偏愛的プレミアリーグ見聞録

ラスト2戦までプレミアリーグのTOP4をキープしていたアーセナルにとって、37節のニューカッスル戦は、来季に影響を及ぼす痛い敗戦でした。逆転でCL出場権を獲得したトッテナムは、シーズンが終わった直後にENICスポーツからの1億5000万ポンド（約239億円）の増資を発表。イヴァン・ペリシッチを引き入れ、フレイザー・フォースターは獲得寸前と報じられています。

彼らが5位でシーズンを終えていたら、景気のいい資本注入と電光石火の補強は実現していたでしょうか。ハイテンションのライバルをまくりたいガナーズですが、チェルシーの新オーナーとスパーズの株主は脅威以外の何ものでもありません。

とはいえ、彼ら自身もヨーロッパリーグへの復帰が決まり、スカッドの充実化を図らなければなりません。重要なポジションは、ストライカー、中盤センター、フルバック。最重要ターゲットと目されているガブリエウ・ジェズスは、アルテタ監督のチームに馳せ参じるのでしょうか。「マンチェスター・イブニングニュース」によると、代理人のマルセロ・ペティナティ氏が聞き逃せないメッセージを残しています。

「現時点で存在するすべてのプロジェクトを理解している。今は何かをいうときではない。代表チームで過ごした後、事は進展するだろう」

インターナショナルブレイクが終わるとともに、交渉は本格化する見通しです。「スカイスポーツ」によると、昨季プレミアリーグのガナーズは、シュート589本とxG（ゴールの期待値）69.4がリーグ4位だったのに、ショットコンバージョン10.4％は11位、xGディフェンシャル（ゴール数とxGのギャップ）はマイナス8.4で15位です。

「ゴール数とxGの差が小さいのは、ハイクオリティのチャンスを逃しているからだ。アーセナルより小さいのは、ブライトン、リーズと降格した3チームだけ。主犯はアレクサンドル・ラカゼットで、彼を下回っているのはブレントフォードのブライアン・ムベウモのみだ」（「スカイスポーツ」ダーメシュ・シェス）

ジェズスを獲り逃したら、カルヴァート＝ルーウィンかリシャルリソンか。いずれにしても、エドゥTDとしては、ストライカーにかかるコストを先に確定させたいでしょう。中盤については、トランスファーマーケットの動向に詳しいファブリツィオ・ロマーノさんがこんなツイートを配信しています。

「アーセナルは、未だユーリ・ティーレマンスに関心を持っている、プランは変わっていない。彼は中盤のターゲットだ。しかし、交渉には時間がかかるだろう。差し迫った契約ではない」

エルネニーとの契約延長が決まったため、中盤には攻撃における貢献度が高い選手がほしいのでしょう。アンカーにトーマス、両脇にティーレマンスとウーデゴーアが入る4-3-3は迫力充分です。「スカイスポーツ」は、レスターのMFの値段が吊り上がる可能性を指摘し、「ルベン・ネヴェスが必要になるかもしれない」といっています。

フルバックについては、「フットボールロンドン」が「ワールドカッププレーオフ準決勝のウクライナVSスコットランドは、エドゥTDがジンチェンコとヒッキーをチェックするチャンス」と報じています。左右のSBとWBをこなすヒッキーはいいのですが、SBが本職ではないジンチェンコはティアニーのバックアッパーというオファーに魅力を感じないのではないでしょうか。

ジェズス、ティーレマンス、ヒッキーを押さえて、ウィリアム・サリバをプレミアリーグデビューさせられれば大満足。中盤にパルメイラスのガブリエウ・メニーノ、前線にカルヴァート＝ルーウィンでも悪くありません。来季のミッションは、プレミアリーグのTOP4フィニッシュとヨーロッパリーグ制覇。3人の即戦力獲得は、必須条件です。