錚々たる顔ぶれ、1位はもちろんあの人!プレミアリーグのGKセーブ率ランキング
データ記事、ランキング記事は玉石混交で、「WhoScored.com」が発表した「ドリブル成功率ランキング」は、上位にシュヴァインシュタイガーやコクラン、デンベレが並んでおり、いけると判断したときにしか仕掛けてこない選手が成功率が上がるのだな、と気分が盛り上がりません。一方でこのGKセーブ率は、納得の顔ぶれです。5位はトッテナムのロリス。プレミアリーグ開幕戦でマンチェスター・ユナイテッドに負けて以降、無敗が続くトッテナムの好調要因は、GKとアルデルヴァイレルトを中心とした守備力の向上です。キックには難があるものの、横のボールに強いロリスは、セービングだけでなく後ろからのコーチングも含めて若い選手たちの安心感の源となっています。
4位のデ・ヘアは、移籍騒動の渦中にあった8月を休んでいたためセーブ数は少ないのですが、スモーリングと彼がいなければ、マンチェスター・ユナイテッドのプレミアリーグ最少失点は成立しえなかったでしょう。ロリス同様に瞬発力が高い守護神は、手でいくか足を使うかの判断が的確で、信じられないビッグセーブを連発してチームのピンチを救ってきました。今季最大の功績は、チャンピオンズリーグのCSKAモスクワ戦でドゥンビアとの1対1を左手を伸ばしてカットしたプレイでしょう。あれがなければ、マンチェスター・ユナイテッドのグループリーグ突破には既に黄信号が灯っていました。昨季もそうですが、彼がいなくなるだけでファン・ハール監督のチームはプレミアリーグ4位以上確保が怪しくなるのではないかと思います。
【プレミアリーグ2015-16 GKセーブ率ランキング】
1位/ペトル・チェフ(アーセナル) 43セーブ/9失点/セーブ率4.78
2位/ジャック・バトランド(ストーク) 50セーブ/12失点/セーブ率4.17
3位/アレックス・マッカーシー(クリスタル・パレス) 29セーブ/7失点/セーブ率4.14
4位/ダヴィド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)23セーブ/6失点/セーブ率3.83
5位/ウーゴ・ロリス(トッテナム) 31セーブ/9失点/セーブ率3.44
3位のマッカーシーに驚いた方は多いのではないでしょうか。フォースター、ハワード、クルル、グザン、シュマイケルなど中堅クラブにもいいGKが多いプレミアリーグで、彼は無名です。ここまで6勝1分け5敗と好調のクリスタル・パレスは、サコ、パンチュン、ボラシェ、ザハ、キャバイェと攻撃的な選手は粒揃いですが、守備陣はさほどいいとはいえません。そんななかでチェルシーに勝ち、マンチェスター・ユナイテッドをスコアレスドローに引きずり込み、他の上位クラブともすべて1点差の接戦に持ち込んでいるクリスタル・パレスの12失点は大健闘でしょう。スコット・ダンやスアレ、デラニーらに負けず劣らず、マッカーシーが貢献しているのは数字を見ても明らかです。
2位に入ったストークのバトランドと1位に輝いたチェフは、セーブ数自体が多いのが気になりますが、私はそれぞれの理由は別と捉えています。セーブ数が多い、すなわち枠内シュートを打たれるようなピンチが多いチームとは、どんなチームでしょうか。3大ポイントは、「カウンターを食らうことが多い」「中盤でボールが奪えない」「ベタ引きしない」ではないでしょうか。ストークは、新戦力が多いこともあって中盤の連携が今ひとつで、ムニエサとショークロスという守備の中心選手が負傷離脱している期間が長かったチームです。この状況を12失点で抑えているのは、多分にバトランドのお手柄でしょう。彼の長所は、判断力です。手か足か、捕るか弾くか、出るか出ないか。バトランドの的確なチョイスが、チェルシー戦を含む4勝のうち3勝までが1-0ときわどいゲームが多いチームを支えています。近い将来、イングランド代表においてジョー・ハートのポジションを奪うかもしれない22歳に、ぜひ注目していただければと思います。
