですよね。「なめてやられるモード」「スロースターターで前半リードされるモード」がなければ相当強いのですが…。
実はグーナーさん>
ベジェリンをひとつ上げるのはおもしろいですね。ヴェンゲル監督謹製「SB二段重ね弁当」は左ばかりで、右をあまり観ないので観てみたい気がします。
シティズンさん>
おっしゃるとおり、バイエルン強いですね。レヴァンドフスキが1点しか獲れない絶不調に陥ってくれれば、何とか…。
ジウベルトさん>
お名前がインヴィンシブルズテイストですね!デュリックス、そうなんですね。人を大事にして、長くおつき合いするヴェンゲルさんらしいエピソードで、感激します。
queenさん>
ありがとうございます!カヌとヴィルトール、懐かしいです。今季はウェルベックの復帰に期待!です。
ガナサポなんじゃないですか?笑
と思うくらいいつもガナサポには嬉しい記事を書いてくださりますね笑
ユナイテッド戦の勝利はCLの情けない試合を払拭し、今後に希望を持つのに十分な内容でした。
移籍市場が閉まる前の予想通りになることを祈ってます!笑
あと、このブログはプロが作ってるのかな?と疑問に思ってましたがやっぱり一般人のブログではなかったのですね、失礼しました。
いつも拝見しています。
名古屋時代からベンゲルを追いかけ、ベルカンプを愛する長年のファンはあのサッカーが見たいですね。
ベンゲルの理想の核は、時々ひどく批判されますが、やっぱりエジルだと思います。
軽やかに動き、一瞬で局面を変えるあの不思議な感じが病みつきになっています。
もちろん、泥臭くボールを追いかけている選手も好きなのですが。
デリックさん>
文章を書くこと自体は生業ですが、雑誌にアーセナルの記事を書くことになるとは思ってませんでした。縁あってのものです。ありがたいです。
koさん>
エジルの動きは優雅ですね。変に力が入ってないのに、GKと1対1があまりうまくないのはなぜでしょうね。