偏愛的プレミアリーグ見聞録

レンヌのDFナイフ・アゲールを獲得した後、パリからレンタルしていたGKアルフォンソ・アレオラを完全移籍にスイッチ。7月に入ってから、スウォンジーMFフリン・ダウンズを押さえたウェストハムは、いよいよアクセルをベタ踏みするようです。

昨季プレミアリーグは、マンチェスター・ユナイテッドに2ポイント差の7位。ヨーロッパカンファレンスリーグに出場するイーストロンドンのクラブは、TOP4の一角崩しまで視野に入れているのでしょうか。3人の新戦力に5250万ポンド（約87億円）を費やしながら、さらに5人をターゲットとしています。

「ウェストハムとチェルシーは、買い戻しの有無やアドオンなど、最終的なディテールについてまだ協議中。しかしアルマンド・ブロヤとの契約は間近に迫っており、完全移籍となる予定である。ブロヤは今、突き進もうとしている。イングランドに飛んで帰ってくるぐらいだから」

ファブリツィオ・ロマーノさんは、チェルシーのアルマンド・ブロヤ獲得は3000万ポンドで着地する見通しとツイート。昨季のセインツでプレミアリーグ32試合6ゴールという数字を残したストライカーは、ロンドンを横断しようとしています。マイケル・アントニオ頼みだったチームは、ラインの裏に抜け出すのがうまいFWの加入で、戦い方のバリエーションを増やせそうです。

移籍市場に精通するジャーナリストは、「ジェシー・リンガードは、ファビオ・パラディチとアントニオ・コンテのリストには入っていない」と断言しています。マンチェスター・ユナイテッドとの契約が満了となってから3週間。ハマーズはなぜ、2020-21シーズンの後半戦でプレミアリーグ16戦9発5アシストとブレイクしたアタッカーを押さえなかったのでしょうか。

サウジアラビアからオファーがあると報じられたリンガードは、プレミアリーグ残留が本線で、エヴァートンとの対決はハマーズ有利と見られています。マイケル・アントニオ、アルマンド・ブロヤ、ボーウェン、ベンラーマ、リンガード、フォルナルス、ランシーニが前線に揃えば充分戦えそうですが、モイーズ監督と経営ボードはさらなるストライカーの獲得を検討しているようです。

「スカイスポーツ」が報じているのは、サッスオーロのジャンルカ・スカマッカ。フランスメディア「レキップ」は、スタッド・レンヌでリーグアン36試合21ゴール4アシストという出色のスタッツを残したマルタン・テリエを候補に挙げています。移籍金は、両者ともに3400万ポンド（約56億円）程度。「スカイスポーツ」は、ブロヤとスカマッカのダブルの可能性もあると伝えています。

リンガードへのアプローチが遅れていたのは、ストライカー獲得の優先順位が高かったからかもしれません。彼らより確度が高そうなのは、リールのセントラルMFアマドゥ・オナナです。「イブニング・スタンダード」によると、20歳のベルギー代表に対して、ハマーズは既に3000万ポンドとアドオンのオファーを提示。195cmの長身でフィジカルに長けており、プレミアリーグの激しさに戸惑うことはなさそうです。

スカマッカとテリエはどちらかひとりだとしても、アルマンド・ブロヤ、リンガード、オナナまですべて獲得すると9400万ポンド。新戦力7人に総額1億5000万ポンドは、ビッグ6でも腹くくりが必要な大型補強です。ハマーズは、どこまでいくのでしょうか。フリーで獲れるリンガード、デクラン・ライスの退団対策となるオナナ、マイケル・アントニオの負担を減らすブロヤの3人でOKですよね…!?