さて、チェフです。彼のセーブ数は43。ちなみにジョー・ハートは15しかセーブがなく、アーセナルは上位クラブのなかでは圧倒的にピンチが多いのですが、この数字で彼らの守備が悪いと決めつけるのは早計でしょう。ポゼッションを取るゆえにカウンターから枠内シュートを打たれるシーンが目立ち、セットプレーで競り負けることが多いのも確かですが、チェフのセーブの多さには、第4の理由があります。「上位クラブとの対戦が多い」。昨季プレミアリーグのTOP6で、アーセナルが対戦していないのはマンチェスター・シティのみ。さらに今シーズンのTOP10を見ても、マン・シティに加えてセインツが入ってくるだけで、アーセナルはいちばん上位対決を消化しているチームです。
マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、チェルシー、トッテナムとの対戦を、アーセナルは3失点に抑えているのですが、決められたゴールはセットプレー、ディフレクション、1対1とチェフはノーチャンス。トップクラスのストライカーを相手にセーブ率4.8という数字は素晴らしいのひとことです。「チェフがいれば勝ち点15は積んでくれる」というジョン・テリーの言葉は、決して大げさでないことがわかります。今回のランキングの結論は、「アーセナルの補強は大成功だった」ということで、いかがでしょうか。
GKが活躍するゲームは、ストライカーが暴れるゲームに負けず劣らず盛り上がりますよね。クルトワとフォースターの復帰が待ち遠しいです。プレミアリーグはいいGKの宝庫ですので、彼らのビッグセーブやFWとの駆け引きに注目しながら試合を楽しむのもおもしろいのではないでしょうか。昔はGKの名産地だったイングランド出身のGKが少ないのが、ちょっぴり残念ではありますが。
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更新ご苦労さまです。
やはりといっては何ですが、ミニョレはランク外ですねー。
以前より、守備範囲が狭いといわれているミニョレはあまり評価されないですし、今シーズンも失点多いですしね。
テア・シュテーゲンなどと早くも獲得の噂がでておりますが、最近はビッグセーブも増えてきたし、DFに怪我人が多い今、ミニョレにはがんばってほしいと思います。
(が、アーセナルをみているとツェフ一人でこうもディフェンスが変わるのかと裏山…なんて邪念も芽生えてきますがね 笑)
アーセナルは基本的にシュートのときにDFの寄せが甘いですよね。だから、DFに当たらず、枠内にバンバン飛ばされてるのかと。その点をチェフがDF陣に指導してくれるともっとガナーズのDFが向上する気がします!
アーセナルはミドルシュートはもう捨ててる感じさえするなあ
チェフがとめてくれるだろうから決定的なチャンスだけはつくらせない守備って感じ
チェフさまさまです
プレミアはGKの層が厚いですね
今シーズンのチェフはウェストハムとの開幕戦でのミスとは一概に言えませんがセットプレーで飛び出して触れなかったこと以外はノーチャンス以外全部止めてる印象です。
ここまでチェフが活躍するともうちょっと早くワールドクラスのキーパー獲るべきだったのでは…と思いますがスタジアムの問題もありましたからね。難しい時期を乗り切ったヴェンゲルに改めて感謝と今シーズンこそはタイトル獲得して欲しいですしその為にはまだまだチェフには活躍して貰わないと困りますね(笑)
こうして数字で見ると改めて感じるチェフの存在の大きさ!!
ランキングに上がってないGKも、グザン、ベゴビッチ、アドリアン、等良い選手が多い印象です!
個人的にワトフォードのゴメス好きな選手だったので応援してます。気のせいかもしれませんが
トットナム時代より安定してる様な…
nyonsukeさん>
ミニョレは、クロップ監督に代わってから2つほどいい試合がありました。いいときと悪いときの波がなくなるといいんですけどね。
デリックさん>
そうですね。昨季のチェルシーの寄せが強烈だったので、余計に気になります。
うぇさん>
チャンピオンズリーグは、遠めから打ってくるチームが多いので要注意です。
実はグーナーさん>
ホントに。ロメロ、ベゴヴィッチ、オスピナ、フォルム、ステケレンブルク、シュウォーツァー、カバジェロ、ボグダーン…この方々が全員第2GKか⁉とため息がでます。
ガナユさん>
エジル、カソルラ、チェフが自信を持ってプレイできている今季はチャンスですよね!
プレミアリーグ大好き!さん>
アドリアン、いいですよね。ゴメスは、当たると素晴らしいのですが、今もちょいちょいやってますからご安心ください(笑)