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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Wigan】 天国と地獄、無情の雨中戦…アーセナル快勝、ウィガン降格!

プレミアリーグ第37節、アーセナルVSウィガンは両チームとも負けられない1戦。アーセナルは勝てばチャンピオンズリーグ出場権獲得に大きく近づきますが、負ければトッテナムにかわされ5位転落。最終戦でトッテナムが勝ち点を落とさない限り、4位以内に入れなくなります。ウィガンはこのゲームに負けたら降格決定。アーセナルにしてみれば、「スウォンジー、何てことをしてくれたんだ!」といいたい状況です。5月7日のウィガンVSスウォンジーで、昇格・降格に関係ないアウェイのスウォンジーが素晴らしいサッカーを展開し、2-3で勝利。これによってウィガンは残り2試合を全勝しないと降格、というところまで追い込まれてしまったのです。

「この16年、チャンピオンズリーグ出場権を失ったことがない」アーセナルと、「この7年、降格スレスレをすべて切り抜けてきた」ウィガン。矛と盾の対決は、どちらの力が勝るのか。ゲーム開始直後は完全なるアーセナルペース。11分にはカソルラのCKがニアのメルテザッカーをスルーし中央に流れ、ポドルスキーがこれをヘッドで叩き込み先制。気合い十分のアーセナルが追加点を狙って押しまくると思われたのですが…これがどうもうまくいきません。

原因はまさにこの「気合い」です。この日CFに入ったポドルスキーやロシツキは、ウィガンDFがボールを持つと、前線で追いかけまわすのですが、アーセナルの最終ラインはセーフティにペナルティエリアの直前にラインを敷いて守ろうとします。全体が間延びし、中盤に広大なスペース。ウィガンはこの状況を見逃さず、マロニーやコネがペナルティエリア前で簡単にボールをもらってシュートを狙うシーンが増えます。そして前半終了間際、ついに同点!右からドリブルで持ち込むマロニーに対し、不利な態勢でブロックしようとしたアルテタにファールの宣告。このFKをマロニーが直接ゴールに沈めます。シュチェスニーの作る壁と彼のポジションには隙があり、狙われたら防げない「右隅の穴」を見事に突かれてしまいました。これで前半は1-1。ボールポゼッションも50:50。どちらがホームチームなのかわかりません。

後半開始直後、状況は変わらないどころか、むしろウィガンが攻勢を強めます。47分にはコネがGKと1対1となり、シュチェスニーが左手でセーブ。50分のマッカーシーのシュートはゴールインしたものの、オフサイド。アーセナルのピンチが続きますが、この時間帯をDFが体を張ってしのぐと、手薄になった右サイドをウォルコットとサニャ、カソルラが使い始め、フリーでクロスが上がるシーンが見られるようになります。

アーセナルの我慢が実ったのは63分。サニャのスルーパスでカソルラが右サイドを抜け出し、中央に走り込んだウォルコットにラストパス。GKとDFラインの間、ぎりぎりでGKが触れない絶妙のコースに出た必殺のパスを、それでも飛び出したGKロブレスの鼻先でウォルコットがタッチしてついに勝ち越し!頭を抱えるウィガンサポーター、勢いづくグーナー。下を向き、落胆したウィガンに巻き返す余力はなく、ここで勝負は終わったといっていいでしょう。

さあ、いよいよアーセナルのショータイムが始まりました。5分後の68分、シュチェスニーのゴールキックのこぼれ球を拾ったカソルラがヘッドで前に送り、中央でフリーになったポドルスキーのループシュートで3-1。さらに3分後、今度は左サイドからラムジーが完全に抜け出し、ドリブルシュートを叩き込んで4点め。たった8分であっという間の3発。この後はアーセナルが時間をゆっくり使ってタイムアップ。最後にアルテタがふくらはぎを痛めたのが懸念されますが、アーセナル、快勝です。

ウィガンはFAカップを優勝しながら無念の降格。来季はチャンピオンシップで戦うことになりました。アーセナルは日曜日、今季最終戦をセント・ジェームズパークでニューカッスルと戦います。負けるか引き分けると5位転落もあり、チェルシーがドローなら3位のチャンスもあるきわどい状況。最後に笑うのは、赤か、青か、白か。プレミアリーグは、いよいよフィナーレを迎えます。

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